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日銀や政府の経済政策に理論的根拠がもはや無くなった。ケインズやアダムスミスのどこがおかしいのか。根拠が崩れた理由。
要旨
資金量を縦軸に取り、生産量を横軸に取る。貨幣価値と生産物の価値が1対1の場合、
所得曲線は45度の直線になる。この所得に対して消費曲線が描かれる。普通所得が少なく貯蓄ができない状態では、45度線上を進んで行く。貯蓄ができるようになると、消費はその分所得より少なくなって45度線より下に来る。ケインズが主に扱っている経済はこの貨幣価値が1対1の、貯蓄が存在する経済を扱っている。そして消費性向がその経済に特有のものとして決まっているとする。そして貯蓄と投資の差により景気動向が左右されるというものである。貯蓄と投資の差をインフレギャップ、デフレギャップと呼んでいる。現在主流の経済論や政策はこの経済を探求したものである。
しかし貨幣価値と生産物の価値が1対1でなくなると、この今までの経済論や政策は妥当ではなくなる。
例えば資金量が大幅に減り、生産量が変わらなかった場合、所得線は45度より低い角度になる。逆の場合は45度線より高い角度になる。ここからは主にデフレを扱うので45度線より低い角度のものを説明していく。所得線が45度より低い角度の経済では、貨幣価値が生産物の価値を上回っている事になる。
天動説から地動説へ
日本はバブル経済が崩壊し、その結果莫大な借金を背負った。全貯蓄量をはるかに越え、市場に供給できる資金が、生産物の量に比べて大幅に減るに至ったのである。
この時、所得線は明らかに45度線より低い角度になる。この所得線より生ずる消費額は資金量と一致する。そして供給額も消費額と一致する。というより供給額は消費額に合わさざる負えず、消費額以上に供給額が増えることは無い。ここが貯蓄のある経済との大幅な違いである。
1度デフレに嵌まると、消費額以上にものが売れないため、企業が赤字になり、所得減に陥る。それが悪循環となってさらに消費が減少し、より企業は価格競争をしながら、売上を減少させていくのである。売上の減少は資金の減少となって、さらに所得線を下方に下げる。それに連れて消費が減少する。これが循環的に生じるのである。
このことから、所得線は45度線で固定されたものではなく、45度線より上昇したり、下降したりするものであることがわかる。。この所得線が安定した状況にある時は、45度線の近辺で、資金が貯蓄量の間にある場合に限られる。一旦資金が貯蓄量以下になると、所得線は漸次下降し資金が急速に減少し経済が縮小する。また一旦資金が貯蓄量以上に増えると資金がどんどん増え経済が拡大することになる。
デフレの始まりは、貯蓄以上に借金や負担が増えた地点から始まる。そしてデフレとは、生産量より大幅に資金が減少し、それが起因となって企業競争が激化し、付加価値を十分に取れなくなり、価格が低下しながら、漸次所得が減少し続ける現象である。と定義できよう。
(デフレインフレの一般理論参照のこと)
このようなデフレ現象に陥っている時、企業サイド主体の経済政策は無駄である。デフレでは常に資金減が先行して起こり、生産物の供給量がそれに合わすことになる。それ故資金を固定したままで供給量を増やすような政策を取ると、競争が激しくなり価格競争となって、より企業の消耗が激しくなる。日本政府がここ15、6年の間とり続けた企業への優遇策はこの消費の壁に跳ね返されすべて水泡に喫し、大借金を作るに至ったのである。
視覚的に見て取れるように、45度線以下の所得線は、資金を上げる方が政策的に容易に所得線の角度を上げることができることがわかる。もし供給側から所得線を上げようとするのであれば、非常に多くの生産量が、同じ資金を上げるのに必要となり、さらに、その生産量を外国市場に売らなければならない。(国内では消費額が増えないので、売れない)外国市場は自国の条件で決められるものではなく、他国に依存する事になり、極めて不安定なものである。
このことからなお企業側に有利になるような政策を取るのは、デフレを促進するものである。例えば金利を据え置き低金利のままにすること。企業減税をすること。研究費や開発費などの補助金を出すこと。こういった正常経済でのみ通用するケインズ理論を応用した政策はデフレでは、有効需要を誘導することができず、企業競争を誘発し資金をより消耗させるだけである。
今後このようななんら根拠の無い政策を取ることは無責任な政策と言えよう。もはやこんな理論があるなんて知らなかったといって逃げることはできないのだ。今日の日付を銘記しておこう。2千7年1月30日http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/