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村崎 で、この辺の事件が前フリの形になって、例の 佐世保スポーツクラブ乱射事件が起きたわけだな。(★7)
唐沢 これで日本もいよいよアメリカ並みの銃社会になったのかと思ったら、その後の報道を追っていくと、何のことはない、ただの日本的情緒満載の、ふられ男のストーカー殺人だったみたいね。
村崎 2700発も銃弾持っていながら、殺した相手はたった2人かよ! だから日本人はなめられるんだよ! ……って、普段のオレならブウブウ文句言うところなんだが、今回はちょっとこの馬込って犯人については、寛大に評価してやりたいんだよ。まず、“乱射”とか言いながら、殺した相手は自分の親友と、自分が愛していた女性、この2人だけだったわけじゃん?
唐沢 狙いが確かだったってことか?
村崎 いや、狙いが確かなのは、2700発も銃弾持ってるような奴ならデフォルトだろう。それ以上にさ、魔術的に解釈するとだけね、これはよくある話なんだよ。
唐沢 よく“ねえ”よ(笑)。
村崎 要するに『ベルセルク』の世界観を思い出してみてもらえればいいと思うんだが、つまり、“ただのヒトが尋常ならざる力を得るためには、尋常ならざる行為をしなければいけない”ってことだよ! 憎い人間を殺すなんてことは実は簡単なことで誰でもできる。誰でもできないのは、逆に自分がものすごく愛する大切な人間を殺すってことだよな。そこで、犯人の馬込は尋常ならざる力を得るために、最大の親友と最愛の女性を殺してその命を悪魔に捧げることによって、強大な魔術的パワーを身に着けようとしたんじゃないかと。「親友と最愛の女を殺して自殺したら、お前はあの世で偉大な悪魔に生まれ変われる」とか、そういう電波が馬込クンのアタマん中に届いていたわけだ。
唐沢 そういや、この男は最後は教会の目の前で自殺してるんだよな。クリスチャンってのも、それに若干関係してるのか(笑)。
村崎 しかもこいつ、隠れキリシタンっていうか、正確には潜伏キリシタンらしいんだな。なんでもこいつの家は元々そういう家系で、佐世保の沖合いには「黒島」っていう「クロス」がなまった、小野不由美の伝奇小説に出てきそうな名前(笑)の隠れキリシタンが密集していた島があって、今でも住民のほとんどはカトリック信徒なんだと。そういう地域で育ったからには、相当ヤバいキリスト教電波を四六時中浴びていたと思うんだわ〜。
唐沢 キリスト教徒のくせに、悪魔崇拝ってのもよく分からん話だが(笑)。だから“乱射事件”という報道のされ方に反して、実際は最初から計算してやった犯罪だってことだよね。
村崎 確かにとばっちりで子供が怪我したことなんかも含めると“乱射事件”なのかもしれんけど、基本的には計画的犯罪として見ていいだろう。殺された水泳インストラクターの倉本舞衣(この倉木麻衣のパチモンみたいな名前もスゲエよな)さんの付き合い始めた恋人って人がこのときプールの中にいたらしくて、助けられなかったことへのトラウマで、いわゆる“サバイバーズ・ギルト”(生き残ったことへの罪悪感)に苛まれているらしい。
唐沢 助けようたって無理な話なんだから、自分が助かったことを素直に喜ぶべきだと思うけどね。
村崎 むしろこれをネタに飲み屋で「昔、恋人を狂人に殺害されましてね……」って背中に哀愁を漂わせながら語れば、同情して付き合ってくれる女はゴマンと出てくると思うぞ(笑)。残りの人生はモテモテで一生女に困らないことが決まったようなもんで、こりゃラッキーだね。しかし、現場はすさまじくて、何度も撃たれたもんだから、脇腹なんかなくなっていたらしいよ。親友を撃ち殺した場面を見ていた目撃者の話によれば、連続して撃ったら心臓が破裂したみたいにドバッと血が吹きだして凄かったんだとさ。至近距離から撃った散弾銃の弾丸って相当な威力らしいから。
唐沢 それを2700発も所持していたってのは、最初からこういう目的で使うつもりだったのかもね。だから前から警察も怪しいとにらんでいたんだけど、強制捜査にも踏み切らなかったのは怠慢だって批判も出ているよね。
村崎 でも、事件が起きる前にそれをやったら、人権侵害だとか言う奴が絶対出てくるよな。
