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[原子力発電所は実は要らない?]
http://members.at.infoseek.co.jp/tc_nagano/kzz_sb04.html
原子力発電に関しては、安全性を巡って根強い反対運動があります。1999年に東海村で起きたJCOの事故では2人の作業員が亡くなりましたが、日本では今後とも原子力を推進していく方針のようです。
電力会社の宣伝によると、日本の電力供給の約30%は原子力発電でまかなわれているそうです。「だから、原発を今更廃止なんかできないよ」といいたいのかも知れません。
発電に関しては、ピーク時問題があることが知られています。ピーク時問題とは、需要のピークに合わせて供給体制を整えなければならないという問題です。
電力消費には大きな季節的変動があります。最大電力需要を記録するのは、真夏です。だいたい甲子園の決勝戦の頃がピークです。夏の暑い午後、クーラをがんがんに効かせた部屋で高校野球に見入っているとき、電力需要は年間のピークを迎えます。このとき、停電が起きないのは、ピークに合わせて発電施設を用意してあるからです。
しかし、電力消費のピークは年間で数日でしかありません。特に、春や秋には電力消費は少ないので、ピーク時に合わせて作られた発電施設は遊んでしまいます。これがピーク時問題です。例えば、首都圏で朝夕の殺人的なラッシュに合わせて楽々座れるほど列車を走らせれば、日中はガラガラでしょう(今でも、ガラガラですけどね)。鉄道設備の平均稼働率は低下し、設備は無駄になります。
年間の電力需要を平均して見ると、ピーク時よりも30%ほど低くなります。つまり、もし、電力需要を平準化できれば、電力供給は30%減らせる計算になります。
では、電力需要を平準化する効果的な方法はどのようなものでしょうか?先ほどの議論に基づけば、ピーク時に当たる夏の昼間の電力料金を値上げするのが効果的だろうと結論できます。夏の昼間の電力料金が高くなれば、安い夜間電力を使うなどの方法が普及するでしょう。
2000年の6月にドイツは原発廃止を決定しましたが、日本でも料金体系を変更することによって運転の安全性や放射性廃棄物の処理に問題のある原子力発電に頼らなくても電力需要は十分にまかなえるのです。少なくとも、私には、電力会社が高レベル放射性廃棄物を数万年も貯蔵・管理できるとは思えません。
反原発運動を進めている人たちは、自然科学の知識はそれなりにあっても、経済学の知識はきわめて乏しいように思います。なかには、「経済学者は独占資本の手先で、経済成長至上主義だ」といった妄想に基づいて、経済学者を非難する人たちまでいらっしゃいます。多分、GNPが増えることを経済学者がよいことだとしていると思い込んでおられるのでしょう。しかし、真面目に経済学の勉強をしてみれば、ヒントになることはいろいろあるのではないかと思います。
DSMへの期待と将来の展望
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/bestmix/opinion28.html
塚本 修巳(つかもと おさみ)
横浜国立大学工学部教授
1941年生まれ
東京都出身
1970年3月 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士
1970年4月 横浜国立大学工学部電気工学科講師
1971年4月 同助教授
1980-81年 米国マサチュセッツ工科大学客員研究員
1984年5月 同教授
現 在 同電子情報工学科教授
専門:電気機器工学、制御工学、超電導工学
著書:地球時代の新エネルギー(日経サイエンス1995)超電導工学(電気学会1988)他
DSMとはなにか?
