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2007年02月15日
GDP10−12月期年率換算4.8%の高い伸び
今日は10−12月期のGDPが発表されました。年率換算4.8%増であり、予想以上の強い数値が出てきたという印象です。これは前期の7−9月期の反動増でありますが、年率換算でも実質成長率が1.9%になるなど、順調な景気回復を見せています。
ただ個人消費も伸びていますが、やはり設備投資の伸びが堅調なことが目立ちます。私はここまで強い数字が出るとは思っていませんでした。まず10月に北朝鮮が核実験に踏み切り、これが個人消費を冷やすと考えていたこと。また安倍政権がいきなり設備投資促進の税制を提言したため、それが実行に移されるまで、企業側も設備投資を一旦控えると見ていたからでもあります。
更に在庫の減少も見られ、日本経済にとってプラス材料ばかりのGDP発表でした。名実逆転現象も解消され、これがファンダメンタルズの反映となり、一気に円高傾向に触れました。これほど強いGDP成長を示す国が、為替レートが低すぎるとみた訳です。
日銀には追い風ですが、早くも中川政調会長から懸念が示され、来週に控えた日銀政策決定会合に暗い影を落としています。日本の経済政策は実体経済よりも政治リスクの方が影響を与える、ということにでもなれば、日本の統計のとり方は可笑しいと外国人に見られている中で、更に日本経済に懐疑的な目を増やしてしまうでしょう。
米英は先のG7でもヘッジファンドを擁護していますが、その国が日本の円安を容認する発言を行っていますから、今の経済がどの辺りで支えられ、その恩恵を受けている国がどこなのかが分かります。円キャリーの問題は最近、一般紙でも取り上げられていますが、ヘッジファンドと密接に絡み合っているということでしょうね。
楽観論を受け、日本の相場も上昇しています。高値警戒感、高水準の裁定買い残などと唱えてみても、楽観論が支配する限り相場は強いです。急落懸念はあるものの、楽観的見方をできる市場には過剰流動性を生かしたマネーが入る、ということです。
今年私の相場観は当たらないでしょう。現在の水準はもう実態からは乖離しており、分析は出来ないと自分でも考えています。実態は16000円台後半が今の相場の良い水準ですが、そこに落ちるには何か突発的原因が必要、という段階になっています。楽観相場とはそういうもので、悲観に変わるタイミングが何かは分からないのです。
日経平均が昨年来高値を抜け、良い面ばかりが強調されますが、日本経済がもう一段高い段階にいくには、来年度の賃金水準がどうなるのか?というのも大きく関わってくるのでしょう。労使交渉の行方が重要になってくるのでしょうね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/