唐沢 アキバで職質されたぐらいで大騒ぎするような現状だとね、絶対人権を持ち出してくる奴は出てくると思う。確かに銃を持っているってのは、お上の言うとおりにはならないぞという意思表示にもなるからね。かといって銃所持をそのままにしておくと今回みたいな事件が起きるわけだし、警察もツライところだと思うよ。
村崎 どうせ警察なんて、何やったって世間から叩かれる存在なんだし、事件が起きなきゃ動けないんだからさ。それで「このままじゃアメリカと同じ銃社会になるから規制しろ、それができない警察はバカ」なんてのは、モノの道理が全くわからんアホの言い草だよな。
唐沢 今回の事件で誰が悪いのかって話じゃないもんね。悪いのはホントに犯人だけだよ。
村崎 でも、銃社会云々とは関係なくこれがアメリカ的な事件だと思うのは、やっぱりキリスト教文化圏内でよく起こりそうなことなんだよな、自分が求める愛が成就されないのなら、相手を殺して自分も死んじまおうってのは。
唐沢 キリスト教って善悪がきっちり分かれすぎているから、善の方向で見込みがないと思ったら、悪に走るしか道がなくなる。悪魔崇拝なんてのもキリスト信仰と表裏一体だったりするでしょ。神に見捨てられたと思い込んだら、悪魔にすがるしかなくなるんだ。
村崎 それだけ善悪はっきりしすぎだから、悪の側に堕ちてしまったキリスト教圏の悪人ってのはやることがエグイじゃん。また、そういう世界にいる人間ってのは、そういう悪性の電波が取り憑きやすいんだよな。そこはクリアにわかるよ、なぜならオレも常にこういう呼びかけをしてくる悪性電波をアタマの中で受信してるから(笑)。そんなのいちいち信じてらんねえんだけど、慣れない奴がはっきりした声で聞いたら信じるかもしれないな。
唐沢 各宗教ごとに悪霊に取り憑かれるって考え方はあるけど、三大宗教中で悪魔にいちばん取り憑かれやすいのはキリスト教信者だっていうからね。悪魔を極端に恐れるあまり、逆に悪魔を呼び寄せてしまうっていうか。
村崎 もう「隠れキリシタン・スペシャル」って感じだよな。コイツの場合、三十八歳にもなってニートで、親からカネたかって遊んで暮らして人生に希望も何にもなかったみたいだから、よけい悪魔にとり憑かれやすかったんだな。しかも今回殺された親友ってのに周囲からたびたび比べられていて、殺された親友の人は真面目に家業を継いで家庭も養っている、実直な人間だったらしい。馬込とは釣り仲間だったらしいんだけど、馬込の方は高価な釣り道具を持ってるわりにヘボでロクに魚を釣れなかったんだって。
唐沢 「その分、射撃の腕はスゴイぞ」ってイバりたかった結果が、今回の事件なのかな(笑)。
村崎 とにかくね、この事件は銃社会云々はあんまり関係なくて、むしろ幼い頃から信仰していたキリスト教の中に致命的な欠陥と原因があるんじゃないかと、オレはそう理解してるよ。
唐沢 アメリカ銃社会を問題にする際にも、そこの問題を抜かして語ると大きな片手落ちになる。キリスト教と銃社会って、実はものすごく深くパラレルな関係にあるからね。いつかハルマゲドンがやってくる、ということを前提としている限りはね。
村崎 しかもコイツの洗礼名は「ミカエル」っていうんだと。「ミカエル」って旧約聖書のなかでは、剣を持って悪魔と最前線で戦う神の戦士で、四大天使のなかではいちばん血生臭い天使だよな。要するに“最も悪魔に近い天使”(笑)。そんな洗礼名をつけられたら、これはもうやるっきゃねえだろ! そういう意味でも、たった2人でも、親友と愛する人を殺して自分も死ぬってのは、ひとつの美学を感じるね。
唐沢 そこだけ日本的っていえば日本的だけどね。キリスト教だと、人を殺せば自分は地獄行きだからもう、未来永劫一緒になれないわけで、自分に振り向いてくれない女を殺すのは単なる恨みだが、日本の場合には、今生では愛しあえない仲でも、ひょっとして来世では、みたいな先行きへの希望がある。これが日本が心中王国である理由なんだが、今回の場合はたまたまデバイスが銃だったっていうだけで、殺す決心をした時点で銃だろうが刃物だろうが、こいつはやっていたと思うよ。
村崎 それで死んでも、『ベルセルク』みたいに輪廻転生の世界に入って生まれ変わると思っていたかもしれないよ。ああいう善悪二元論な宗教の、そのまた亜流の「潜伏キリシタン」の末裔だから、そういう妄想が取り憑き易かったと考えるのが自然だろうな。
唐沢 それ、もはやクリスチャンでも何でもないよ(笑)。
