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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070527i101.htm
【北京=寺村暁人】中国政府が、原子力発電所による国内の発電容量(能力)を、2030年までに現在の15〜20倍に増強する目標を立てていることが26日、明らかになった。
中国の建設省が北京で開いたエネルギー戦略フォーラムの講演で、中国の電力関連学会の関係者が公表した。
中国では現在、原発10基で800万キロ・ワットの発電能力がある。関係者によると、中国のエネルギー政策を担当する国家発展改革委員会が、これを2030年までに1億2000万〜1億6000万キロ・ワットに増強する内部目標を設けているという。中国は2020年までに4000万キロ・ワットにする目標を公表していたが、これを大幅に加速させる。
今後20年余りの間に100万キロ・ワット級原発を百数十基建設する計算で、実現すれば、世界最大の原発大国となる。中国が大量の原発建設の目標を立てたことで、原発燃料であるウランの国際的な争奪戦は一段と激しくなる恐れもある。
中国は年間10%前後の高成長が続き、エネルギー消費の急拡大が今後も続くとみられる。現在主流の石炭火力発電による環境悪化も深刻化しているため、エネルギー供給に占める原子力の比重を高める必要があると判断したと見られる。
中国は昨年、オーストラリア政府との間で軍事転用しないことを条件に、ウランの輸入で合意するなど活発な資源外交を展開。ウランの戦略備蓄も開始するなど、原発の大増設に備えて国を挙げてウラン資源の確保に乗り出している。
ウランの指標価格を公表している米Uxコンサルティングによると、ウラン1ポンド(約454グラム)のスポット価格は5月21日現在125ドルとなっており、00年12月の7・1ドルから6年余りで約18倍に値上がりしている。中国の「原子力シフト」で、ウランの国際市況に一段の上昇圧力がかかる可能性も出てきた。
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