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■日本の軍需・防衛利権にたかる「五匹のハエ」とは?
[副 題][Souvenir Ser.]2006年、夏のフランドル(オランダ・ベルギー)旅行の印象/Appendix3
<注1>当記事は、[2006-09-25付toxandoriaの日記/2006年、夏のフランドル(オランダ・ベルギー)旅行の印象/Appendix3、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060925]の内容を補正し、一部加筆のうえ[Souvenir Ser.]として再度UPするものです。
<注2>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071019
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【画像の解説】
【画像】仙台近郊、初秋の風景(2007年10月上旬、撮影)
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・・・これらの画像は当記事の内容と直接の関係はありません。
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【画像】アムステルダムのレストラン『五匹のハエ』(2006年8月、撮影)
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・・・一枚目は、アムステルダムで最も古くからの伝統を誇るレストラン『五匹の蝿』(De Vijff Vlieghen、http://www.thefiveflies.com/nl/index.asp?)の看板です。ここは、アムステルダムの中心部で17世紀(オランダの黄金時代=レンブラントの時代)の古い建物群が残る一角にあるレストランです。
・・・二枚目は、そのレストラン『五匹の蝿』入り口付近の風景で、この入り口は地味な裏の小路にあります。こ のレストランがある家の最初の持ち主の名が、ヤン・ヤンスゾーン・ファイフ=フライエン(Jan Jansz. Vijff =Vlieghen)であったことから名づけられたとされており、別に“衛生上の問題”がある訳ではありません。
・・・レストランの中は9つの部屋に分かれてい て、それぞれ趣の異なった17世紀の姿をそのまま残した豪奢なインテリアで飾られています。高級なオランダ料理と本場のオランダビールが楽しめます。なお、日本の ビール会社であるキリン・ビール(麒麟麦酒)が最初に技術指導を受けたのはオランダビールのマイスターからです。
・・・これは余談ですが、ベルギーのトウルネー(Tournai)で1653年に発掘されたメロヴィング朝・フランク王国の王キルデリック1世(Childeric 1/位457-481 )の墓から300個以上の金製の昆虫模型(王のマント飾り)が出土しています。この昆虫は蜜蜂(ヨーロッパ中世では王位の象徴)か蝉(しばしばハエと混同されることがある)と見なされていますが、およそこの時代の中国(六朝時代頃)では再生・不死のシンボルとして蝉の模型を墓に入れる習慣があったことを想起すると、De Vijff Vlieghenの名の起こりが興味深いものとなります。
【画像】ブルージュとブラッセルの風景(2006年8月、撮影)
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・・・一枚目(再掲載)は、偶然に撮ることができたブルージュの美しい夕景です。四枚目(再掲載)は、今まで雲がかかっていた空が一気に晴れ上がった時のブラッセルの風景です。
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●いま、我が国では下の『二つの報道』に見られるとおり、軍需・防衛利権関連のスキャンダルが漸く表舞台へ浮上してきました。しかし、この二つの事件は氷山の一角に過ぎないと見るべきであり、しかも、これらの事件には<共通の土壌>があると見なすべきです。その共通の土壌の遠景には、「対テロ特措法」に基づく米軍艦船等への給油を目的とする海上自衛隊艦船が、実はペルシア湾のバーレーンに寄航しており、ブッシュ政権の石油利権構造に組み込まれる形で、米大手石油会社・シェブロン系列のバーレーン製油所から海上給油用の軽油を調達してきたという驚くべき疑惑(情報源=週間朝日(10/19号)・記事)が浮上していることを見据えるべきかも知れません。
『防衛省の守屋・前事務次官が在職中に受注業者の元専務とゴルフをしていた疑惑の詳細が判明』、情報源=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007101901000552.htmlほか
『大手コンサルタント会社、パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI)の遺棄化学兵器処理事業を巡る特別背任事件』、情報源=http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071019-00000014-maip-sociほか
●因みに、我が国の軍需・防衛利権のルートを「五匹のハエ」に喩えるならば以下のとおりに分類することが可能と思われます。
(1)防衛族・議員1(日米利権の太いパイプ役を自負する奥深く腹黒い国際派のハエ)
(2)防衛族・議員2(やはり腹黒い存在ながら、もっぱら国内利権に専従するハエ)
(3)防衛汚職“軍人”(背広を着ているが事実上の軍人であり、いわば偽装シビリアン・コントロールのハエ)・・・渦中の守屋・前事務次官は、ここに位置する。
(4)軍需専門商社(別名・死の商人のレーベルを持つハエ)
