★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ50 > 307.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.janjan.jp/culture/0707/0707118836/1.php
「効果のないものにハマッテいるほうが安全!」に爆笑〜ニセ科学フォーラム2007
江口征男2007/07/12
『ニセ科学フォーラム2007』が7月7日、東京目白の学習院中・高等部で催された(13:00〜18:10)。昨年を大幅に上回る約230人が参加してほぼ満席。ネット上のみの告知にもかかわらず、開催3週間前に申し込みは定員を越えた。
テーマと講演者 司会:田崎晴明/学習院大学
1. 21世紀はニセ科学の世紀? /小波秀雄
2. スピリチュアル・ニューエイジ・ニセ科学 /菊池誠
3. 「水商売ウォッチング」の現場から /天羽優子
4. 米国のニセ科学の様子と理科教育の「探求」 /土佐幸子
5. 理科教育と科学リテラシーからの提言 /左巻健男
6. 全体討論
テーマ毎に、会場での発表と配布資料から、筆者が重要と思ったキーワードを抜粋して挙げる。リンクは筆者の責任でおこなった。
【1. 21世紀はニセ科学の世紀? 小波秀雄/京都女子大学】
マイナスイオン。血液型性格決定説。デトックス。波動。右脳ブーム。スピリチュアル。ネット上で誰でも発信→誰でも宣伝。怪しいものに無数の「よいしょサイト」発生で他を圧倒。(第三者の検証を経ずに)拡張される口コミ的伝達(Mixiやブログ)。日本会議の推薦図書にニセ科学(「水からの伝言」等)。インテリジェントデザインと統一教会。右派政治の台頭と教育関係者の動き。「社会性、非科学的合理性に背を向けたエコロジー思想」もヤバイ。「気持ちよいことはエコロジー」という情緒。「ソトコト」に登場するニセ科学、代替医療。風水。ホメオパシー。執拗にマイナスイオンドライヤーを売る大企業→マイナスイオン言説を維持強化する役割は大問題。マイナスイオンの迷信化。七田真・右脳教育(超能力を教育で開発)
こなみ日記
マイナスイオン
マイナスイオン(ウィキペディア)
【2. スピリチュアル・ニューエイジ・ニセ科学 菊池誠/大阪大学】
ニセ科学の定義:科学であるかのように装っているが、実は科学とは言えないもの。オーム真理教以降、テレビのオカルト番組は自粛されていたのに、「オーラの泉」が深夜からゴールデンタイムに進出とは!スピリチュアルを好むのは“スバリ言われたい”人たち。オーラ、前世という説明原理。江原啓之・細木数子=かつての織田無道・宜保愛子?「捏造」問題の矮小化。ニューエイジと代替医療の親和性。ホメオパシー。量子力学の波動とは無関係で、科学的にはまったく無意味な「波動」。あやしい民間療法。ゲルマニウム健康商品。「買ってはいけない」的なもの。船井幸雄が後押しした「脳内革命」、「波動」、「EM菌」、「百匹目のサル」。
kikukog
ニセ科学関連文書
血液型と性格
七田式教育は、やっぱりまずいので
LOHASな生活は金がかかる
【3. 「水商売ウォッチング」の現場から 天羽優子/山形大学】
水商売ウォッチング。健康にいい?水のクラスター。遠赤外線で活性化。無意味な水の遠赤外線処理。還元水。間違った情報の流通。活性水素という概念は不要。一度広まると消えない。間違った理論で説明される装置は、販売する企業にとっても危険(磁気活水器)。損害賠償請求事件。信じたがる脳。信じる方が楽。科学はなぜ必要か? 研究者がやっていること。立証責任は新規なことを主張する側に。NatureMedicine正しい読み方。科学の役割。
水商売ウォッチング
健康情報を評価するフローチャート
「マイナスイオンウォーター、お茶大を訴える」の件
【4. 米国のニセ科学の様子と理科教育の「探求」 土佐幸子/ボストン科学博物館】
アメリカにはびこるニセ科学。創造科学。セラピューティックタッチ。星座占い。ダイエットピル。Negative Ions。ゲルマニウム、クラスターウォーターの英語サイトもある。製品の効能とは別(無関係)の効能についての研究を宣伝に引用。
ボストン科学博物館
【5. 理科教育と科学リテラシーからの提言 左巻健男/同志社女子大学】
「ニセ科学」への関心が増大。教育界にまでニセ科学が侵入。バカな教師と信じない子ども。だまされる背景。メディアの問題。ニセ科学は誰を狙うか。船井幸雄のマーケティング理論。だまされないための基本は「知は力」。FBI超能力捜査官。垂れ流すテレビ。テレビのインチキを見破る『超能力番組を10倍楽しむ本』。真面目な小中校教師がどんどん辞める。知識格差の拡大傾向。科学リテラシーレベルの低い日本。
さまき隊的科学と環境と仕事と遊び
『水はなんにも知らないよ』(左巻健男著 ディスカヴァー・トゥエンティワン )
『超能力番組を10倍楽しむ本』(山本弘著 楽工社)
【6. 全体討論】
マイナスイオンドライヤーを売る大企業所属の研究者の当惑発言(ツライ立場)に、笑と同情。救い?
20年前からの「ゆとり教育」で「理科工作」授業がなくなってしまった。寺脇批判。
「60万円もする浄水器のモトを取ろうと、飲み過ぎて体調不調に」(爆笑)
「(ニセ科学批判に)科学哲学者は必要だが、ヘンな科学哲学者ではかえってまずい」(爆笑)
討論は盛り上がり、予定時刻を大幅にこえて18時10分に閉会した。
※タイトルの「効果のないものにハマッテいるほうが安全!」は、天羽優子さんの話しだ。
「効能をうたっている水関係商品が“ちゃんと”何かを発生しているならそれは危険。全く効能がない(=詐欺行為)なら、その方が安全」、「効果がある(と称する)商品を求めてどんどん移っていくヒトがアブナイ。(無効果な商品に)とどまっているほうが安全」という発言だ。逆説的でシニカルなコメントが大受けした。
※休憩時間に菊池さんから、「主観的な事実と客観的な事実がいかに違うか」の例として、CheckerShadow illusion(Edward H.Adelson)が紹介された。強烈な錯視である。図中のAとBは同じ明るさ!他の部分にマスクをかけてようやく確認できる。思い込みはコワイもの!
※なお、このフォーラムは(独)科学技術振興機構JSTの支援を受けている。
新聞報道:ニセ科学に関心、東京のフォーラムで参加者倍増(朝日新聞)
※倍増は大袈裟! ま、1.4倍でしょう。
(江口征男)
▲このページのTOPへ HOME > Ψ空耳の丘Ψ50掲示板
フォローアップ: