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(回答先: 全労連や愛労連などの実行委員会・・・ 「トヨタはボロもうけを社会に還元せよ」 【しんぶん赤旗】 投稿者 hou 日時 2007 年 2 月 14 日 22:02:11)
http://www1.cts.ne.jp/~crossrd/page103.html
No.44 覇者の苦悩 3.5.2004
トヨタ自動車は、文句なく日本企業の代表的存在である。トヨタ生産方式を学ぼうと多くのメーカーが教えを請うてきた。収益面でも、2004年3月期には連結純利益が1兆円を越える見込みである。増益に沸く今年度で全上場企業の収益合計は10兆円程度であるから、その大きさは突出している。
こうして順風満帆に見えるトヨタであるが、この2-3年は大きく経営の舵を切ったことを見逃してはいけない。
トヨタは資本効率に大きな問題を抱えていた。ROE(株主資本利益率)は長年一桁台をさまよってきた。米国主要上場企業の平均は14%であるから、一桁のROEに甘んずるわけにはいかない。
トヨタは海外向けIRでは、資本構成を変えることによって資本コストを適正化すると述べている。事実、最近3年間の動きを見ると、好調な収益にもかかわらず、有利子負債は顕著に増加している。資本構成の再編成は確かに実行されたのである
この間、研究開発と海外投資が活発化し利益の再投資が本格化した。しかし、最大の要因は自社株取得により2兆円近い余剰資金が吸収されたことである。その結果、株主資本比率が40%を割る一方、ROEは10%に到達することができたのである。こうした要因がなければ、トヨタのROEはいまだに一桁のままであったはずだ。
金融機関の持合株の処理はすでに一巡し、自社株取得の名目は失われた。今後は、成長投資でリスクをとるか、株主還元かの二者択一を迫られる。それとも新たな成果配分モデルを提示できるのか。事業収益で国債を購入するのでは、トヨタも動脈硬化に悩む日本経済の病巣の一部になってしまう。そこに覇者の苦悩がある。