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第一章で原田氏は、「マネージャー国家」「サブ・マネージャー国家」「ワーカー国家」という造語をし、それぞれアメリカ、中国、日本を当てはめているが、こんな造語をする必然性は感じられない。古典的な覇権国、準覇権国、属国等の区分けで十分と思われる。かえって事態の本質にベールをかけ、見ずらくするのではないか。
覇権国(帝国)、属国の関係については副島教授が、現代的な新しい意味も吹き込み、一連の著作のなかで議論を展開している。これで十分であり、新造語をこしらえたところで、世界政治や現代史を解明することに新たな貢献をしているとはとても思えない(その逆であろう)。
米国の「奥の院」とは、文字通りの「閥族集団」であり、その構成原理は血族、婚姻による「血の同盟」である、などと分かった風な言い方をしているが、さらに本質から2,3歩引いた感じでよく分からない。何故ロックフェラーであるとか、国際金融財閥であるとかいうオーソライズされている言い方から逃れるのであろうか。
第二章は、「生き残りをかけてドイツに学ぶ」とあるが、ドイツが用意周到な戦略と30年の歳月をかけて、アメリカの属国状態から脱してきつつあることは、やはり副島教授が『テロ世界戦争と日本の行方』(弓立社‘01年)のなかで、安全保障の面から解明している。原田氏のこの部分の記述は、副島教授を剽窃しているとは思わないが、アイディア自体は教授から借りてきている疑いがある。もし原田氏が教授のこの本を読んでいるなら、著作のなかでこの本を紹介するのが読者にも親切だし、原田氏の知的誠実性の証にもなる。
第三章ではいくつかの提言をしているが、とりたてて斬新なオリジナリティを印象づけるものはない。
新造語も「奥の院」も、何かオリジナリティを謳(うた)いたいという氏の深層意識から発しているように思う。
原田武夫氏に剽窃、盗文の指摘
http://www.asyura2.com/07/senkyo39/msg/1291.html
投稿者 仁王像 日時 2007 年 8 月 04 日