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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070819k0000m040118000c.html から転載。
大阪城:持ち主は誰? 天守閣未登記、土地は「陸軍省」
観光客でにぎわう“大阪の顔”の持ち主はいったい誰−−。大阪城(大阪市中央区)について、法務局で登記簿謄本を申請したところ、天守閣は建物として登記されておらず、土地の所有者がなんと「陸軍省」であることが分かった。1931年に市民の手で再建された大阪城。持ち主がなぜ陸軍省なのか、謎を追いかけた。【久木田照子】
所在地は、中央区大阪城1番1などで、法務局の図面には、天守閣の形が描かれている。土地登記簿を見ると、内堀の中は約57万平方メートルの広さで、所有権に関しては、「明治41(1908)年4月8日」に受け付けたことが明記され、所有者は「陸軍省」だった。天守閣の建物登記簿を探したが見つからない。法務局の窓口担当者も「変ですねえ」と困惑気味だ。
鉄筋コンクリート8階建ての天守閣内部は歴史博物館になっており、大阪市の外郭団体が運営している。市に問い合わせると、建物の所有者は市で、土地は国から借りているという。では、なぜ天守閣は建物として未登記なのか。
市は「誰かに売買される恐れがないので問題ない」との見解だ。学校などでも登記していないケースがあるという。これについて法務省は「不動産登記法は、民間の取引の安全を図るのが目的。市の建物は市自身が管理し、固定資産税も非課税。登記しなくても違法ではない」と説明する。
だが土地所有者として、「陸軍省」が今も残る理由は定かではない。一帯には戦時中、旧日本陸軍の兵器工場で東洋一の規模を誇った大阪砲兵工廠(こうしょう)があり、天守閣近くには陸軍第4師団の司令部も存在した。
1960年の不動産登記法改正で土地・建物の登記事務を一元化した際、「国や地方自治体の土地・建物には当分の間適用しない」との付則がつき、旧来の内容を書き換えるチャンスを逃したらしい。04年の法改正で「当分の間」との表現がなくなり、そのまま現在に至ったとみられる。
法務省の担当者は「違法ではなく修正義務があるわけではないが、修正しなくてもいいというわけでもない」と漏らした。
大阪城は、1583年に羽柴(豊臣)秀吉が築城に着手。1665年に落雷による火災で天守閣は焼失したが、1931年に市民の寄付金で再建された。
毎日新聞 2007年8月18日 23時39分 (最終更新時間 8月18日 23時49分)
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