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90年代から中国生産を進めたが、工員が半年ごとに入れ替わりノウハウが伝承されず、不良品比率は2〜3割にのぼる。
http://www.asyura2.com/07/hasan49/msg/384.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 2 月 27 日 12:50:29: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu138.htm
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90年代から中国生産を進めたが、工員が半年ごとに入れ替わり
ノウハウが伝承されず、不良品比率は2〜3割にのぼる。

2007年2月27日 火曜日

◆補助翼部品、欠いたまま飛行=海外委託整備でミス続発−日航☆1 2月26日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070226-00000164-jij-soci

*日本航空 <9205> が中国にある認定整備工場に整備を委託した際、機体の向きを変える補助翼の関連部品を取り付けなかったり、燃料タンク内にマニュアルを置き忘れたりするミスが起きていたことが24日、分かった。日航は今月上旬に4300人の人員削減を柱とする経営再建策を打ち出したが、同社の安全対策が再び問われそうだ。 


◆工場、国内回帰へ動く  2004年10月17日 アサヒコム
http://www.asahi.com/money/topics/TKY200410170064.html

工場の国内回帰が進んでいる。日本の製造業は円高ドル安でも競争力を維持しようと80年代以降、生産拠点の海外移管を進めてきた。ずっと続いてきたその流れに変化が見える。海外のライバルたちに技術や情報が漏れるのを防ぎ、質の高い製品づくりに欠かせない人材を集めるために国内立地の利点が改めて見直されている。とはいえ徹底して効率化を進めた先端工場では、期待されるような雇用創出効果は生み出せないようだ。

●先端技術の流出防止

 北九州市のJR小倉駅から車で15分。かつて高度成長を支えた製鉄所や化学工場が並ぶ古い工業地帯の一角に、真新しいクリーム色の外壁が異彩を放つ。携帯電話の回路図を焼き付ける基板材料の生産のために新日鉄化学が建設中の新工場だ。

 基板材料は携帯電話市場の世界的な急成長で需要が増えている。世界シェア6割を占める同社の新工場立地を巡っては、熱心な誘致活動を展開した韓国・忠州市との一騎打ちの末、北九州市に軍配が上がった。

 両市の生産コスト試算の比較では総人件費はほぼ同じ。1人当たり人件費は韓国の方が3〜4割安い。ただ、管理部門など人員が3割多めに必要となるからだ。

 韓国側は法人税の5年間免除などの優遇策を示し、生産コストは韓国が1割ほど安くなった。しかも注文の5割が韓国向けとなるため、輸送費も大幅に安くなる。

 それでも新日鉄化学が最終的に国内を選んだのは技術流出を防ぐのが最大の理由だ。「基板はわが社の技術とノウハウの塊」(同社幹部)。韓国生産では韓国メーカーに技術漏洩(ろうえい)する危険が大きくなる。

 最先端工場の国内立地が相次ぐ理由もそこにある。04年に稼働したシャープの液晶パネル工場(三重県亀山市)や05年秋に稼働予定の松下電器産業のPDP工場(兵庫県尼崎市)がその代表例だ。

 「着工以来、明らかに工事と関係ないスーツ姿の人間が遠巻きに見ている姿があった」。シャープ担当者は亀山工場を狙った海外メーカーの「スパイ活動」を疑っている。韓国や台湾など複数の海外候補地も検討したが、海外では一層こうした活動の危険にさらされやすい。今も情報漏れには神経をとがらせ、工場内に入る際は従業員も含めてカメラ付き携帯電話の持ち込みは全面禁止だ。

●人材確保に即対応

 ほかにも国内立地の利点はある。自社の他工場の従業員を活用すれば立ち上げ期にも対応しやすい。研究・製品開発拠点との連携も可能だ。国内消費者の求めにも応じやすい。

 新日鉄化学の場合、自治体の対応も決め手の一つだった。北九州市は政府の「構造改革特区」制度を活用して港湾の24時間化を進めており、韓国向け輸出でも地理的ハンディを少なくできる。

 同社の灘利浩経営企画本部長は「コストの安い韓国で生産する案もあった。だが、目先のコストにとらわれず、競争力の高い製品を今後も生みだすには国内拠点が重要と考えた」と話す。

 中小企業も国内回帰の例外ではない。エアコンや冷蔵庫などの接続部分に使う端子台メーカーのオサダ(東京都八王子市)は現在中国で生産している分の大半を、岩手県遠野市に建設する新工場に来年から移す。

 90年代から中国生産を進めたが、工員が半年ごとに入れ替わりノウハウが伝承されず、不良品比率は2〜3割にのぼる。手直し費用だけで03年に4千万円かかった。今後は人民元切り上げの可能性など為替リスクもある。

