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2007年07月13日
会社で働かなくても生きて行ける〜建築デザイン思想
ジョン・トッド著「バイオシェルター」工作舎・・を巡って
1980年代、政党、労働組合、市民運動等様々な場所で奇妙な男を見た。
男はいつも米国の環境保護運動家ジョン・トッドのバイオシェルターを紹介していた。
男が言うには、日本の大企業はやがて安い賃金を求め中国、東南アジアに出て行き、日本国内には企業がいなくなる。
今後20年間は大量の失業者が出、自殺者が多発する時代が来ると言う。(この予想は的中した。)
米国のジョン・トッドの実験では、1軒の家に菜園を備え、主食以外の野菜を自給し、家屋の建設には様々な工夫と夏涼しく冬暖かい通風の仕組みを取り入れ、
出来るだけエネルギーを使わずに生活するシステムが考案されている。
(ジョン・トッド著「バイオシェルター」工作舎参照)
屋根の上3分の2程度を太陽電池で被い電力を自給し生ゴミをメタン発酵させ燃料とし、エネルギー自給システムを作る。
太陽電池生産過程での公害等、未解決の問題はあるものの、実験は相当程度成功していた。
男は、トッドの実験をさらに超えて、この分野では最先端を走っていた足利工業大学のシステム技術研究所の詳細な設計図とデータを持っていた。
家屋があり食料とエネルギーが自給出来れば失業する事は恐怖ではなくなる。
過労死する程企業に尽くす必要もなくなる。
日本では、年間75万戸の家が新築される。(多い年では100万戸になる。)
日本の人口1億3000万人を1世帯3人で割ると4300万世帯になる。
年間75万戸の新築住宅数で割ると、1軒の家屋が57年間使用されている事になる。
通常の木造住宅が30年程度の耐用年数とすると、57年という数字は耐用年数の過ぎた危険な家屋に住む人間達が多数存在する事を示している。
これは防災の観点からも極めて危険である。
この57年を通常の30年という耐用年数に縮めると、年間の新築住宅数は現在の2倍になる。
住宅用資材の生産も含め住宅着工数が2倍になると、GDPを 2〜3%上昇させる効果がある。
この住宅産業で大量に発生する失業者を吸収する。
日本企業が海外に出て行ってしまっても大量失業時代は来ない。
しかも30年経過すると、最初の1年目に建設した家屋の建て替えで再び同量の新しい需要が出る。
需要は永久サイクルとなり、そのサイクルに合わせ国内林業、建築資材産業の生産、設備投資サイクルを構築する事になる。(91年のバブル崩壊を予想し、こうした経済政策を準備した政治家、経済学者は1人もいなかった。毎年3万人の自殺者、働く者の3割以上がアルバイトという現在の事態は、こうした無策の結果である)。
しかも新築する住宅は、ジョン・トッドの考案するタイプの住宅にし、食料、エネルギー自給を行い失業しても生活に困らないシステムを作る。
農薬と化学肥料を使用しない菜園で、化学肥料と農薬を大量使用した輸入農産物を排除した生活を行う。国民病となったガン患者は大幅に減少し、医療費が大幅に減少する。
全国レベルで食料、エネルギーの自給体制を作り、食料安全保障、エネルギー安全保障体制を確立する。
米国に逆らうとエネルギー、食料の輸出を止められ日本は完全に崩壊する=米国の要求する政策を全て飲み、米軍を日本に常に駐留させるという政策を日本が採用する必要は無くなる。
米国が日本を支配する際の食料、エネルギー輸出停止という「切札」を封殺できる。
この住宅の食料、エネルギーの自給システムは通貨に依存していないため、日本政府の財政赤字から通貨暴落、金融恐慌=国家破産が起きても全国民が平然と生き延びる事が出来る。
1980年代、バブルの絶頂に向かおうとする日本で、政党、労働組合、市民運動等、この男の意見に耳を傾ける者はいなかった。
日本に見切りを付けたのか男はやがて姿を消した。
トッドの実験は20年前のものであり、現在では技術的な改良の余地は相当あるかも知れない。
しかし自給体制を個人レベルではなく社会全体を被う社会政策、 経済政策として展開した所に意義があった。
またバイオエタノールのように、とうもろこし原料であっても海藻原料であっても、新エネルギー生産を大企業の手に委ね、経済という基本分野において自治と民主主義を放棄し、大企業への「隷属」、権力への礼拝を受け入れるものでは無かった。
住宅建設資材は全て地域の地場産業、零細企業により生産され、地域通貨で流通させる事が可能なものであった。
posted by Sirius at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
http://alternativereport1.seesaa.net/archives/200707-1.html
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