(5)専門コンサルタント会社(ODE等の軍需=民需グレー・ゾーンに群がる、やはり死の商人のレーベルを持つハエ)
●このような<共通の土壌>がもたらされる背景を歴史的に見ると、まず「第1期グローバル市場経済の時代」(18世紀・19世紀〜第一次世界大戦までの間に進んだグローバル経済の時代/資本主義を冷静に見ていたケインズは、このような着眼を示している)が、軍事費拡大の国際的な制御の失敗によって、第一次世界大戦に帰着したことが思い出されます。たまたま、この時代のヨーロッパではドイツで先進的な民主主義思想の発達が見られました(=「経済による平和の実現」と「適切な資本主義の管理・コントロール」が意識されていた)が、残念ながら、これによる資本主義の管理とコントロールは失敗しました。
●そして、再び我われは、“テロとの戦い”の大義名分の下でまるでリバイアサンのように暴走する、グローバル市場経済へ傾斜した資本主義の前で立ち往生し途方に暮れています。例えば、アメリカのサブプライムローン問題から始まった世界の金融・証券市場の動揺(同時連鎖的な暴落)は、現時点では容易に収まる気配がありません。収まるどころか、今日、現在に至っても、サブプライム問題の余波は中東情勢悪化などの要因と複雑に絡み合って不穏な兆しを投げかけてきます。
●謂わば、これは複雑な証券化の手法(違法性スレスレの)による不良債権発生のツケ回し(人為的な金融バブル演出)の問題であり、何処で、誰が、どんなババを掴まされるかという疑心暗鬼の空気が連鎖的に垣根を越えて広がっている訳です。同じようなレベルの問題は実体経済の分野でも深く潜行し、時折、それが臨界点で突発的に顕在化するという形で世界中に不気味な影を落しています。見方により、これは一種の市場原理主義のバブル的暴走がもたらすモラルハザード現象と看做すことができます。
●直近の事例では、耐震偽装事件、コムスン事件に見られるような偽装製品・偽装サービス等の販売・提供の非常に悪質なモラルハザードの事例があり、あるいはミートホープ(偽装食肉)事件など、消費者を決定的に欺くこの類の事例は枚挙の暇がないほどです。その中で最も深刻なものが、アメリカを筆頭とする世界的な軍事費の拡大競争が戦争を誘うという意味での“死のバブルの増殖”という訳です。そして、この“死のバブルの増殖”はグローバリズム経済と連動した<戦争の民営化の深化>という形で一般の経済活動の中へ浸透する形で我われの身近な所へ迫りつつあります。
●つまり、わが国における直近の防衛省を巡る一連の不自然な動き(=テロ特措法延長への強引なバイアス、防衛庁→防衛省昇格、久間・防衛相の“しょうがない発言”、与党政治家の日本核武装論、次官人事を巡る同・防衛相周辺のドタバタ劇、あるいは元・ヒゲ隊長の「駆けつけ警護」発言、云々・・・)の背後には、この“死のバブルの増殖”がもたらす「防衛省利権」(武器等軍需品、石油・核エネルギー資源、医薬品・食料品などに関わる)の熾烈な争奪戦が、言い換えれば「わが国における“戦争の民営化”の深化と経済市場における防衛関連産業の裾野の広がり」に伴う“防衛省利権”をめぐるドス黒い闘争と談合などの主導権争いが繰り広げられているということです。
●つい最近(安倍の美しい国が自壊する)まで、そこからは不穏で不気味な黒煙が立ち昇っていたはずです。しかも、憲法9条を巡る改憲論議(←「戦後レジームからの脱却」と「美しい国の実現」への必須ステップ)に関連するかのように、メジャーな財界人の一角からは、まるで18〜19世紀の砲艦外交の時代へ先祖返りしたような「経済戦線を勝ち抜くための自衛隊による護衛活動を視野に入れた9条放棄論」が出てくるという始末でした。
●しかしながら、福田政権になってもコトの本質は何も変わっていません。このままでは再び「第1期グローバル市場経済の時代」の帰結として第一次世界大戦へ向かった悲劇的な大戦争勃発への流れの繰り返しとなる可能性があります。従って、今こそ、良識ある政治家・学者等の責任ある人々は、「モデラート資本主義による平和の実現」(平和経済論)を可能とする理論を、一般国民に対して、もっと熱心に分かりやすく説明すべきだと思います。そこで、押さえるべきキーワードは、人口爆発問題、格差問題(富の偏在と分配)、食糧問題、資源問題、投機バブルの制御、モラルハザード、地球環境、民営化の限界と政府・官の役割の再定義、経済制度論(環境リスクコミュニケーション論からの再検討)等々です。
●このような観点からすれば、わが国における「右派VS左派」の対立ドグマを煽るだけのマンネリ化した政治意識が、いかに不毛であるかが分かります。そして、不毛な「国会劇場」の陰で密かに嘲笑うのは、ひたすら増殖するばかりの“死のバブル”(=過剰な新自由主義思想への傾斜により、市場経済の中へ深く浸透し巨大化しつつある軍需・防衛利権周辺の闇の広がり)です。そして、これを後押しするのが「福田首相もその一人である寄生政治家の蔓延り」という<日本独特の政治現象>です。挙句には“テロ特措法の延長に反対する日本国民はテロリストだ!”という発言をする与党政治家が現れる始末となっています。
●一方、2007.10.8にイギリスのシンクタンク、オックスフォード・リサーチ・グループがドロ沼化する一方のイラク戦争、アフガン戦争についてレポートを発表(10/7)したことが報じられています(出典:2007.10.9付、ロンドン発・共同通信)。それは、世界規模でのテロ封じ込めで成果をあげるには米軍主導の多国籍軍がイラクから即時撤退することが必要だとしています。そして、米国の対テロ戦争が却ってテロ支援者を増やす結果となっているので、戦略を根本から練り直しつつイランとシリアを巻き込んだ集中的な外交努力が必要であると主張しています。今や、世界では、このような見方が過半を占めつつあることが現実だと見なすべき時です。
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