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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070210-00000039-mai-soci
<団塊の世代>自宅の火災で死亡するケース増加 背景は
2月10日14時14分配信 毎日新聞
「団塊の世代」を中心とした55〜59歳の男性が自宅の火災で死亡するケースが全国で増えている。死者は「無職」「一人暮らし」の割合が高い。明確な理由は分かっていないが、経済大国の繁栄を支えてきた世代がリストラに遭い、家族と別居せざるをえなくなった――という生活の変化が背景にあるのでは、との見方が出ている。
【金子淳】
消防庁のまとめによると、05年の住宅火災による「55〜59歳」の男性の死亡率(人口10万人当たりの死者数)は1.64人で、15年前に比べて0.69人増えた。団塊の世代とは一般的に1947〜49年に生まれた人を指し、05年当時は56〜58歳。この年代に当てはまる。 一方、この年代を挟む「60〜64歳」と「50〜54歳」を見ると、この15年間にそれぞれ0.20人、0.32人しか増えておらず、団塊世代の死亡率の高まりが際立っている。
同庁が05年のデータを基に55〜59歳の男性死者の家庭状況を調べたところ、「無職」が6割、「1人暮らし」が5割を占めた。両方の条件を満たす人も約3割に上った。この傾向は「この年代で特に顕著」(同庁)という。火事の特徴としては、飲酒して寝ているうちに消したはずのたばこがくすぶって出火、一人暮らしのため出火に気付かずに逃げ遅れ、煙を吸い込んで死亡――というケースが目立つ。
一方、道内も全国と同様の傾向が出ている。道内のデータは同庁とは年代の区分けが異なるが、道防災消防課によると、05年の男性の死者は57人おり、このうち56〜60歳が全体の約4分の1の13人を占め、各年代の中でトップ。「無職で1人暮らし」という死者の特徴も共通している。
同庁は「この年代の死亡率がなぜ高いのか、背景分析はできていないが、生きることに前向きでない人が多いのかもしれない。そんな心理状態が出火時に影響を及ぼしているのではないか」と推測する。今後は各事例の分析を進め、団塊世代の男性の死亡率がなぜ高いのか、解明したいという。
東大大学院の関沢愛教授(建築・都市防災)の話 個別事例を分析していないのであくまでも推測だが、何らかの社会的要因が影響しているのではないか。この年代の男性はリストラや早期退職などを経験している人が多い。こうした経済的要因や精神的ストレス、希望の見えない世相などが、例えば、乱雑な部屋での寝たばこや泥酔など間接的に火災を生みやすい生活要因となっている可能性がある。