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□【カオス通信】キャプテン翼ブームはなぜ生まれた?ブームを生み出すノウハウ
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【カオス通信】キャプテン翼ブームはなぜ生まれた?ブームを生み出すノウハウ
2007年07月13日14時00分
雑誌「編集会議」8月号で「日本のブームはコミックが作る」という漫画特集が組まれていました。ブームを起こした漫画家のインタビューや、これからヒットしそうな注目作品のピックアップ、魅力的な漫画を生み出すためのノウハウなどが掲載されていて、なかなか興味深い内容になっています。今回はそんな「編集会議」の特集について書いてみます。
特集はまず、一大ブームを作ったサッカー漫画『キャプテン翼(※1)』の原作者・高橋陽一氏のインタビューからスタートします。高橋氏とサッカーの関係は、高校3年生の時にテレビで観たワールドカップ(アルゼンチン大会)に感動したのが、そもそものきっかけ。サッカーの魅力に開眼するまでは、ずっと野球少年だったそうです。後に新人漫画賞に作品を投稿する際に、他人が描かないテーマをと考えた結果が『キャプテン翼』であったんだとか。
ちなみにジャンプ連載当時、日本のサッカーを見ても面白いとは思えなかったので、翼には世界のサッカーを意識し、世界のトッププレイヤーすら凌駕する超人的なプレイをあえてさせていたとのこと。実際、翼にオーバーヘッドキックをさせた回(第4話)から、下降気味だった人気が盛り返したそうです。そしてこのことが、プロとして読者に面白さを伝える自信につながったともコメントされています。
さらに、翼というキャラクターを創造する時の試行錯誤や、日本サッカー界の成長に対する思い、今後の展望などについても語っています。作者的に『キャプテン翼』は単純に面白い漫画が描ければいいと思っていただけで、社会に影響を与えることになるとは思ってなかったそうです。「ブームは作ろうと思っても作れるものではない」という視点は、特集全体の共通テーマとして扱われています。
(※1)キャプテン翼:あまりにも有名なサッカー漫画の金字塔。主人公大空翼の活躍により、日本ではマイナースポーツだったサッカーの知名度が飛躍的に上昇したことでも知られる。最初は「週刊少年ジャンプ」に読み切り作品として掲載(1980年)。この読み切りは、第10回フレッシュジャンプ賞入選作品。高橋氏(当時19歳)のデビュー作でもある。翌年(1981年)に週刊連載がスタートした。
他にも漫画発信でブームになった例として『アイシールド21』=アメリカンフットボール、『ヒカルの碁』=囲碁、『のだめカンタービレ』=クラシック音楽、『神の雫』=ワインなどが紹介されています。
『アイシールド21』は主題がアメフトという点でかなり特殊ですが、漫画のヒットとアニメ化の相乗効果により、アメフトそのものの人気も上昇。高校生のアメフト部員数が『アイシールド21』の連載開始時(2002年)比較して、2006年は1.6倍となったというのですから、影響力は絶大といえます。
小中学生の間に囲碁ブームを起こした『ヒカルの碁』については、漫画の連載終了から4年が経過したこともあって、競技人口は減少傾向。一時の"ヒカ碁"ブームは、もはや過去のものとなってしまいましたが、囲碁業界は漫画原作を募集するなどして、新たな一手を模索している様子。囲碁ブーム再燃の策を巡らしているようです。
『のだめカンタービレ』のヒットは、クラシック関連のCDやコンサートチケットの売り上げにも貢献しています。その一方で、最近コンサート会場で演奏中物音を立てたり、拍手のタイミングを間違えたり、休憩時間に騒がしくするという弊害も目立ってきているようです(この点は特集ではスルーされています)。これはクラシック初心者の「のだめ族」が原因とされていますが、こういう事象は、新たな客層が入ってきた時には避けられないことのようにも感じます。
ブームが生み出す功罪というテーマも気になるところですが、特集では良い影響の部分に特化した内容になっています。「編集会議」は基本的に編集者向けの"売れる本の作り方を考える雑誌"なので、後ろ向きなテーマを掘り下げてもあまり意味はないので、後ろ向きなネタが気になる方は、別の本を探してみてください。