 自動化ライン導入の新工場では製品によってはコストが1割以上高くなるが、部品共通化などで圧縮をめざす。長田豊社長は「安い人件費を求めて中国に委託生産する時代は終わった」と話す。

 経済産業省の調査によると、03年の国内工場立地件数は過去最低だった前年から25%増と3年ぶりに増加した。ただ、「経済の低迷で長期間できなかった国内設備投資が、企業収益の回復とデジタル家電関連の市場拡大でやっと出てきただけ」(大手シンクタンク)とこの傾向が持続するかどうかには慎重な見方もある。

 最先端製品でも海外勢に追い上げられ、技術が陳腐になってコスト競争となれば、国内生産を続けられる保証はない。国内立地を選んだあるメーカーの担当者は「汎用(はんよう)品化した後にどういう生産体制をとるか、かなり難しい判断だ」と言う。

●自動化進み雇用期待薄

 国内生産では、徹底した効率化や自動化を進める結果、必ずしも地元が期待する大規模な雇用創出にはつながらない。

 愛知県尾張旭市にある松下電工の瀬戸工場。家庭やビルの配電盤に組み込む小型ブレーカーの生産現場では、自動化された生産ラインが白い四角形の製品を次々と組み立てる。人手は設備操作や異常発生時に対応する約20人の管理者だけだ。

 組み立て部分を中国に委託していたが、5月に自動化ラインを導入した瀬戸工場に戻した。関税や輸送費などが不要になり、中国では200人以上だった人員が10分の1以下になった。コストは年間8億円減った。人員は他の生産ラインから移し、新規の補充はゼロだった。

 03年夏にMDプレーヤー生産をマレーシアから戻したケンウッド山形工場(山形県鶴岡市)は多能工の育成や生産ラインの改善などのコスト削減を徹底している。02年に携帯電話の生産から撤退した際、従業員数を450人から250人に削減。ところが生産が戻った現在も微増の260人にとどまる。「生産効率を高くすれば、生産拡大ほどには従業員数は増えない」(同社)という。

 65〜75年には25%程度あった製造業の就業者比率は00年には19.4%。経済全体のサービス化に加え、海外生産の進展の影響とみられる。

 工場の国内立地が進めば、国や地元の税収増、他産業への波及などが期待できる。ただ、大きな雇用増に直結するとはいえないのが実情だ。

 東レ経営研究所の増田貴司チーフエコノミストは「すそ野産業の集積や品質にうるさい消費者の存在など、競争力強化のために国内に工場を置く利点がある。ただ、自動化の進展で雇用創出効果は限定的にならざるをえない」と話す。

◆為替動向を占うポイント 2月26日 経済コラムマガジン
http://www.adpweb.com/eco/

(前略)
中国は巨額の貿易黒字を稼ぎ、なおかつ黒字幅が年々大きくなっている。外資導入によって製造業の競争力が飛躍的に高まったからである。しかしその背景に自国通貨である人民元を不当に安くしていることが挙げられる。これについては本誌で何回も取上げ、05/8/1(第400号)「中国の為替戦略」で総括した。

人民元を不当に安くしているため、中国の人件費はタダ同然となっており、これが魅力となって外資が中国にどんどん進出し生産拠点を設けた。この外資系製造業が中国の輸出の半分を占めている。中国は人民元を過去に何回も切下げ、為替の優位性を実現してきた。

これまで中国は厳しく人民元を管理し、対ドルにリンク(ペッグ)させていた。しかし貿易黒字額が膨大になり、先進各国から批難を浴びることになった。これに対して中国は、2年前、人民元を3%弱切上げると同時に為替管理を多少緩めた。対米ドルの変動幅を少し広げたのである。

対米ドルで8.3元であったものが、今日7.8元まで人民元は高くなっている。しかし元は高くなったと言われるがわずか6%である。これを今日の日本に当て嵌めるなら、120円の為替レートが113円になる程度である。プラザ合意後、円レートは240円から120円まで急激に円高になったことと比べようがないほど、今日の人民元高は緩慢なものである。

もちろん各国は、人民元の管理をもっと緩め、変動幅をもっと大胆に大きくすべきと主張している(極論としては変動幅自体をなくし為替レートの決定を自由市場に委ねる)。しかしこのような要求を中国は飲む気はないと考えられる。実際、今日程度の人民元高でも、既に競争力を失っている分野が出ているのである。円レートの動向を占う上で、この中国人民元の行末も一つのポイントになる。


