★阿修羅♪ > 議論26 > 155.html
 ★阿修羅♪
沖縄】争点単純化はメディアの怠慢 参院選沖縄選挙区   2007/06/28   JANJAN
http://www.asyura2.com/07/dispute26/msg/155.html
投稿者 Kotetu 日時 2007 年 7 月 12 日 19:48:21: yWKbgBUfNLcrc
 

(回答先: 2007年の参議院選挙の予想候補者一覧をアップします。 投稿者 茶々 日時 2007 年 7 月 02 日 12:57:16)

争点単純化はメディアの怠慢 参院選沖縄選挙区 2007/06/28
 改選1議席を争う参院選沖縄選挙区には、現在、現職の西銘順志郎氏(=自民公認、公明推薦)と前職の糸数慶子氏(=無所属、社民、社大、共産、民主推薦)が立候補を予定している。


白熱した公開討論会

 去る24日には、午前中に両者から政策発表が行われたのに引き続き、午後には公開討論会(琉球新報社、沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄共催)が那覇市のサザンプラザ海邦で開催された。

 この公開討論会における「有権者に一番訴えたいことは?」との質問に対し、両氏は以下のように答えている。

西銘氏
 「自立発展 沖縄」であります。沖縄振興計画も折り返し地点を過ぎました。後期も5年を過ぎました。次のプランはこれまでと違う思い切った計画、そして地元沖縄発の計画を作ることが重要であると思います。このため沖縄21世紀ビジョンや、沖縄アジア版ゲイトウェイ構想の策定を進めます。IT津梁(しんりょう)パークの整備や那覇空港の拡張整備など、様々な振興策を実現します。

糸数氏
 「平和」であります。沖縄は復帰して35年たちました。私たちが望んだ状態で今の沖縄は実現しているでしょうか?沖縄振興のために投じられた国の予算は9兆1,000億円にもなります。確かにある名目の事業が進み、道路が良くなり、公共的な建物が増えて、農林水産業の基盤整備は進みました。しかし、なぜ沖縄は豊かにならないのでしょうか?現在200万にも満たない県民所得は全国最下位です。そして全国一高い失業率。「自立経済とはいったい何なのだろうか?」ということを県民の皆さんといっしょに考えていきたいと思います。

 これらの発言を受けて、翌日の沖縄タイムスは「『経済』『平和』が争点」、琉球新報は「西銘『自立』、糸数『平和』」とそれぞれ見出しをつけた。


昨年の沖縄県知事選を伝える紙面(琉球新報11月2日付夕刊) 沖縄メディアは昨年11月の県知事選でも、仲井真自公候補と糸数野党共闘候補の争点を、「経済か基地か?」の二者選択として呈示し、連日のように伝えた。有権者に幅広い判断材料を提供しようと様々な工夫を凝らした紙面構成、番組構成をした一方、基調は「経済か基地か?」の二者選択であった。そして今参院選関連における見出しを見ても、同様の報道方針を採るようだ。

 確かにこの二元論は分かり易い。一方が自公=保守=中央政治との太いパイプを通しての利益誘導型政治=経済振興=現実主義、他方が野党共闘=革新=基地のない沖縄を訴える=平和=理想主義という対立項が導き出される。

 県知事選では仲井真氏が当選、県民は「現実路線」を選択したと報じられた。「反対、反対といっていても基地はなくならない。国から振興策=金をもらえなくなっては困る」という、地元基地容認派がよく口にするセリフに県民の多くが同調した、と沖縄メディアは捉えたようだ。


討論会場で握手を交わす西銘氏(右)と糸数氏(左) だが今回の討論会で両氏が訴えているポイントは、復帰後の沖縄のあり方を決定付けた沖縄振興計画体制への是非なのではないか。

 西銘氏は沖縄振興計画体制を評価し、「さらに開発、さらに振興策を」という「外発的発展」を主張している。その際これまでの中央主導ではなく「沖縄が決める」ことが重要であるとしている。

 一方、糸数氏は同体制に疑問を投げかけている。その上で糸数氏は何を訴えたいのか?政策発表記者会見での記者からの質問「今一度平和を訴える理由は?」に糸数氏はこう答えている。

 「私たちは今日本が戦争を出来る国にしようとしている安倍政権の真っ只中にいます。沖縄において新しい基地を造らそうとしている現政権に対してしっかりと反対していく理由は、基地そのものが戦争へ加担するという大きな目的があって造られるからです。全ての暮らし、命は平和が基盤にならなければ成り立たないものであります。平和でなければ、今問題視されている年金の問題も、EPAに関わる農業の問題も、観光の問題も、全て築いていけません。9・11テロの時、沖縄に観光客が来なくなった。農産物がホテルにいっさい搬入されなくなった。そこで働いている方々に仕事が無くなった。平和があってその上にこそ、子供たちの教育や、女性の地位の向上や、離島の課題を解決していけるという重要なポイントだと捉えております」

 有権者の一人、メディアに携わる一人として意見を述べると、メディアは糸数氏のこの指摘を聞き逃してはならなかったと思う。平和でなければ経済も成り立たない、つまり「平和」(基地無し)と「経済」を二者選択することは矛盾している、といっているのだ。であれば日々の生活に不安を抱え「経済」を選択するなら自ずと「平和」を選択しなければおかしいということになる。

 内閣府の「沖縄振興計画」ですら「本土から遠隔の離島県ゆえの不利性や米軍施設・区域が集中するなど沖縄の置かれた特殊な諸事情もあり、自立への展望を開くまでには至っていない」と認めている中で、西銘氏の「自立発展」説をどう捉えるのか?「沖縄発」がこれまでの中央主導のそれとどう違うのかよく吟味する必要がある。それらを一言「経済」「自立」(振興策で発展することが根拠も無く自明のこととして含意されている)という言葉で表現してよいのだろうか。

 一見分かり易いワンフレーズの使用が流行っている。候補者サイドもキャッチフレーズとして掲げたのが「自立 発展」であり「平和」だろう。だがメディアがその言葉を無批判に見出しに使う時、イメージは固定化され一人歩きするのではないか。そしてその言葉の後を追うように、候補者サイドも、批判的思考の無い有権者も、共犯を演じてしまう恐れはないか。

 沖縄タイムス夕刊1面に「寸評寸描」という、皮肉とユーモアを交えた時評コーナーがある。25日付で「沖縄の選挙『らしく』なりそう。基地・経済。両立できない対立軸」とあった。だが「両立できない対立軸」を作っているのはメディアそのものなのではないだろうか?

関連サイト:
・西銘順志郎公式サイト
・糸数けいこオフィシャルサイト
・沖縄振興計画(内閣府)


(西脇尚人)

JANJAN
http://www.news.janjan.jp/media/0706/0706277948/1.php

 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > 議論26掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。