─DSMとはなにか、お聞かせください。
電力会社には需要家が必要とするときの需要に応じて必要なだけの電力を供給する、いわゆる供給責任があります。最近のように電気の使用量が大きくなり需要家の要望するままに電気を供給しようとすると、電力会社の設備容量は非常に大きくなり、高価になります。
特に日本でいうと夏場のピーク時の電力需要は非常に大きく、これに対応して電気を供給するために年間2〜3日しか稼働しない設備が出てきています。
といって、冷房は快適な生活をおくるための重要なファクターだけに、暑さを我慢しろとはいえません。
こうした状況になってくると、供給側だけではどうにもならなくなります。
要するに需要家の方で電気の使い方を調整して、いまのような問題に対応することをデマンドサイド・マネジメント(DSM)といいます。
─DSMの種類と方策にはどんなものがあるのでしょうか。
(1)ピークを抑える。(2)ピークを移す。(3)夜のボトムをアップする。(4)省エネ、の4つが挙げられます。
DSMにはハードウエアで対応するやり方とソフトウエアで対応するやり方があります。またこれらを組み合わせることも重要です。,/P>
ピークを抑えるための具体的な話をすれば、まずガス冷房を導入することがあります。ガス需要は電気と逆に夏場に低いので、ガスを上手に使えば、電力を補完する役割を果たします。
ガス冷房には電気モーターの代わりにガスエンジンを使う方式、つまりヒートポンプ方式と吸収方式があります。吸収方式はエンジンオイルもいらず、メンテナンスも少なくてすむ利点がありますが、電気式のような小型化は今のところ無理でしょう。ある程度規模の大きな所には普及が進んでいますが、家庭用となると限られるかもしれません。
今、ピーク負荷削減で効果をあげているのが需給調整契約です。需要家と契約し、ピーク時の負荷を制限し、それに対応して料金を安くするというやり方です。これは主として産業用が対象ですが、ピーク時の電気料金を高く設定し、これを一般家庭へ適当な通信手段により知らせ、ピーク時に使わないですむものは使わないで負荷の削減を図る方法もあります。現在、日本をはじめ世界各国で検討されています。このように料金によって負荷を制御するいわばソフト的な対応は、発電所を作ったりすることもないので環境への影響もなく、今後、普及することが期待されます。
─“ピークを移す”“ボトムアップ”の有力な方策についてお聞かせください。
冷房ピークのシフトで有効な方策の一つは深夜電力による氷蓄熱です。夜間は電気料金が安く、昼間に比べ、外気温が下がるので冷凍装置の効率もよい。ビルなどへの普及が期待されます。しかし、これを一般家庭に導入するにはスペース的、コスト的問題を解決する必要があります。
日本独特の文化といえるほど多数ある自動販売機ですが、蓄冷熱機能を持たせて、ピーク時の熱消費を抑えたものが開発されています。
電気温水器はボトムアップに役立っていますが、高品質の電気エネルギーで温水をつくることには抵抗を感じます。とはいえ、今の段階で一般家庭で電気をためてボトムアップする手段としては、これしかないのでしょう。
将来的にはボトムアップとして電気自動車が期待されています。
─新エネルギーはDSMに利用できるでしょうか。
太陽光発電はバッテリーがないと発電が途絶えた場合、電力会社としては、すぐにそのぶんバックアップしなくてはならないので発電所の設備の節減につながらない可能性があります。
今後、家庭用電子機器の発達と同時にバッテリーの多目的利用が一段と増えると予想されます。その意味ではバッテリー付太陽光発電は新しい付加価値のあるものとして期待できると思います。また電気自動車が普及すれば、電気自動車のバッテリーを家庭用に使うとか、太陽電池と兼用するとか、また深夜電力を貯蔵するなどの多目的利用を図る方法が考えられると思います。
需要家の期待するサービス、効用を落さないで、供給側の発電量、設備を減らしエネルギーの供給量をどこまで減らせるか、これが要するにDSMの出発点なのです。
欧米におけるDSM
─欧米各国のDSM取り組みについてお聞かせください。
フランスでは、料金制度による負荷制御にいち早く取り組んでいます。ピーク時の料金を一番安いときの約10倍にも設定しています。
アメリカなどでは、時間毎に値段を決める、リアルタイム方式の電力料金制度の試験を行っています。アメリカのホテルは吹き抜けの場所が多く、換気ファンの稼動やまたプールの水の循環を時間により制御することで、負荷を調整し電力のコストを節約しています。
ドイツでは深夜電力を利用した蓄熱暖房で大幅な負荷率の改善を実現しています。もっとも高品位エネルギー源の電力を単に抵抗加熱の熱源に使うことに対し、CO2排出の問題から反対する声が最近多いようです。
DSMへの期待
─DSMへの期待―将来展望、消費者のニーズについてお聞かせください。
ピーク料金制度に対応して、家電製品を制御する装置や、ホームオートメーション機器にこの機能を結びつけた装置が、欧米で盛んに開発されています。新しいタイプの家電製品が出てくるものと期待されます。
DSMは技術の花園で、電力エネルギー、通信、電子機器、家電製品等々を融合したもので、新しい産業分野が開ける可能性があります。
最後にDSMの今後の課題として、一般家庭への普及を考えた場合、長続きするかどうかが一番の問題となるでしょう。実施することの楽しさをうまく取り入れることも必要です。
─NEDOでは、九州で負荷集中制御実証試験プロジェクトを実施していますが、プロジェクトの意義ならびに今後の研究課題についてお聞かせください。
料金を高くすると、節約効果があることが分かりました。つまり料金的インセンティブが実際に働くことが実証され、しかも定量的に分かってきたことはきわめて意義のあることです。
しかし慣れによる効果の減少、これがどんな形で現われるか、これをいかにして無くすか、これが今後の課題です。
次の問題は、本当に暑くなったとき、どうなるのか。その時、削減効果が無くなるとすると、ピークはさらに細くとがったものとなります。
さらに、DSMのシステムにどんな付加価値をつけるかが課題です。今後のアイディア次第で、いろいろなことができると思います。
それには採算がとれるかどうかの問題も出てきます。通信手段に関しては、究極的には光信号の利用ですが、今後コストの引下げが期待されています。
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