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http://www.news.janjan.jp/world/0803/0803180062/1.php
桐生広人
2008/03/19
BBC−TVが、ヒンクリーポイント原発の風下地域で、乳幼児の死亡率が高い時期があったとする番組を放映した。原発から危険な放射能がヒンクリーの大気と海に放出され、風下の住民がそれを摂取したとされる。日本では六ヶ所再処理工場の試験運転が最終段階に入り、日々環境中に非常に多くの放射性廃棄物を放出している――。
BBC−TVのドキュメンタリー番組「インサイドアウト」が、ヒンクリーポイント原発の風下地域で、乳幼児の死亡率が高い時期があったとする番組を放映した。番組を放映したのは2月29日、日本時間では3月1日のビキニデーにあたる。放送日が偶然のことかかどうかはわからないが、54年前のその日、マーシャル諸島のビキニ環礁で米国が巨大な水爆実験を行ない、日本のマグロ漁船第五福竜丸などが放射性降下物で被曝した事件が起きた。
この放映は、英国の低レベル放射線被曝の影響に警鐘をならすキャンペーン(※)をしている友人が、2週間ほど前にEメールで伝えてきた。日本では六ヶ所再処理工場の試験運転が最終段階に入り、日々環境中に非常に多くの放射性廃棄物を放出しているだけに、低いレベルの放射能でも異常な死亡率の上昇が観察されたというレポートを軽々に無視できるものではない。(※:LLRC ・THE LOW LEVEL RADIATION CAMPAIGN(HP) ・関連記事)
「海が危険な低レベル放射能を運ぶ」と警告するクリス・バスビー博士
英国南西部、ブリストル海峡の南に面する海岸にヒンクリーポイント原子力発電所がある。その風下にあたるスバーン川の河口にある7つの村や町(Brean,Berrow,Burnham,Highbridge,Huntspill,Combwich,Pawlett)の乳幼児死亡率が内陸部のサマーセットに比べてほぼ3倍高かった。その報告の詳細は、グリーンオーディットの科学者クリス・バスビー博士の研究報告に基づいたものだとBBCはレポートした(関連記事)。 グリーンオーディットは英国ウエールズのアベリストウィスにある。クリス・バスビー博士らは1993年から2005年までの13年間の乳幼児死亡率を政府統計を用いて調査し、その結果を2007年に発表している。
1994年に同原発のマグノックス炉を冷却する炭酸ガスがフィルターで核物質を除去する前に、腐食したパイプから大気中に漏れた。2週間後に問題のパイプの取り替えに関連する不注意で再び放射性二酸化炭素が漏れ、合計で約2tの放射性ガスが大気中に漏れる事故が起きていた。原発の運転者は判断ミスによる漏出だが放射能レベルは「とるに足らないもの」と述べたが、翌年、原発は規則違反で罰金を課せられた。
当時、従来の放射線リスクモデルの予測では、このようなレベルの被曝がガンへ識別可能な影響を与えるということはないと見られており、放射能汚染の影響による乳幼児死亡率は公式には考えられていなかったとLLRCは指摘する。
ところが、今回番組が取り上げたバスビー博士らの調査によると、1996から2001年の間、1歳未満で死亡する割合が内陸部では1000人に対し3.5人だったが、原発から東の7つの町の総合では10にのぼることがわかった。内陸部より子どもには約3倍も危険が高いのである。新生児(生後28日までの子ども)の死亡率も高いことがわかり、特に1993年から98年にかけてバーナムの北部では予測の6倍にも達したという。
原発の停止を求める地元のNGO「ストップ・ヒンクリー」は、以前バスビー博士にガンについての研究を依頼したことがある。その時、博士の指導の下で関係者の両親たちが約1500人の住民を家庭訪問し、ヒンクリーからバーナムの汚染された干潟の近くで乳がんと白血病の高い発病率を見いだしたとする報告を2000年に発表した。また、放射線被曝で例外が起こると考えられた、男の子が生まれる割合を女の子と比べる調査も行なわれた。
通常、イングランドとウエールズでは5%多く男の赤ちゃんが生まれる。ところが調査の結果、最も汚染された干潟に近い北バーナハムで19%も男の子が多く生まれる率の高い異常が発見された。こうした一連の調査で、原発から危険な放射能がヒンクリーの大気と海に放出され、風下の住民がそれを摂取したとされるこれまでの理論にさらに確かさが加わったと「ストップ・ヒンクリー」はみている。
番組で、南西イングランドのガン統計局の現長官は「最良の方法を用いてデーターを再評価したが異常は何も見つからなかった」と主張した。しかし、前任の長官はそれに同意せず「この調査には重大な発見がある」とコメントし、「こうしたことが偶然に生じる可能性は稀で、問題の時期の初めに環境的に何かが生じた可能性がある」という。
1994年の偶発的な放射性物質の放出とこの調査結果との関係を証明するのは難しいが、明らかに継続的な調査を必要とする深刻な問題であリ、公衆衛生監視機関はこれを深刻に受け取めるべきだ、と前長官は指摘した。
NGO「ストップ・ヒンクリー」は彼らのホーページで、更なる調査を求めるこの流れは,放射能が地元の社会と、特に幼児にとって有害だとする動かぬ証拠にさらに科学的支援が加わりより確かになりつつある、と述べている。
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