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原発トラブル受け、変わる訓練 政府、東海地震を想定【朝日】
http://www.asahi.com/national/update/0901/TKY200709010117.html
2007年09月01日12時12分
「防災の日」の1日、東海地震を想定した政府の総合防災訓練が行われ、経済産業省原子力安全・保安院院長が緊急参集チームに初参加した。東海地震の想定震源域の真ん中には、国内で最もリスクが高いと言われる中部電力浜岡原発がある。新潟県中越沖地震での相次ぐ原発トラブルを受けて、招集が決まった。中電は火災や漏水への訓練を盛り込み、「万全」を訴えるが、地元には中越沖で再浮上した不安が広がる。
「東海地域の複数の地殻変動データに有意な変化が現れており、東海地震の前兆である可能性が高まりました」――
国の総合防災訓練は、気象庁が出した東海地震の注意情報を受けて午前7時に始まった。官邸の危機管理センターに駆けつける政府の緊急参集チームの中には、原子力安全・保安院の薦田康久(こもだやすひさ)院長の姿があった。保安院の担当者は静岡県御前崎市の浜岡原発にも派遣され、現地から刻々と情報を伝える。
79年の訓練開始以来、保安院院長が参集チームに参加するのは初めてだ。7月の中越沖地震では、柏崎刈羽原発で火災や漏水が相次いだことを受け、東海地震が発生する危険が高まれば招集されることになった。薦田院長は「中越沖地震では、発電所内の状況をいかに国民に迅速かつ正確に伝えるかが課題になった」と話す。
浜岡原発を抱える中電の訓練も変わった。先月30日と9月1日の2度繰り返された。30日の訓練では「2号機の重油タンクから出火」「燃料プールから放射能を含む水があふれた」などの想定を加えた。化学消防車による消火や、漏水中の放射能の調査といった、柏崎刈羽原発では後手に回った内容も入った。
中電浜岡地域事務所の福本一・専門部長は訓練後に「実効性を高めるために訓練を生かしていきたい」と、万全の態勢をとっていることを強調した。
■耐震性、住民に不信感
地元住民の原発の耐震性への不安は増している。8月26日、浜岡原発4号機で導入が予定されているプルサーマル計画のシンポジウムが御前崎市で開かれた。本題のプルサーマルよりも、東海地震での安全性を問う発言が会場から相次いだ。
「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」共同代表で地元、牧之原市の長野栄一さん(86)は「中電はまず耐震性について住民の信頼を得ないといけない。プルサーマルはそれからの話。柏崎刈羽原発で起きた事象をもっと掘り下げて、対策をとってほしい」と話す。
中越沖を受け、静岡県は中電に耐震・防災対策の強化を求めた。中電は24時間専従で備える「防災長」を新設し、消防とのホットラインの設置や消防機材を増やすことにした。低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶をベルトで固定することも約束。県は、原子炉の建屋周辺の地盤補強も求めている。
東海地震が予知された場合、発表は「観測情報」「注意情報」「予知情報」の3段階になる。最も切迫した「予知情報」は警戒宣言に結びつき、経済活動が制限される。中電は電力の需給状況を見ながら、「注意」で原発の出力を落とし、「予知」で原子炉を停止することを決めている。
中越沖の発生前から静岡県では、「注意」段階で原発を止めるよう求めるかどうかが議論になっていた。小林佐登志・防災局長は「できるだけ早い段階でとにかく止めて、原子炉を冷やすことが重要。国は当事者として、原発の耐震性をより責任を持って冷静に評価してほしい」と話す。
中越沖は、東海地震の震源域に原発があることへの疑問を改めて浮き上がらせた。元地震予知連絡会長の茂木清夫(もぎきよお)・東京大名誉教授(77)は「駿河湾から四国にかけての南海トラフは、確実に巨大地震が起こる場所だ。ほかで原発を造るとしても、ここは避けるのが初歩的な常識だ。とりあえず運転を止めたほうがいい」と訴える。「中越沖で原発被害を現実的に考えられるようになった。今回のような地震は日本のどこで起きても不思議ではない」
その浜岡原発1〜4号機の耐震性をめぐって市民団体が運転の差し止めを求めた訴訟が起こされている。4年越しの裁判は6月に静岡地裁で結審し、10月26日に判決が言い渡される。
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