村崎 つーか、むしろコイツ、まじでサタニストだったんじゃねえかって気もするよな(笑)。だいたいキリスト教に絶望した奴がその反動で良いサタニストになるんだよ(笑)。東スポ情報だと、高校時代にイジメられたとき、ブツブツ変な呪文を唱えていたとかいうしな。とにかく「銃社会」って切り口じゃ、この事件の真相は見えてこない。アホなマスコミも銃規制唱えている暇があったら、ちっとは宗教学の勉強でもしてみろってこった。
唐沢 前からの持論なんだけど、“政教分離”って制度はね、一般国民が生きる糧としての宗教を大して重んじてない、という原則の下でこそ、無難に政治を行うための規則足り得るんであって、これでなんかの拍子に、国民の三分の一くらい信者にしちゃう(まあ、創価学会は表向きそんなこと言ってるが)カルト宗教が出てこようもんなら、まるきり押さえがそこで効かなくなるんだ。やはり、ここは無難な国教ってものを制定して、靖国だろうとイワシの頭だろうと、天皇から総理大臣まで、それを信奉するのがオーソドックスな形であって、別に弾圧はしないが他の宗教は制度上は邪宗、という風にしておいた方が何かと今後安心だよ。こう何でもアリになっちゃうと、どんな非常識な宗教が出てこないとも限らない。科学が進めば進むほど、実は神様にたよらないといけないことが増えていく、ということにそろそろ気付いた方がいいってことだわな。
★7 佐世保スポーツジム乱射事件
長崎県佐世保市名切町のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で男が散弾銃を乱射し2人を射殺、子供を含む6人に重軽傷を負わせて逃走した事件で、佐世保署捜査本部は12月15日、同スポーツクラブの会員で同市船越町、無職、馬込政義容疑者(37)の犯行と断定。行方を追っていたが同日早朝、自宅近くの教会敷地内で血を流して死んでいる迷彩服姿の馬込容疑者を見つけた。遺体のそばには散弾銃1丁があり、自殺を図ったとみられる。捜査本部は殺人の疑いで、馬込容疑者を被疑者死亡のまま書類送検する方針。
関係者によると、馬込容疑者と、射殺された漁具製造業、藤本勇司さん(36)=佐世保市鹿子前町=とは時々会っており、前日にも馬込容疑者が藤本さんの自宅を訪れていた。
事件当日も馬込容疑者が藤本さんをスポーツクラブに誘い、馬込容疑者に撃たれたという。馬込容疑者は藤本さんのほかに知人2人も事件当夜にスポーツクラブに来るよう誘っていた。捜査本部は、藤本さんら3人との間に犯行動機となるトラブルがなかったか捜査している。
捜査本部は乱射事件後、同市内の銃所持登録者を調べ、散弾銃3丁と空気銃1丁の所持許可を得ている馬込容疑者が浮上した。
馬込容疑者の所在を調べていたところ、15日午前1時ごろ、事件があったスポーツクラブから南西に約5キロ離れた同市船越町の教会前の路上で、乱射現場で目撃された逃走車の特徴と酷似した馬込容疑者所有の白いワゴン車を発見。4時間後、車内からは散弾銃2丁と空気銃1丁、迷彩服が見つかった。
その後の午前5時44分、教会方向から発砲音がした。教会周辺には100人を超える警察官が集まり、近隣の道路を通行規制。犯人の立てこもりを想定し、県警は建物の前に警察車両でバリケードを張り、捜査員らが突入の瞬間を待ち構えた。
降着状態はしばらく続いたが、午前7時35分、捜査員が教会敷地内で大量の血を流して死んでいる馬込容疑者を見つけた。首の付近に銃で撃った跡があった。同教会には馬込容疑者の母親が熱心に通っていたという。
捜査本部や関係者によると、馬込容疑者は死亡した藤本さんと小学、中学と長崎県立の高校を通じて同級生だった。また、事件現場のスポーツクラブに今年6月入会し、約80回利用しており、事件の約5時間前の14日午後1時50分ごろにも、同クラブに入館した記録が残っていた。もう一人の死亡者の水泳インストラクター、倉本舞衣さん(26)とも面識があった可能性がある。
事件は14日午後7時すぎに発生、馬込容疑者はスポーツクラブの玄関から侵入し、ロビーやプール、事務室で十数発を発射。倉本さんと藤本さんを殺害、9〜48歳の6人にけがをさせた。↓ 馬込容疑者は、迷彩柄の上下の服を着てシルバーグレーのダウンジャケットを羽織り、白いフルフェースのヘルメットをかぶっていた。
(産経新聞12月15日の記事より引用)