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□新訳「カラマーゾフの兄弟」異例のベストセラー 混沌の時代、生きるヒント [産経新聞]
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新訳「カラマーゾフの兄弟」異例のベストセラー 混沌の時代、生きるヒント
8月22日16時38分配信 産経新聞
■男女の愛憎、幼児虐待、テロ…現代に通じるテーマ
ロシアの文豪、ドストエフスキーの名著「カラマーゾフの兄弟」の新訳本が26万部を突破し、古典文学としては異例のベストセラーとなっている。最終巻が出版された7月にはインターネットの文芸本ランキングで4週間連続のベスト10入り。旧訳本も相乗効果で売り上げを伸ばす。ミステリーとしてのおもしろさはもちろん、男女の愛憎や幼児虐待、テロリズムなど現代にも通じるテーマが、混とんとした時代を生きる現代人の心をとらえているようだ。
≪26万部突破≫
「カラマーゾフの兄弟」は、1880年に出版されたドストエフスキー最後の長編小説。新訳は東京外国語大学教授の亀山郁夫氏が担当し、光文社古典新訳文庫から昨年9月、第1巻が出版された。
新訳は全5巻。同社によると、これまでに計26万5000部を達成。同社翻訳出版編集部の川端博さんは「古典文学としては異例の売り上げ。増刷も決まり、30万部は固い」と期待を寄せる。
最終巻が出版された7月中旬以降、インターネット通販「アマゾン」の文芸本ランキングで4週連続のベスト10入りを果たす人気ぶり。アマゾン広報も「古典文学のランク入りは珍しい」と話す。
≪東大教授も推薦≫
世界文学の傑作のひとつと評される同著。日本でも、これまでに数多くの翻訳が出されているが、現在、市販されているのは、光文社の新訳のほかに、岩波文庫(米川正夫氏訳)と新潮文庫(原卓也氏訳)がある。
新潮社営業部の河井嘉史さんは「光文社の新訳が出版される前から、ブームの兆しはあった」と話す。
新潮社は、東京大学教授が新入生に読ませたい小説ナンバーワンに同著が選ばれているという東大出版会の月刊誌「UP」のアンケートに着目。芥川賞作家の金原ひとみさんが「上巻を読むのに4カ月。中、下巻はほぼ3日で読み終えた」と紹介した新聞書評にも目をつけ、昨年6月、文庫本の帯を作成したところ、これまでに、上、中、下巻合わせて約13万1000部と、爆発的に売り上げを伸ばしたという。
河井さんは「帯と新訳本の相乗効果かもしれない」と話す。
≪なぜ今なのか≫
なぜ今、「カラマーゾフの兄弟」なのか。
光文社の川端さんは「亀山氏の新訳がリズムと勢いがあって読みやすく、若いころに読んで挫折した団塊の世代が読み直しているとともに、巧みな仕掛けがちりばめられたミステリーとしてのおもしろさが若い人に受けている」と指摘。そのうえで「19世紀末に書かれた作品だが、扱うテーマが、男女の愛憎、幼児虐待、テロリズム、父子・兄弟関係や貧困、宗教、国家など、現代にも十分通じている」と分析する。
新訳を手がけた亀山氏も「この作品には運命とは何か、暴力とは何かという抽象的なことを、生々しく自分のこととして経験させる吸引力がある。運命を描くことで人間の存在の小ささを、また罪を描くことで人間の存在の大きさを表現している。人間の残酷さを直視して作品を書いたドストエフスキーの問題意識には現代性がある」と話している。
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最終更新:8月22日20時7分
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