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http://www.news.janjan.jp/living/0602/0602068897/1.php
2006/02/13
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「核と原子力の姿 危険すぎる六ケ所再処理工場」と題した集会が、「原発はごめんだヒロシマ市民の会」、「プルトニウム・アクション・ヒロシマ、ボイス・オブ・ヒロシマ」の共催で、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんを講師に５日、広島市の原爆資料館地下会議室でありました。
まず、茨城県東海村での臨界事故で、放射線を浴びた労働者が亡くなった方の例を挙げ、いかに放射線が恐ろしいかという話がありました。
次に、核兵器開発の歴史と原子炉の関係について話は進みました。「そもそも原子炉とは、いまでこそ発電のためのように思われていますが、原爆をつくるためのものです」という指摘がありました。
続いて、朝鮮民主主義人民共和国の核問題について触れました。６カ国協議について、「アメリカ、ロシア、中国という核兵器を持ち原子力開発もしている国、日本という原子力開発をし核兵器をいつでも持てる国、韓国という原子力開発をしている国がよってたかって、朝鮮は核兵器も原子力も駄目、といっているのです。結局、どういう国が原子力を持つのか、アメリカが決めています」と語りました。
また、エネルギー問題を理由とした原子力推進論には「石油の可採年数はむしろどんどん大きくなっている」「石炭だけで人類が消費するエネルギーの１０００年分ある」などと反論しました。
環境問題を理由とした原発推進論については 「発電過程ではたしかに炭酸ガスは出ないが、廃物処分のために膨大な炭酸ガスが必要になる」などと疑問を示しました。
そして、英国の再処理工場での汚染について「英国での再処理工場からの排水は海を汚染し、日本がチェルノブイリ事故で設定した輸入禁止基準を超えるような汚染がアイリッシュ海から北海に掛けて広がった」と述べ、六ケ所の危険性について警告しました。
「原発を全廃しても何の支障もない。電力設備は実際には余っている最大電力需要量が火力・水力合計で賄えなかったことはほとんどない」「核から足を洗うことが、大変世界に貢献することになる」と強調しました。
「また、人類が始まって以来、20世紀だけで５７％のエネルギーを消費してしまっている。これでよいのか。エネルギー浪費から抜け出す必要があるのではないか。その第一歩として核＝原子力を廃絶することだ」と結びました。
◇
前回の学習会（田窪雅文さん）では、どちらかといえば、核拡散につながるから六ケ所はいけないというところが主題でしたが、今回は、はっきりと、原子力は必要ない、というお話を基本的なところからしていただきました。核兵器と原子力が同根だということも話していただきました。小出さんは、かつて原子力に夢をもってこの世界に入っていかれたのですが途中でおかしいと気づかれたとのこと。真に迫るものがありました。
そもそも、使用済み核燃料が大量に出る状況が問題ということを考えていくことを広げていかねばならないと思います。核拡散と原子力利用が同根ということもやはり理解を進めていく必要がある。核廃絶運動に原発を含めると広げる障害になるという考えがありますが、私は、むしろ核被害を防ぐという一致点で、核兵器廃絶も脱原発も手をつなげば良いと考えています。
さて、私は、小泉さんでも絶対に手をつけない最大の既得権の塊のひとつが原子力だと思います。これに対して、野党側では、今は社民党だけが旗幟鮮明な脱原発（ただし、与党入りした時期は原発を認めた）です。共産党は原発新設には断固反対です。民主党が支持基盤の電力労連などの既得権益に拘らず、「これこそ本当の構造改革」のひとつとして、きちんと掲げれば良いのにと思います。もちろん、一定の激変緩和措置は行う。また、その分、自然エネルギーや天然ガスを増やしたり、省エネ技術のための投資を行ったりして雇用は増やすなどの対応をすることで納得していただくしかないのですが。（以下、話の詳しい内容は２ページ目へ）
(さとうしゅういち)
http://www.news.janjan.jp/living/0602/0602068897/2.php
以下「」内は、小出さんのお話をまとめたものです。
◆いかに放射線が恐ろしいか
「東海村のＪＣＯでは、１９９９年９月３０日、臨界事故がありました。８グレイの放射線を浴びればほぼ１００％死亡するので、被曝した労働者が１０−１８グレイを浴びたと聞き、１−２週間で亡くなるのではと思いました。専門研究所にも治療を断られた二人の労働者は、東大病院に結局運ばれて、専門家が総出で治療に当たりました。
