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2007年04月20日
高知県東洋町、高レベル廃棄物の問題について
高知県の東洋長が高レベル廃棄物の受け入れを巡り、町長選を行っています。4選を目指す前町長で高レベル廃棄物の受け入れへの応募を表明した田島氏、応募の撤回を表明した新人の沢山氏の一騎打ちであり、事実上高レベル廃棄物への応募の是非を問われるものです。今日はたまたまTBも頂きましたし、従来より考えていたことなので記事にしたいと思います。
高レベル廃棄物とは原子力発電所で使用された燃料棒を再処理した際に、ウラン235が核分裂をして生じた核廃棄物のことです。半減期が長く、数千年をかけて保管、管理しなければならないことから、これをガラス状の安定的な状態にし、ステンレス容器に入れた形で製造されます。六ヶ所再処理工場で製造されることとなっており、中間貯蔵を終えた後に最終処分場に処理することを目指しています。
今までもこの問題に対して提言してきましたが、この問題での国の対応は間違えています。まず第一に、日本の国土で地下300メートルの地層に処分するとしても、湾曲して地層がむき出しになった場所など山ほどあります。つまり例えそれが地下深い場所で、固い岩盤の上だと云ってもこの日本で数千年に亘り安定的に保管できる場所は存在していないのです。
原子力発電所も同様なのに、なぜこの高レベル廃棄物の地層処分に対し、私が反対するかといえば、原子力発電所の対応年数は40数年と言われており、現在炉心交換などで寿命延長などを図っていても、コンクリートの対応年数が過ぎれば使用は不可能です。つまり長くても100年程度の使用しか出来ないのが発電所です。
更にメルトダウンさえしなければ発電所に危険はありません。しかし高レベル廃棄物は人が近付けば数秒で黒焦げになります。それを数千年単位で管理するなど、人類が始めて実現しようとするその壮大な構想について、あまりに短慮にこの問題を考えてはいけません。
これに対して従来の原子力行政のような、交付金をばら撒いて地方自治体に引き受けさせる、という手法自体が間違いです。私が考える限りにおいて、高レベル廃棄物処分場の受け入れは地方自治体には無理です。存在自体の危険性、運搬時の事故、想定される問題が大き過ぎて、一つの間違いが及ぼす影響は計り知れないものがあるのです。
一つの方策として考えるのは、数万、数十万haを国が買い取って国有林や国定公園とし、人が生活しないその地下で処分場を建設するというのが最も現実的でしょう。通常の立ち入り制限は必要ないと考えますが、仮に危険が生じた場合はただちに立ち入り規制をかけ、隔離するなどの対応が必要なのだと思います。同じ原子力行政の一環として殊更に安全性を主張するには、日本の知見はまだまだ足りません。人類が原子力を扱い始めてからまだ百年と経っておらず、数千年以上の管理に安易なお墨付きを与えることなど出来ないのです。東洋町の有権者の方がどんな判断を下すのか分かりませんが、くれぐれも少しの間だけ交付金をもらって…、などの安易な発想だけはしないで欲しいと考えています。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/
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