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やっぱりもたなかった柏崎刈羽原発! わずかマグニチュード6.8の中規模地震で! 2007/07/19
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16日に、中越沖地震の直撃を受けた柏崎刈羽原子力発電所の続報です。(筆者前回記事:柏崎刈羽原発、地震で火災〜待たれる情報発表)
◆全国、いや世界中に送られた黒煙を上げて燃え続ける映像、そんな中で柏崎市に住む知人から届いたメール「それとR−DANは平常値です」――このひとことが、いかに安心をもたらしてくれたことか。ちなみにR−DANとは、自衛のために用意している放射能測定器なのです。
◆う〜ん、どこから手を付けたらいいものか、まったく惨憺たるありさまです。
報道された次の二人の言葉が象徴的です。
「非常時で少人数でいろんな所の点検をしていたので(報告に)遅れも出たのだろうと思う」(東京電力・勝俣恒久社長) → あちこちで異常が生じたということ(けたたましい警報だけでも冷静でいられるわけがない!)
「頭の中ではわかっていても、実際にいろいろな事が同時に起こるとパニックになってしまうんだと思いますが、そんな中でも冷静にやるべき事を常時しっかりトレーニングしておかなければいけない」(甘利明経産相)
そう、16日の午前、中は中で外の火災どころではなく、パニックになっていたのでしょう。後でわかった揺れの強さから想定すると、3階あたりに位置する運転制御室などは、地表並みの揺れに襲われた可能性があります。原子力発電所の中は地表のように揺れることはないと思い込まされてきた人々は動転したでしょう。
◆いくつもの教訓が残されました。
まず、予測していない事態に、人は対応できないということ。
「大丈夫」というウソこそ危険です。地震で事故・故障は起こらないとして、国も電力会社も、原発の過酷事故対策から、地震を原因とするケースをまったく除外してきたのです。しかし地震は同時多発で事故・故障を生じます。このことが明瞭に示されたこと、これが最大の教訓です。
◆ようやく17日、17時現在の被害状況をまとめた「一覧表」を東電がプレス発表したのを見て、みな仰天したものです。1〜7機合わせて50件、それらのうちの幾例かは、すでにさまざまに取材され、詳しく報道されて、さらに世の中を驚かせています。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu07_j/images/070717a.pdf
しかし、ほとんどの情報は未だ詳細が不明で、数値もほとんど出ていません。これらの中には、徐々に被害状況が大きくなっていくものがあることにいずれ気が付くでしょう。
16日の時点では6号機から放射能を含む排水が海水に放出されたことが公表されましたが、程なく計算間違いとして1.5倍に修正されました。これは、17日の一覧表に、7機すべてで「水溜りを確認」としてありますが、原子炉建屋の3階〜4階に位置する使用済核燃料貯蔵プールから放射能を含んだ冷却水(50度くらいのお湯)が飛び散って、最終的に海へ放出されてしまったものです。
1・2・3号機については、運転上の制限値を逸脱するほどの水位(通常は水深15メートルほど)の低下があったことが16日18:30現在の状況として公表されました。
そのほか、放射能漏れあり、放射性廃棄物を入れたドラム缶の転倒や破損あり、配管やタンクの破損・変形により水漏れ・油漏れあり、電源喪失(停電)あり、事務本館はヒビ、ガラス破損多数、構内には液状化あり、道路に亀裂・段差あり、護岸沈下あり、‥‥‥。
◆しかし怖いのはまだまだ隠れている所。すなわち原子力発電所というのは、運転を止めてもすぐ中には入れない部分があるのです。
それこそが放射能を溜め込み閉じ込める核心部で、原子炉運転中は火事を起こさないよう空気の代わりに窒素を充填し、万が一にも放射能を漏らさないよう、剛鉄の「格納容器」と呼ばれる密閉容器で包まれた、その内部なのです。中央には原子炉を配置し、摂氏280度くらいの高温に維持された蒸気(冷却水)が通る太い配管が所狭しと走り、熱気だけでも人の入れる場所ではありません。運転停止後でも、もちろん放射線が高いために勝手に出入りはできません。
運転停止後2日ほど待ってから、ようやく空気に置換した中に人を入れますから、点検はそれからです。未だ残る熱気と高レベルの放射線の下、許容されるわずかの時間内の交代作業で、十分な検査ができるわけがありません。
万一、どこかの配管が破れていたらどうでしょう。放射線量は一段と高くなり、1人あたりの作業時間はさらに切り縮められます。原子力事故では、常にとんでもない高線量との闘いを覚悟しなければならないのです。
このように特別隠すつもりなどなくても、肝心の格納容器内は、健全な各種センサー・計測器でモニターする範囲でしか、異常の有無は確認できていないのです。まして微細な傷などいったいどれだけ経ったら点検し終わるのか、それまでにいかに大量の被ばくを必要とすることか・・・・・・。
◆地震、集中立地、やってはならないことを強行してきたツケです。
地震でなければ7機すべてが同時にたおれるということはまずないでしょう。地震でなければ、こうした苛酷な点検のための被ばく作業を請け負ってくれる作業員を確保することも何とかできるかもしれません。しかし、自ら地震で被災している地で、あるいは自分は無傷でも身内や知人に被災者を抱えている中で、いったい通常の点検の何倍もの人工を、どうやって確保できるというのでしょう。被害が広域にわたるほど、すなわち大地震になるほど、これは深刻です。
順調にいっているとき、東電ならずともどこの原子力発電所でも、「格納容器の中になど入らなくてもすべてモニタリングできている、管理は万全」と言っていたでしょう。実際には度々故障を起こし、警報は誤報が多いため信頼性に欠ける、といった問題もありました。それでも同時多発するということはほとんどありません。地震時にはそれが現実になる、そのことが今回は疑う余地のない形で示されました。
発電所の敷地境界の環境放射線量をリアルタイムで新潟県に伝送するシステムもあえなく地震で途絶えてしまいました。17日午後には復旧したものの、30時間ほどに亘って記録は空白となっています。
◆現在東電により公表されている情報の中でとりわけ深刻なのが、7号機の排気塔から通常は検出されない放射能が検出された件です。ただしなぜかこれだけは本社ではなく、
柏崎刈羽発電所からプレス発表されています。
17日16:01の時事通信によれば「ヨウ素131、同133、クロム51、コバルト60の放射性物質が検出された」としてあったのですが、同18:01になると「通常は検出されない気体状のヨウ素の放射性同位体や粒子状の放射性物質クロム51、コバルト60を検出した」と変わったのです。
ヨウ素133が消えてしまいました。東電の発表にはヨウ素としかなく、不自然というものです。時事通信の早とちりではなく、ほんとうにヨウ素133を確認していたとしたら、それは核燃料の破損を示唆することになり、重大です。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu07_j/images/070718a.pdf
この数値はリアルタイムではなくて、1週間分のフィルターに捕獲されたものの分析結果ということです。ヨウ素131でもピンホール等燃料破損の疑いはありますが、ヨウ素133なら半減期が短く、20時間余りで半減してしまうので、地震との関係が濃厚になってくるというわけです。なお他号機の分析はこれからとのことです。
(柏崎刈羽原発の問題については、引き続き、続報を書きたいと思います)
(東井怜)
◇
JANJAN
http://www.janjan.jp/living/0707/0707199332/1.php
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