しかし、全部の組織が火傷をしてしまった状態なので１カ月後には皮膚がボロボロになり、大内さんは１２月に、篠原さんは翌年４月に亡くなりました。体温が１度病気で上がっても元に戻りますが、放射線で１０００分の１度上がるような量を浴びただけで死んでしまうのです。また、燃えたウランは１ｍｇで、灯油２リットル分のエネルギーしかない。それが２０時間かけて燃えたのですが、それでも犠牲者が出て、５００ｍ先で法令の基準を超えて被曝した人が出ました。それだけ怖いものです」
◆核兵器開発の歴史と原子炉の関係
「広島にはウラン原爆、長崎にはプルトニウム原爆が落とされました。これには理由があります。広島型原爆は、ＴＮＴ火薬１６ｋトン分のエネルギーを出しましたが、そのために５０ｋトン分の火薬のエネルギーを製造過程で注ぎ込んでいます。エネルギー的には実に馬鹿げています。ウランのうち、ウラン２３８を取り除かないといけないからです。そこで、ウラン２３８も中性子を当てることでプルトニウムになることを発見した。原子炉でそれをおこない、使用済みの燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、長崎原爆にしたわけです。そもそも原子炉とは、いまでこそ発電のためのように思われていますが、原爆をつくるためのものです」
◆朝鮮民主主義人民共和国の核問題
「六カ国協議が行われていますが、アメリカ、ロシア、中国という核兵器を持ち原子力開発もしている国、日本という原子力開発をし核兵器をいつでも持てる国、韓国という原子力開発をしている国がよってたかって、朝鮮は核兵器も原子力も駄目、といっているのです。結局、どういう国が原子力を持つのか、アメリカが決めています。そもそも、最大限見積もって、朝鮮が持てる核兵器は、５０キロトン分、アメリカは５００万キロトン分持っています。比較になりません。私は両方核を止めて欲しいと思うが、アメリカの核は大変な問題です」
「そもそも、原子力開発は英語ではＮＵＣＬＥＡＲ ＤＥＶＥＬＯＰＥＭＥＮＴですが、日本人は日本のそれは、「原子力開発」でいいこととし、他の国のそれは「核開発」で悪いこととしている」
◆エネルギー問題を理由とした原子力推進論への反論
「日本は資源小国だから原子力だ。石油がなくなるから原子力だといってきた。しかし、石油の可採年数はむしろどんどん大きくなっている。昔は、石油がなくなるから大変といって、戦争へ突き進んだ。今はその反省もなく、原子力へ突き進んでいる」
「石炭だけで人類が消費するエネルギーの１０００年分あるし、石油でも５０年分。天然ガスもおそらく１０００年持つ。一方、ウランは６・７年分しかない」
「燃えないウランをプルトニウムにすれば、それは６０倍になるというのが原子力を推進する人の考えです。しかし、高速増殖炉がいまや実用化の見通しが長期計画でも立っていないので、それは机上の空論」
「結局、大量のプルトニウムを持っていて、疑惑の国になってしまっている」
「しかし、実際、ＩＡＥＡの査察の半分は日本が対象。日本はいつ核兵器を持ってもおかしくない国とみなされている」
◆環境問題を理由とした原発推進論への反論
「発電過程ではたしかに炭酸ガスは出ないが、廃物処分のために膨大な炭酸ガスが必要になる。国は、廃物をガラス固化体にして、キャディスターという金属容器に入れて、３００−１０００ｍに埋めるという。しかし、そもそも、2600年くらいしか歴史のない国が、この後、何百万年も責任をもてるのですか。」
◆英国の再処理工場での汚染六ケ所の危険性
「英国での再処理工場からの排水は海を汚染し、日本がチェルノブイリ事故で設定した輸入禁止基準を超えるような汚染がアイリッシュ海から北海に掛けて広がった」
「六ケ所設置届出書でも、一日で原発３６５日分の放射能が出てしまう。英国のようなひどいことは通常運転ではないが、それでも、トリチウムやクリンプトンは漏洩は防ぐことは原理的に不可能」
◆結び
「原発を全廃しても何の支障もない。電力設備は実際には余っている最大電力需要量が火力・水力合計で賄えなかったことはほとんどない」
「核から足を洗うことが、大変世界に貢献することになる」
「また、人類が始まって以来、２０世紀だけで５７％のエネルギーを消費してしまっている。これでよいのか。エネルギー浪費から抜け出す必要があるのではないか。その第一歩として核＝原子力を廃絶することだ」
(さとうしゅういち)
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フォローアップ:- 小出裕章氏のインタビュー【原発問題は差別問題】（gyakuブログ） クマのプーさん 2007/11/19 08:11:37
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