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□【書籍紹介】薄給と過酷な労働で燃え尽きるケアワーカー [日刊ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/article/detail/3245644/
薄給と過酷な労働で燃え尽きるケアワーカー
2007年07月26日10時00分
「働きすぎる若者たち」阿部真大著（ＮＨＫ出版 ７００円）
コムスン問題で改めて脚光を浴びた介護ビジネス。しかし利益一点ばりの経営者とは裏腹に、介護の現場で働く若者たちは薄給と過酷な労働に身も心も捧げ、やがて燃え尽きている。
著者は前著「搾取される若者たち」でバイク便ライダーたちの世界に分け入り、彼らが世間の常識からしだいに遊離してワーカホリックに陥るさまを活写した若手社会学者。続編にあたる本書は、介護の現場に働く、主として女性たちを丹念に取材調査し、その結果をまとめたものだ。
助け（サービス）を求めている高齢者や障害者が目の前にいる。この現実を前に、ケアワーカーとなった心やさしい若者たちが仕事の限界を超えてのめりこみ、体と心を壊しているという。実はケアワーカーにはパートの主婦層というもうひとつの集団がいるが、家庭優先で必要以上にのめりこまない彼女たちは若者たちのように壊れることがない。
著者は学術研究らしからぬざっくばらんな態度と文章で問題の根っこに肉薄。しかしその視点と議論はけっして甘くない。安易な結論はないが、学術書を読んで啓発されるという珍しい経験が後に残る。
【2007年7月23日掲載】
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