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遺族に無断で臓器を摘出・英核燃料再処理(1) 2007/06/29
今イギリスでは、不審死したセラフィールド核燃料再処理工場従業員から、遺族の許可なく臓器を取り出しプルトニウム・レベルを違法に調査していたことが問題となっている。
日本では、青森県六ヶ所村の再処理工場の本格操業が、耐震設計データ誤入力の発覚などにより11月に延期された。日本源燃は10回めの時期変更を、安全確認を優先した慎重な試運転からの遅れなどと言うが、3月にはウラン・プルトニウムの混合溶液の二重供給という、臨界事故防止の管理基準に反するミスが起きた。
試運転の開始以来、従業員のプルトニウム汚染や多くのトラブルが起き、設備の改善等で費用も嵩むばかりだ。海に放射能が大量に排出され、排気塔からの放射能が工場周辺のモニタリングポストの測定値を上昇させてもおり、従業員と周辺住民の健康への影響が心配だ。これらの事象は試験運転を止め事業そのものを再考するよう警告しているのではないだろうか。
イギリス、シェラフィールドの田園地帯にある原子力発電所や再処理工場施設群。
イギリスで発覚した再処理工場従業員臓器摘出事件
イギリスの新聞「ガーディアン」によると、1960年代から90年代初期にかけて、65人の死亡した労働者などから臓器や組織片の摘出が行なわれていたことを、4月18日に通商産業大臣(Alistair Darling)が発表し調査に乗り出した。
臓器や組織の分析記録は再処理工場を運転するBNFL(旧イギリス核燃料公社、現BNG)が持っているものの、サンプル自体は分析によって破壊され、廃棄されたので今は残っていないという。しかし、過去のセラフィールド労働者の臓器摘出と放射能検査が、だれの指示で、何の権限と目的のもとで行なわれたかについてBNFLは明らかにしないとガーディアンは書く。その後5月には、労働者の遺族が損害賠償を得るために資料を公開するよう促す公聴会の開催を求めているという。
核施設の従業員たちが多く住むシースケールの町。彼らの子供たちが白血病になる率は高い。
明らかに高い従業員の体内プルトニウム
労働者から取り出した組織体分析の幾つかはすでに発表されているが、そのひとつに国立放射線防護委員会(NRPB)の1986年発表の研究がある。イギリスの低線量放射線キャンペーン=LLRCのホームページには、3人のセラフィールド労働者、周辺住民とその他の地域の複数の住民の死体から調べられたプルトニウムの体内濃度のNRPBによる比較結果が載っている。結果は明らかでセラフィールド労働者はどのサンプルにおいても圧倒的に高い濃度をしめしている。一方で、その他の地域住民より周辺住民の方が明らかに濃度が高い。
ガーディアン紙は、NRPB調査員の話として、「調査の結果、セラフィールドのBFNL工場から空気中に排出されたプルトニウムが、周辺の住民の体組織に入り込む道筋に根拠与える有力な状況証拠を提供した」と記している。
再処理工場からの放射性廃棄物は六ヶ所村の沖合の海に放出され、太平洋沿岸を流れる。
トリチウムの健康被害の懸念
また、LLRCの同じページには、六ヶ所再処理工場からも海に排出されているトリチウムという放射能の影響についての報告もある。セラフィールド従業員の体内被ばくに関するモニタリングで、トリチウムと関連した前立腺がんの罹患率が予想の20倍高く、前立腺がんの著しい過剰が確認されたというのである(Valerie Beral et al)。また、肺がんの死亡率とプルトニウムのモニタリングに強い関連があったとしている。
いま六ヶ所再処理工場の沖合には、アクティブ試験によって何十兆ベクレルものトリチウムを主にした液体の放射生廃棄物が排出されている。これが海流に乗って太平洋沿岸を汚染する恐れがあり、魚類や海で遊ぶ人々の健康が心配だ。
(つづく)
(桐生広人)
JANJAN
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