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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/109035.html
社説
核処分PR館 なぜ幌延につくるのか(8月4日)
資源エネルギー庁が、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の展示施設を、留萌管内幌延町に建設する。
完成予定は二〇一三年度で、総事業費は約二十億円に上る。本年度は計画立案などに約三億円を投じるという。
ここで言う最終処分とは、核廃棄物を半永久的に同じ場所で管理することを意味している。いわば核のごみ捨て場だ。
その処分場で使う装置や機材を展示して、国の原子力政策のPRに利用する狙いがあるのだろう。
しかし、これを幌延につくるという話は、筋が通らない。
幌延を最終処分場にしないことは道が国に繰り返し表明し、道条例でも明確にしている。
そういう地域に、なぜ最終処分のPR施設をつくる必要があるのか。
道外からの見学者の誘致や職員の定住などの経済効果が見込めると、国は説明している。
だが、見学者の利便を考えるなら首都圏などにつくれば済む話だ。
あえて幌延を選んだのは、ここを最終処分場にしたいという思いがあるからではないのか。そう受け止めざるをえない。
国は「展示施設に放射性廃棄物を持ち込む考えはない」と言う。
それは当たり前の話だ。
私たちが知りたいのは、幌延にPR施設をつくる本意である。
過疎に悩む地域の足元を見透かすように、経済効果をちらつかせ、計画を進めるつもりだとしたら、とても容認できる話ではない。
疑問はほかにもある。
展示施設では、核廃棄物を収納して地中に埋める金属容器や、放射性物質漏れを防ぐ緩衝材(人工バリアー)を研究するという。
同様の技術開発や研究は、すでに立地している幌延深地層研究センターが手がけている。
新たな施設は、従来の研究に屋上屋を架すだけの感が否めない。
巨額の予算を投じて行う必要はどこにあるのだろう。
深地層処分の研究施設は、幌延のほか岐阜県瑞浪市にもある。
ところがPR施設は、幌延だけにつくられる。なぜ瑞浪ではなく、幌延を選んだのか。これにもきちんと答えてほしい。
道条例の制定と相前後して、道と幌延町、幌延深地層研究センターを持つ日本原子力研究開発機構は協定を結んで、幌延を最終処分場にしないことを確約している。道条例とともに、この協定は道民の総意と考えるべきである。
国はこれを忘れてしまったのか。だとしたらあまりにも身勝手で、地方軽視も甚だしい。
【関連記事】
【政治】幌延に模擬施設建設 来年度から順次公開 放射性廃棄物処分容器や機材展示(07/31)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/108272.html
資源エネルギー庁が、原発の運転に伴って発生する高レベル放射性廃棄物について、地中深くに埋める地層処分場を再現し、装置や機材に手を触れることができる模擬施設を留萌管内幌延町に建設することが三十日分かった。地層処分場のPRと地域振興が狙いで、放射性廃棄物は持ち込まない。二〇一三年度に完成するが、来年度以降、整備できた施設から順次公開する。
建設するのは、放射性廃棄物処分を研究する財団法人「原子力環境整備促進・資金管理センター」(原環センター、東京)。総事業費は約二十億円になる見通し。
計画によると、建設予定地は日本原子力研究開発機構(茨城県)が現在、地下二百メートルまで掘削し、地質構造などを研究している幌延深地層研究センターの隣接地。
模擬施設では実物大の坑道をつくり、放射性廃棄物を収納し地中に埋める金属容器や、放射性物質漏れ防止のため容器を囲う緩衝材(人工バリアー)などを展示、実際に手で触れることもできる。
原環センターは今後、道や幌延町など自治体に事業計画の概要を説明し、具体的な実施計画の策定や開発行為の申請などを始める。同庁放射性廃棄物等対策室は「国民が高レベル放射性廃棄物の地層処分への理解を深める施設を目指し、全国から観光客を集めたい」としている。
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