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http://www.news.janjan.jp/living/0810/0810020627/1.php
六ヶ所再処理工場営業運転の危険・国が放置した異議申し立て、ようやく意見陳述会開催
桐生広人2008/10/03
核燃料再処理の問題は、東北の農民、三陸沿岸の漁業者、全国のサーファーら、ひろく国民的な関心事になってきている。六ヶ所再処理工場の計画や設計、建設方法の審査には、以前から市民ばかりでなく科学者や法律家が多くの問題を指摘していた。国は長年にわたって意見聴取を放置、ようやく「口頭意見陳述会」を開いた。
建設が始まってすでに15年を経過する六ヶ所再処理工場。今現在、アクティブ試験のガラス固化体の製造にトラブルが相次ぎ、再開の見通しはいつとも知れない。これで14回目の操業延期となっただけでなく、長い年月と巨額な資金を投じた再処理工場建設は、仮に竣工にこぎ着けたとしてもトラブルが続き営業運転に困難を来すに違いない。今すぐ止めるとは言わないだろうが、撤退へのカウントダウンに入ったと言えないだろうか。
もともと再処理工場の計画や設計、建設方法の審査(設工認)に市民ばかりでなく科学者や法律家が多くの問題を指摘し、「核燃サイクル阻止1万人訴訟」の原告団は幾つもの異議申し立てをしてきた。
国は申立人から意見を聴取し決定を下さなければならないが長年これを放置してきたことが昨年発覚。今年2月に13年前に同原告団が異議申し立てをした設工認に続いて,9月10日に2件の設工認に関する意見聴取「口頭意見陳述会」が経産省原子力安全・保安院で開かれ、その報告集会が同日東京で行なわれた。
再処理工場はどうしようもない施設
今回の「口頭意見陳述会」は、15年前の1993年から98年にかけて出された8件の異議申し立てのうち、ウラン濃縮、再処理施設の2件について行なわれたもの。13人が原子力安全・保安院の核燃料サイクル規制課に対して意見を述べた。
報告集会では、陳述人がそれぞれの異議申し立ての概要を話した。陳述の内容は膨大で、これほど問題の多い危険な再処理工場が国民的議論もなく強引に建設が進められていることにあらためて驚く。詳細はビデオに撮られ発表されるということなので、ここでは異議申し立ての背景についての報告を取り上げる。
原子力資料情報室の澤井正子さんは、「再処理工場はどうしようもない施設なんです」と語る。再処理工場の計画は1980年代になされ、1991年に国の審査を経て事業許可が出た。93年から建設が始まり1999年から稼働するのが最初の計画だった。それが2008年の今でもできていない。最後の延期が2008年7月稼動だったが,ガラス固化の不具合で11月に延期となった。
建設を始めてから本当の操業開始まで、20年かけても稼働できるかどうか(建設に反対だが)。再処理工場の運転は40年間で、その後,放射能にひどく汚染された施設を壊すのに35年かかる。したがって作って運転して壊すの約100年近くかかる。建設費はすでに2兆円に近く、予定される建屋を全部建てると3兆円を超える。運転、解体まで含めた費用は12兆円ぐらいといわれるが、3ケタに上るという説もあるということで、「どうしようもない施設」だと澤井さんは言う。
国は25件の異議申し立てを放置
1万人訴訟の原告団長で弁護団長である浅石紘爾弁護士は、意見陳述の背景などについて次のように話した。
「われわれが裁判を始めて20年たちます。裁判の前に必ず異議の申し立てをすることになっているので、これまで、本体の再処理工場、高レベルと低レベル放射性廃棄物貯蔵施設、ウラン濃縮工場の4つの異議申し立てをして、事業許可の取消を国に訴えて裁判が青森で行われています。が、その本体以外にも設工認や許可の変更に対する異議申し立てなどいろんなものがあります。
本体以外について、こんなに長い間(意見聴取を)保安院がほったらかしにしていいのかと、マスコミが(25件の異議申し立てを放置と)報道したことをきっかけにバタバタと口頭陳述会を開催することになったのです。この陳述に基づいて保安院が異議に対する結論を出すことになっています。
今日13名の方が意見陳述をし、私がどういう陳述をしていただくかプロデュースしました。陳述者の名簿を見ていただければ分かりますが、『再処理とは何ぞや』ということが陳述を聞くだけでほぼマスターできるほど非常にバランスがとれたテーマ選びと優れた陳述者であることが肩書や名前を見ていただければわかります。
この人たちをおいて他に再処理を語れる人はいないのではないかというぐらいの豪華メンバーです。陳述から再処理の実態が生々しくお分かりいただけるようになっています。鎌中ひとみさんに記録ビデオを撮っていただいています。
広く全国的に再処理の問題が国民的な関心事になってきています。1984年から核燃反対運動をしていますがアクティブ試験の繰り返し延期の中で、皆さんの熱い支援をいただき青森県が頑張らなければ、再び盛り上がってきました」と述べた。
意見陳述人とテーマ
浅石紘爾(代理人):(1)再処理と核武装について (2)原告団の主張について
西尾 漠(補佐人):再処理工場の安全性と経済性について
山田清彦(異議申立人):設計変更による安全性の軽視について
山口幸夫(補佐人):本件施設の手続的違法性及び飛来物(航空機)問題について
木下デヴィッド(補佐人):海洋の放射能汚染について
伊東良徳(代理人):再処理工場の事故の危険性、とりわけ臨界事故について
伴 英幸(異議申立人):プルトニウム利用計画の問題点について
井上年弘(異議申立人):再処理工場の危険性と不要性について
水口憲哉(補佐人):再処理工場の運転に伴う放射能の海洋汚染について
澤井正子(異議申立人):ガラス固化技術の困難性について
内藤 隆(代理人):口頭審理遅延に対する異議申し立てについて
海渡雄一(代理人):本件施設の海域及び陸域の活断層について
山内雅一(補佐人):良識ある持続可能な世界を目指して(青森県民の立場から)
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