(私のコメント)
中国経済については2月10日に袁剣氏の記事を紹介しましたが、中国の労働者は底辺競争に追いこめられて豊かになっていない。テレビなどは上海などの沿岸部でリッチなって外車を乗り回す中国人たちを報道している。都市部においてはビルラッシュであり、近代国家が突如登場したような錯覚にとらわれる。

工場地帯も近代的なハイテク工場が次々と作られて、日本の老朽化した工場と見比べるとアジアにおいても日本の時代は終わったかのように見える。しかし中国は近代国家でもなくハイテク産業国家でもない。共産党独裁国であり情報は管理され、労働者の賃金は先進国の4%しかない水準だ。

そして袁剣氏によれば中国の交易条件は悪化し続けている。中国には安い労働力といった事でしか競争力を保ち得ない。確かに中国の労働者は勤勉であり手先も器用で能力も高い。にもかかわらず労働賃金はなぜ下がり続けてきたのだろうか? 常識的に技術力が上がっていれば製品も付加価値も上がって値上がりしていくはずだ。ところが国産品は値下がりして輸入品はますます高くなっていく。

わかりやすく言えば中国の国産品の競争力はますます弱くなり、改革解放以来元の切り下げで競争力を維持してきたのが実態だ。アサヒコムの記事にもあるように工員の定着率が悪く半年後とに入れ替わって技術の蓄積がなく、不良品率が2〜3割に上るというのは異常だ。

人民元の対米ドルの為替レートの推移 年 為替レート 年 為替レート 年 為替レート
81 1.71 87 3.72 93 5.76
82 1.89 88 3.72 94 8.62
83 1.98 89 3.77 95 8.35
84 2.32 90 4.78 96 8.31
85 2.94 91 5.32 97 8.29
86 3.45 92 5.51 98 8.28

上のグラフを見ればわかるように対米ドルレートは年々切り下げられてきた。最近少し元が上がったといっても7,8元だからほとんど横ばいだ。このように通貨を毎年のように切り下げていかないと他の外国と競争できないのだ。もし1ドルが2元ぐらいになったら、輸出に頼る中国経済は破綻して立ち枯れしたようになってしまう。

この期間中は米ドルも値下がりが続いていたのだから中国元がどれだけ安くなったかがわかる。このような通貨の切り下げは発展途上国だから許されるのでしょうが、とてもオリンピックが開けるような国家ではない。ところがNHkなどでは躍進著しい中国と報道し続けている。決して真の姿は見せない。

冒頭に記事にもあるように日本航空は旅客機の整備を中国に依頼しているが、整備ミスが続発している。人件費が只みたいな安さだから整備士のモラルも最低なのだろう。このような状況に日本企業の工場の国内回帰が進んでいる。それに円安の定着が起きているから国内回帰は正解だった。

最近の日本の円安は世界の七不思議のひとつですが、80年代、90年代が高すぎたのだ。ペーパーマネー化したドルの回避先になりそれを一手に引き受けてきた。日本は円高不況に耐えながら来ましたがユーロの登場で日本はその重荷から解放された。その為に円はプラザ合意以前の円安水準にあります。

中国の人民元はこれ以上切り下げるのは難しいだろう。むしろ世界一に積み上がった貿易黒字で切り上げせざるを得ない方向にある。そしてインドというライバルが登場してきて海外からの投資を呼び込むのはかなり困難になる。そして経済が上手く回らなくなると政治的なリスクが大きくなる。


◆実質実効為替レート:プラザ合意以来の円安 毎日新聞 2007年2月3日
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/archive/news/2007/02/03/20070203ddm008020023000c.html

日銀が2日発表した1月の「実質実効為替レート」(73年3月=100)は97・7となり、主要国がドル高(円安)の是正を決めた「プラザ合意」の85年9月(94・8)以来21年4カ月ぶりに100を割り込む円安水準となった。

 同レートは、輸出国との貿易額に応じて加重平均し、物価上昇率を加味した円の相場で、主要通貨に対する円の総合的な価値を示す。数値が低いと円安、高いと円高になる。プラザ合意前は90前後だったが、合意後は95年4月に165・5まで円高が進んだ。

 最近の円安は、超低金利の日本と欧米との金利差が拡大し、欧米経済が堅調なうえ、急成長したアジア諸国の通貨価値も上昇したことなどが主因とされる。また、ヘッジファンドなどが金利の安い円を借り、外貨に替えて金利の高い海外の債券などで運用する「円キャリートレード」が、円安を進めているとの見方もある。日銀が1月に追加利上げを見送ったことも原因のひとつとされる。【山本明彦】


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