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鈴木嘉和 [ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』]
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投稿者 white 日時 2007 年 7 月 12 日 12:42:12: QYBiAyr6jr5Ac
 

(回答先: オレゴン州男性、風船付きの椅子で300キロ飛行 [CNN] 投稿者 white 日時 2007 年 7 月 12 日 12:35:43)

□鈴木嘉和 [ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』]

鈴木嘉和
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鈴木 嘉和(すずき よしかず)は「風船おじさん」として知られた、ピアノ調律師。

略歴
国立音楽大学を卒業後、日本楽器の契約社員となり、ピアノ調律師を営む。44歳で音楽教材販売会社を起業するも失敗。借金を返そうと、レストラン、スナック、麻雀荘などを経営するも、いずれもうまくいかず借金苦に陥る。ビニール風船26個をつけたゴンドラ(飛行船)「ファンタジー号」による太平洋横断で借金を返済すると債権者に語っていたという。

1989年に横浜市で開催された横浜博覧会にテナント出店をしたが会場内における立地が悪いこと、博覧会自体の集客が順調でないことから経営が不振となった。これに対し博覧会運営当局が対策を取らないことに抗議して同年7月30日に高さ30メートルの塔に博覧会のマスコット「ブルアちゃん」のぬいぐるみをきてよじ登り7時間立てこもった。抗議の際には出店には3000万円を要したとしていた。

この抗議の後、鈴木は独自の客寄せとしてヘリウム風船の浮力で高さ10メートルから20メートルに浮かぶ「空中散歩」を自費で博覧会会場に設置した。

1992年4月17日には、警察官の制止を聞かずに東京都府中市の多摩川河川敷からヘリウム風船で飛び立ち、東京都大田区大森西7丁目の民家に落下するという事故を起こしている。

この初飛行の後、NHKラジオ番組にゲスト出演、その際、風船による太平洋横断計画について語っている。

同年11月23日に「ファンタジー号」に乗り、太平洋横断を目指し出発したが、数日後消息不明となった(後述参照)。


家族
2000年、妻であり、国立音楽大学のピアノ科講師でピアニストの石塚由紀子による著作『風船おじさんの調律』(未来社・ISBN 4624501292)が出版された。

2003年6月に、義理の娘の石塚富美子がバイオリン奏者「fumiko」としてデビューした。


ファンタジー号事件
事件の概要
1992年11月23日午後4時すぎ鳴き砂保護を訴え、当時52歳の鈴木嘉和が、ヘリウム入りの風船を多数つけたゴンドラ「ファンタジー号」で「アメリカに、行ってきます」と言葉を残し、琵琶湖湖畔からアメリカネバダ州サンド・マウンテンをめざして出発。 翌日は携帯電話で連絡が取れたものの、2日後にSOS信号が発信され海上保安庁の捜索機が宮城県金華山沖の東約800km海上で飛行中のファンタジー号を確認したが、鈴木は、捜索機に向かって手を振りSOS信号を止めた。約3時間の監視後捜索機は追跡を打ち切ったが、以後消息不明になる。

ファンタジー号
ファンタジー号は直径6mの風船を6個、直径3mの風船を20個を装備。ゴンドラ部分は、海上に着水した時の事を考慮し、浮力の高い檜を使用。ゴンドラ外形寸法は約2m四方で深さ約1m。桶造りに関しては東京江戸川区の名人と言われてはいるものの、飛行船のゴンドラに関しては専門ではない桶職人に製作を依頼。風船のガスが徐々に抜けて浮力が落ちるため、飛行時に徐々に捨て機体の浮上を安定させる重り(バラスト)を用意していた。重りの中身は、厳寒でも凍らない焼酎を使用していた。

積載物は、酸素ボンベとマスク、1週間分の食料、緯度経度測定器、高度計、速度計、海難救助信号機、パラシュート、レーダー反射板、携帯電話、地図、成層圏の零下60度以下の気温に耐える為の防寒服、ヘルメットに紫外線防止サングラス等と本格的なものであったが、無線機は積まれていなかった。

マスメディアの反応
ファンタジー号の出発直後から、民放テレビ局のワイドショー番組では、貴乃花と宮沢りえの婚約報道とともにトップニュース扱いで毎日のように報道。「風船おじさん」のニックネームが定着するきっかけを作った。しかし、1992年12月6日以後は、後に狂言と発覚する新婚旅行先のオーストラリアで日本人妻が失踪する事件が発生して、そちらにマスメディアの関心が移ったことと、ファンタジー号自体の話題が尽きたこともあり、ファンタジー号に関する報道は沈静化した。週刊誌では、同年12月17日号の「週刊文春」が、鈴木に密着して出発時の映像も撮影していたフジテレビの姿勢を「鈴木を煽ったのではないか」と取り上げ、同時に鈴木の計画を無謀だと指摘。12月24日・31日合併号の「週刊新潮」は鈴木の過去のプライベートを明かす記事を掲載した。見出しには、週刊文春が「風船男」、週刊新潮は「風船おじさん」を使った。

その後、あの「風船おじさんはどうしているだろう」という形で今でも話題になることがある。当人には重大な危険が及んだことは十分に推測されるにも関わらず、ギャグの形でからかいの的にされている。また警察の警告にも関わらず冒険に挑戦したことから、自己責任論として片付けられている。その一方「風船おじさん」の名は、夢を追い続けた男の浪漫として語られることもある。

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