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デュルケームは、<アノミー>を避ける方途として、学校の役割を極めて重要視しま
したが、「政治改革」と歩を合わせるように、「教育改革」が国家の最重要の課題と
して、繰り返し浮上してくる理由もまたここに在ります。
そうして、学校の<近代化>の機能の復活・再生を通して国家の権能の復活・再生を
企図するー安倍政権の意図を「憲法改悪」(=戦争が出来る国家にする)の為の布石
と見做す向きも在りますが、それは明らかに一面的であり、本来の狙いは明治以来の
「近代化路線」の延長線上に全てを再編=再生させるーというところにあるのだと
思います。
また他方、「近代化路線」が「脱亜入欧」を意味するところから、アジアを改めて
<他者>として位置付けし直すー<他者>とは言語ゲームを共有出来ない存在という、
柄谷行人の定義に拠るとー「拉致問題」をキッカケに、朝野挙げての、異常・異様な
北朝鮮バッシングが展開される本当の理由は、最も近いはずの隣人を、話し合うこと
も、理解することも出来ない存在=<他者>として設定する(他者の究極の在り様が
《敵》であることは言うまでも無い)という処に在り、理論及び理屈、更には歴史の
経緯からいっても、やがてはここに中国や韓国が含まれて来るのは確実です。
そしてこれに靖国神社の復権を重ね合わせると、確かに左派・リベラル諸氏が危惧する
可能性も無しとはしない。 事実、そういったアングルから観れば、昨今の北東
アジアの情勢は、100年余り前の、日清・日露戦争前夜の状況に似てないこともない
のです。
即ち、当時の覇権国家大英帝国をバック(日英同盟)にアジア(朝鮮半島・中国)更
にはロシアに向かっていったように、この間の日本の姿勢を、日米同盟をバックに
再びアジア或いはその他にも対しようとしている、とも読み取れるからです。
そしてその延長線上に、米軍事戦略に迎合し、そのお先棒を担ぐことによって「同
盟国」としての地歩を固めるということで、当然、その中には軍事的なモノも想定さ
れ得ます。
また「靖国問題」を巡る中国や韓国の過敏とも思える反応も、そういった事での、
日本の軍事的プレゼンスの増大に繋がるような要素は出来るだけ削いで置く、という
狙いにも読めます。 つまり中韓は、過去に拘っているのではなく、未来を危惧して
るということです。