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見通しの悪い議論と思う。部分部分は事実なのだろうが、それが全体として何を意味してくるか朦朧(もうろう)としている。
・カルト・オブ・ヤスクニと先ず一番に呼ばれるべきは小泉であろう。彼は確信犯であり実績もあった。阿部にはまだ実績も少ないのに米国がこう見て疑っているという。小泉でなく阿部をこう見る、突然に変化した米国の日本ウォッチャーは何を研究しているのだろうか。ここが第一の大きな疑問である。
・小泉はアメリカの命令で靖国参拝をし、意図的に日中対立を煽っている、としていたのは副島氏である(本書ではこれには口を告ぐんでいる)。なに故にアメリカは、この政策を改め阿部には許さない風向きになってきたのか。その説明が欠けている。ブッシュ政権の変節が、実権がネオコン派から中国派に移りつつあるからなのか。その説明も朦朧としている。
・岡崎久彦や古森義久が怖いのは、アメリカから「反米分子」と評価されることだというが、その論拠に全く説得力がない。日本ウォッチャーらによって、彼らがバリバリの親米ポチ族であることは十分認知されているはずだ。なに故に評価が突然変異するのであろうか。日本ウォッチャーによる日本の情報収集能力が極端に下がってきたとでも言うのであろうか。
以上、議論全体に「胡散臭さ」が付きまとうのである。
私見であるが、田中宇氏が指摘するように、米英中心の覇権を衰退させ、覇権を中国やEUに分散させていく過程での米国の世界戦略が急旋回しているという中での出来事ではないのか。それを読めない低脳の政治家とそれを取り巻くイデオローグが、旧来の日米同盟必須論振りかざし続けているのが、単に米国から鬱陶(うっとう)しがられてきたに過ぎないのではないだろうか。とりもなおさず、日本国における地政学の欠如である。