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http://www.excite.co.jp/News/bit/00091170896572.html
「うちの近所の商店街が沖縄になってた」と、数年間海外に行っていた友人から聞いたのは、昨年夏のこと。彼女が子どものころから住んでいた東京・代田橋の実家に戻ってきたところ、地元の和泉明店街が、生の海ぶどうや、ミミガーを売る商店や沖縄料理食堂の並ぶ沖縄の市場に変貌していたらしい。
以前のBit記事でも触れられていたし、テレビ放映されたこともあったのでご存知の方もいるかもしれない、東京都杉並区和泉明店街の沖縄タウン化計画。そもそも何故町おこしに沖縄だったのか? そして、2005年のスタートから、この3月でまる2年を経過する現在、“東京のリトル沖縄”はどうなったか? 和泉明店街の商店主でつくられた、有志の運営組織、株式会社沖縄タウンの野口さんにお話をお伺いした。
「2003年頃、私たちの商店街は、何もしないでいると、後は衰退するだけ、数年後には、消滅してしまいそうな崖っぷちの状態だったんです。和泉明店街は、杉並区と世田谷区と渋谷区の区境で、区の中心部ではないし、神社仏閣の参道に面しているわけでもなく、歴史的建造物もない。町を活性化させるための題材となる地域の特色がなかったんです。そこで目をつけたのが、“沖縄”でした。確かに、私たちの町は、沖縄とは縁もゆかりも薄いです。しかし、沖縄の特産物は、飲食店、八百屋、惣菜屋、小物雑貨の物販店など、あらゆる商店に関連する商品が置けて、商店街全体の利益が上がるだろうと思ったんです」
2001年に放映されたNHKの朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』で、沖縄ブームが到来しており、そもそも沖縄は観光県。沖縄ファンや、沖縄出身の東京在住者など、広域の集客を見込んだ。とはいえ商店街の中にも「節操がない」とか「ブームが去ったらどうするんだ」という反対の声はあった。しかし、反対派を説得するということはあえてせず、野口さんらは沖縄タウン化計画を推進する。
「ブームが去った先のことを考えても、それまでこの町がもつかどうかわからず、それに、商店街全体にお店が少なくなってしまったことが集客率ダウンの主な原因。跡継ぎがいなくて、1業種1店舗しかないところで、1店舗減るとその業種がなくなってしまい、自分たちの商店街だけで商品が揃わなくなったんです。だから、商店街全体で利益を上げる仕組みを作りたかった。そこで、商店街株式会社を設立し、株式会社が店舗を借り上げて、沖縄をテーマにしながら、なくなった業種を復活させようと思いました」
野口さんらは、石垣島と那覇で店舗誘致のプレゼン。沖縄の店舗に出店してもらい、既存の店にも沖縄の商品を取り扱うようにして、発足からわずか1年後の2005年に、営業を開始。そして、現在にいたる。
「試みとしては、成功しています。何もしなければ今はもう存在しない商店街でした。沖縄野菜や調味料など、沖縄に行かなくては買えないような商品が置いてあることから、地元の若い人も目立つようになりました。また、以前、土日は空洞化していましたが、近隣の人も来てくれるようになって、土日の集客率がアップしています」
沖縄はイベントではネタに困らない。沖縄をテーマにした演舞など、イベントも盛んだ。春先にはウリズン祭りというお祝い。ゴールデンウィーク時の5月8日はゴーヤーの日にちなんだイベントを。かりゆし祭りが開催される夏には、かりゆしウェアもよく売れるらしい。特に、沖縄は夏のグッズが多いだけに、夏場の売り上げが大幅にアップした。
そもそも、大型スーパーとは違う商店街の魅力は、お店の人とコミュニケ―ションしながら、会話の中から情報を得られることにある。突飛なアイデアのように思われた、沖縄タウン化計画。だが、次の世代に向けて商店街を活性化するための「プロジェクトX」は功を奏し、今年も3店舗誘致しようと計画中らしい。
(清田麻衣子)
・「沖縄タウン 杉並和泉明店街」HP
http://okinawa-town.jp/
http://image.excite.co.jp/feed/news/extnews/extnews_okinawatown070209.jpg
石垣島ちゅら館店内のようす(上)/うりずん祭りのようす(下)