【カオス通信】キャプテン翼ブームはなぜ生まれた?ブームを生み出すノウハウ
2007年07月13日14時00分
ちなみに『デトロイト・メタル・シティ』も掲載されていましたが、あれは漫画として話題になったのは確かですが、それでヘビメタが盛り上がったという話は特に聞きません。音楽つながりでタワーレコードでのコラボイベントが開催されたりはしましたが……あくまで漫画そのものが評価されて『デトロイト・メタル・シティ』自体がブームになったという解釈が正しいように思います(誌面でも周辺ネタ的な扱いになってます)。
「これからブレイク必須のテーマ&キーワードはこれだ!」という企画も必見。個人的にはテーマ云々よりも、そこで取り上げられた作品自体の内容の方が面白く感じました(なので、以下の例にはあえて作品概要の方を書いてます)。ちなみに、インタビューが掲載された『もやしもん』以外は、漫画雑誌の編集長が自誌の注目作品を例に挙げて語る形式になっています。なんとなく宣伝臭い気もするのですが、それはそれで編集部サイドの思惑を裏読みするのも一興かと。注目作品の概要は以下の通りです。
■作者・石川雅之氏のインタビュー掲載
●『もやしもん』
作:石川雅之(講談社「イブニング」連載中)
作品概要:菌が見える特殊能力を持つ主人公の学園ドラマ。舞台は農業大学。
■「週刊少年マガジン」編集長・注目作品
●『ダイヤのA(エース)』
作:寺嶋裕二(講談社「週刊少年マガジン」連載中)
作品概要:高校野球漫画。エリート強豪校に越境留学する主人公の成長物語。
●『FAIRY TAIL(フェアリーテイル)』
作:真島ヒロ(講談社「週刊少年マガジン」連載中)
作品概要:ファンタジーもの。魔導士達がギルドに舞い込む難題を解決していく。
■「週刊少年チャンピオン」編集長・注目作品
●『クローバー』
作:平川哲弘(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載中)
作品概要:不良高校生・ハヤトの友情&ケンカストーリー。
●『ギャンブルフィッシュ』
原作:青山広美、画:山根和俊(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載中)
作品概要:高いIQが武器の主人公が「1か月で百億円を稼ぐ」ための賭け試合に挑む。
■「モーニング」編集長・注目作品
●『へうげもの』
作:山田芳裕(講談社「モーニング」連載中)
作品概要:戦国時代の武将・古田織部が愛する茶器を集めるために立身出世を目指す。
●『とりぱん』
作:とりのなん子(講談社「モーニング」連載中)
作品概要:鳥好きの作者が、家の庭に飛んでくる野鳥の様子を4コマ漫画で描く。
■「コミックチャージ」編集長・注目作品
●『神の手を持つ男』
画:本そういち(監修:福島孝徳)(角川書店「コミックチャージ」連載中)
作品概要:アメリカを拠点に活躍する実在の脳外科医のドキュメンタリー。
●『デス・スウィーパー』
作:きたがわ翔(角川書店「コミックチャージ」連載中)
作品概要:遺体専門の清掃会社で働く男とお気楽大学生が出会う。死を見つめる物語。
■「Kiss」編集長・注目作品
●『ホタルノヒカリ』
作:ひうらさとる(講談社「Kiss」連載中)
作品概要:20代で恋愛を半ば放棄した"干物女"な主人公・雨宮蛍のラブストーリー。
●『IS』
作:六花チヨ(講談社「Kiss」連載中)
作品概要:男でも女でもない、インターセクシャル(IS)な主人公のドラマを描く。
■「FEEL YOUNG」編集長・注目作品
●『うさぎドロップ』
作:宇仁田ゆみ(祥伝社「FEEL YOUNG」連載中)
作品概要:祖父の隠し子(6歳)を育てることになった30歳独身男の育児奮闘記。
●『新婚はん』
作:IKARING(祥伝社「FEEL YOUNG」連載中)
作品概要:恋愛経験豊富な妻×超奥手な夫のドタバタな日常を描くギャグ漫画。
漫画雑誌の編集の現場では、漫画でブームを起こそうという意識はあまりないというのが実態のようです。ブームを狙って作った作品は、経験上うまくいかないことが多いという実感も影響している様子。作品のテーマに関しても、特殊さやインパクト重視で選ぶのではなく、作者が本当に描きたいと思うテーマを選ぶことが大切なんだとか。商売っ気がありすぎるのはNGということなんでしょうね。
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