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http://www.news.janjan.jp/living/0807/0807190347/1.php
危険な高速増殖炉「もんじゅ」への核燃料輸送、2回目強行される
桐生広人2008/07/20
高速増殖炉もんじゅへの2回目の核燃料陸上輸送が7月17日、関東から中京圏を縦断し福井県敦賀市までの長距離を深夜を通しておこなわれた。この輸送に反対する市民グループなどが茨城県東海村や東京足立区、渋谷区、敦賀の輸送ルート沿いで強硬な輸送に反対し抗議のアピールをした。
脆弱な日本の輸送形態
核燃料はプルトニウムの含有量の多いウランとの混合(MOX)燃料で、茨城県東海村にある日本原子力開発機構の再処理工場でつくられた。1995年の事故以来ストップし、今年10月の運転再開を目指す高速増殖炉もんじゅの取り替え用燃料である。
長期間にわたる運転停止で燃料の一部が劣化しており、交換しなければ原子炉の再起動ができないことから約40%の燃料を取り替えるというが、古い燃料も多く再起動できないという声もある。
約40人がプルトニウム輸送に抗議、もんじゅ運転再開反対を輸送車に向かってアピールした
前回5月の輸送と同様に、3代のトラックで14体もの交換用核燃料が運ばれた。前回の輸送の様子を追跡したルポが雑誌に掲載され「トラック近くの放射線量は自然値を遥かに上回った」とあった。無数の一般車と並走する公道の核燃料輸送は少なからぬ被爆を周辺を走る車両の乗員などに与えている危険があると考えられる。
核燃料の輸送容器や状態などは幌に隠れて定かでないが、少なくとも英仏での核輸送に使われる金属製のコンテナに格納したものではない。日本のそれは事故に対して脆弱であるばかりか、放射線防御の観点からも問題ないのだろうか。
一般道を走行する輸送車(右端のトラック)。 事故に対する安全性に疑念のある輸送方法だ
耐震性、相変わらずの過小評価が不安
前回記事で指摘したように、誤作動したナトリウム漏洩検出器の安全性、それに関連する国や自治体への通報の遅れにみられる住民軽視の体質、相変わらずの耐震安全性への過小評価に加え、今回運ばれ初めて装荷される燃料の安全性の問題などのクリアーが10月予定の運転再開までの大きな安全確認の課題となっている。
昨年7月の新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原発が想定を超える揺れに襲われ、世界で初めて地震による被害で1年以上もストップしている。もんじゅの建つ敦賀半島もいくつもの活断層が走り、今では耐震性の問題が最も大きなな憂慮すべき懸念となっている。特にもんじゅは、冷却剤のナトリウムが流れる配管が軽水炉よりも薄く作られ地震で破壊される危険が高いとする指摘もある。耐震性の再評価に活断層を過小評価する傾向があると指摘する声もある。
もんじゅ再起動に向け確認試験の最終段階が進みつつあるとされるが、プルトニウム輸送だけでなくもんじゅの廃炉を求め、再処理反対をアピールする市民の数は前回の抗議行動よりも増えていた。
輸送ルート図 (MapFanWebより編集部作成・撮影)
◇ ◇ ◇
関連報道
・もんじゅ核燃料搬入に抗議の叫び・敦賀で反対派、横断幕広げ(中日新聞)
・もんじゅ:保管燃料の搬入が完了/福井(毎日新聞)
■関連記事「JANJAN]
危険な高速増殖炉「もんじゅ」への核燃料輸送再開 丑三つ時の関東〜中部の人口稠密地帯を縦走
http://www.news.janjan.jp/living/0805/0805210526/1.php
桐生広人2008/05/22
原発先進国のフランス並に、日本でもMOX核燃料輸送車が人口稠密な大都市圏を走り抜けた。しかしフランスでもパリの真ん中は通らない。日本の政治経済の中枢で、世界有数の人口を擁する東京の首都高速道路を夕刻に通ってプルトニウムを輸送するなどというのは、安全意識の著しく欠如した世界でも例のない危険な輸送といわざるを得ない。
原発先進国のフランス並に、日本でもMOX核燃料輸送車が人口稠密な大都市圏を走り抜けている(関連記事参照)。そんな国は世界でも、そう多くないだろう。5月15日の深夜、茨城県東海村から福井県敦賀市にある、高速増殖炉「もんじゅ」で使うプルトニウムとウランの混合核燃料(MOX)が陸上輸送された。
混雑する一般道の高架上をプルトニウムを積んだ輸送車が猛スピードで走り抜ける。首都高速3号渋谷線渋谷駅付近
「もんじゅ」の核燃料もMOX燃料だが、普通の原発でプルトニウムを燃やすプルサーマル用の核燃料よりプルトニウムを含む割合が数倍高い。ウランに対するプルトニウムの混合割合を「富化度」というが、プルサーマルで使われるMOX燃料はプルトニウムの富化度が4〜9%。これに対し、高速増殖炉ではプルトニウムの割合が高く20%前後もある。事故が起きた場合、最悪の環境汚染を起こす危険度の高い核燃料で、一般にプルトニウム燃料といわれる。
10月の運転再開をめざす「もんじゅ」
福井県敦賀市にある「もんじゅ」は、1995年12月にナトリウム漏れ事故を起こして運転が止まったままだった。が、日本原子力開発機構は今年10月の運転再開をめざし「プラント確認試験」をしており、現在、原子力安全・保安院の特別検査が行なわれていて最終確認段階にあるという。これに対し、核兵器級のプルトニウムを生産することに反対するだけでなく、13年間止まったままで機器も時代遅れとなり果たして安全に再開できるか疑問視する声は強い。
また、耐震安全性評価で耐震設計上考慮すべき活断層が「もんじゅ」のすぐ近くにあることを事業者は認めたが、新耐震指針に基づく安全性が確保されたと原子力安全・保安院に報告している。さらに、ナトリウム漏れの誤警報が検出器の不具合で相次ぎ,そのうえ例によってナトリウム事故と同様な自治体や国への通報が送れ、住民の安全性を軽視する組織体質は変わっていないとする声が地元住民の間では上がっている。
輸送に反対し抗議の横断幕を掲げる市民。渋谷駅近くの横断歩道橋で
今回運ばれたプルトニウム燃料は、日本原子力開発機構の東海村にある再処理工場で再処理して作った日本製のMOX燃料だ。輸送は15日の夕方4時ころに東海村の同機構の保管所から3台の大型トラックで18体のプルトニウム燃料を積んで出発。常磐自動車道から首都高速へと乗り入れ、7時少し前には足立区から首都圏に入り渋谷を通って7時半ころにかけ、アフターアワーで人々の移動が活発になり混雑する首都を南北に横切って東名高速へと運ばれて行った。
密かに首都圏の中枢地域をトラック輸送
フランスでの地中海近くのマルクールから大西洋のシェルブールへのMOX輸送はパリを経由するが(関連記事参照)、例えば首都中枢の凱旋門を通るなどといった危険なルートは取らず、中心部を避けて郊外のバイパスを通じて運ばれている。したがって、日本の政治経済の中枢で、世界有数の人口を擁する東京の首都高速道路を通ってプルトニウムを輸送するなどというのは、安全意識の著しく欠如した世界でも例のない危険な輸送といわざるを得ない。
その後も、東海から中京の重工業地帯を通る東名高速、大都市名古屋を経て名神高速、北陸自動車道をたどるが、ルート沿いに住む市民や自治体に事前に通告されることはない。だれも気づくことなく人々が寝静まった深夜を走り抜け、16日午前6時時半ころ出発から14時間以上かけてもんじゅに到着した。輸送距離は約620kmあまりの長距離に及ぶ。
輸送ルート図 (MapFanWebより編集部作成・撮影)
輸送に際しては、東海村現地や東京の足立や渋谷の輸送ルート沿いで、危険なプルトニウム輸送に反対する市民や反原発運動のグループが輸送車に向かって輸送の危険をアピールした。首都高速道路沿いの東京渋谷では、たんぽぽ舎などの市民グループの約30人が高速道路を見下ろす横断歩道橋2カ所に「まちを通る猛毒プルトニウム輸送反対」の横断幕とノボリ旗をかかげシュプレヒコールした。さらに、福井県美浜町の沿道やもんじゅのゲート前でも、高速増殖炉の運転再開に反対する地元の反原発団体や市民が輸送に抗議の声を上げた。
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