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このところサブプライム・ローン問題に端を発する信用収縮の問題がにわかに脚光を浴びて、世界的に株や商品、為替に激しい変動をもたらしています。サブプライム・ローンという怪しげなローンを債権化するいうのは、いかにも詐欺師的なうまい思い付きでしょうが、それを組み込んでしまったファンドというのは、異常な心理状態にあったのだといわざるをえません。バブルのバブルたる所以でありましょうか、それともファンドを運営している人たちのそれが日常なのでしょうか。 ところで一部に、サブプライム・ローンのアメリカ経済に占める割合はたいしたものでなく、経済の基礎的条件は良いので、そんなに心配する必要はない、という論が見受けられます。しかし今回の本当の問題はそこにあるのでないと思います。このところ世界経済は、ファンドがさまざまな金融派生商品を展開していくなか、信用取引により見かけ上の資産がどんどんふくらみ、それが世界的な株や不動産、商品のバブルをもたらしてきました。しかしこういった資産は借金によって無から創造されたものであり、アメリカ政府の軍事的浪費と家計の借金生活もあいまって、世界に借金によるバブルを創り出してきたわけです。しかしインフレが進行するなか、世界的に金利が上昇していき、借金はその牙をむき始めます。1%の金利上昇も10倍の信用取引をしていれば10%の上昇と同じになるのです。この負債はいずれ返済か破産ということで決済を迫られるでしょう。今そのファンド・バブルの終わりが始まったと思われる所以です。 デフレに悩む日本はこのバブルに無縁のようにも見えますが、外貨や外債に投資している人は用心が必要でしょう。また円キャリートレードでファンドに円を貸している金融機関は、貸した円を回収できるか心配しなければなりません。低利でファンドに円を貸したのは、考えてみればすごくハイリスク・ローリターンの取引なわけですね。サブプライム・ローン問題を過小評価したい一部の人の気持がわからないものでもありません。