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佐藤優を使い続ける「週刊金曜日」の退廃 (片山貴夫のブログ)
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投稿者 noa 日時 2007 年 5 月 25 日 03:51:10: ITOG4MvOn4HkA
 

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佐藤優を使い続ける「週刊金曜日」の退廃(1)2007年04月15日(Sun)

『週刊金曜日』はついに対北朝鮮戦争を肯定する発言さえも許容するまでになりました。

「現行の国際法では、戦争は違法化の傾向にあるものの完全に禁止されているわけではない。北朝鮮に対するカードとして、最後には戦争もありうべしということは明らかにしておいた方がいい。金正日政権にもその覚悟はできているはずである。」(『週刊金曜日』638号、1月19日「佐藤優の飛耳長目11 六者協議と山崎氏訪朝をどう評価するか」)

 私は『週刊金曜日』に電話をし、記事の取り消しと謝罪を求めたのです。

 出てきたのは伊田氏という人でした。

 「自分は(著者)佐藤優さんの記事は7割方読んでいるし直接あって話し合ったこともある」とのこと。

 佐藤氏にかなり同調している人物のようでした。

 以下は会話の一部分です。

―――――――

「『問題を平和的に解決する算段を最後の最後まで考えることが日本の国益に貢献する』(前掲記事)と書いてあります、佐藤さんは平和的な解決を求めている人です」

――と、編集部の伊田氏は言ったのでした。

(これほど恐るべき欺瞞はありません!)

「それは佐藤優のエクスキューズにすぎません。戦争を仕掛ける側は必ず、「自国側は戦争をしたくて開戦したのではない。『問題を平和的に解決する算段を最後の最後まで考え』たが、相手国側が不誠実な対応に終始したからやむなく開戦に至ったのだ」というのです。『最後には戦争もありうべし』という佐藤優の前提だと必ずそうなるのです。」

――と、私が言うと、

伊田氏は

「それはあなたの深読みですね。」

といったのです。

「その深読みが大事なのです!」

――と、私は言って、何のために憲法9条があるのかもわかっていないこの編集部員に対し激怒しました。

―――――――

本当に恐ろしいことです。初期に小選挙区反対の論陣を張っていた貴重な『週刊金曜日』はついに失陥してしまいました。

ほかにも伊田氏は、

「佐藤氏の防諜論をあなたは全否定していますね。わたしもスパイ防止法のようなことには反対ですよ、でも、外国のスパイが日本の政治家に工作して、日本を危うい方向に持っていったら困るでしょうが!」

という趣旨の発言もしていました。

私が思うに、このままでは自称「リベラル」も
「平和主義の理想をいうのは結構だよ。でも国防意識を忘れちゃいけないよ!」
というふうに、絶対にこれからは(公然と)なります。

 「護憲」を掲げる雑誌が、朝鮮総連弾圧を煽動する人物を「国策捜査に狙われた人」(朝鮮総連弾圧こそ「国策捜査」と形容すべき)といって、あたかも体制に抑圧された被害者であるかのように言いくるめる底なしの知的腐敗(「トカゲの尻尾切」をされて政権から「干された」人物であったとしても、腐敗した体制の一部を構成していたわけで、しかも、佐藤優は思想的には、いまだに「国家の側の人間」です)。

 「あなたのメールは届いていません」と伊田氏がいうので、私は急ごしらえの糾弾文を配達証明(860円)で送ったのでした。

※参考※

「佐藤優の地球を斬る」2006年4月13日付

北朝鮮からのシグナル

「日本政府が朝鮮総連の経済活動に対し「現行法の厳格な適用」で圧力を加えたことに北朝鮮が逆ギレして悲鳴をあげたのだ。「敵の嫌がることを進んでやる」のはインテリジェンス工作の定石だ。/政府が「現行法の厳格な適用」により北朝鮮ビジネスで利益を得ている勢力を牽制(けんせい)することが拉致問題解決のための環境を整える。」

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佐藤優を使い続ける「週刊金曜日」の退廃(2)2007年04月15日(Sun)

『週刊金曜日』北村編集長より返信が来ました。

謝罪と記事取り消しの要求については全くゼロ回答です。

「北朝鮮に対するカードとして、最後には戦争もありうべしということは明らかにしておいた方がいい」(憲法9条は「武力による威嚇」も禁じている)との記事を、『週刊金曜日』が掲載したこと、それは《人間として許されないことをした(人間として倫理的に許されない一線を越えてしまった)》ことです。

だから私は、『週刊金曜日』に対し謝罪と記事取り消しの要求するのです。

北村編集長から「一般論として」世間的には正しいものとして受け入れられそうな"反論"がきました。

以下は、北村編集長からの返信メール(2007 3/5(月))の一部です。

―――――――

「まず一般論として、コラムニストの見解は本誌の見解とはイコールではありません。むろん、執筆を依頼するときは、本誌の立ち位置を考えて選考し、またそれを理解してもらったうえで行います。しかし、現実には齟齬をきたすことがでてきます。その場合、こちらの見解を押しつけたり、原稿を没にしたりといったことは絶対にいたしません。ある種の「言論統制」になってしまうからです。

 読者からコラムへの反論が寄せられることもたびたびあります。極力、投書や論争欄で掲載するようにしています。双方向の自由な「論争」が重要と考えるからです。」

「佐藤さんにコラムを依頼したのは、単なる「右派論客」とはみていないからです。実際、何回か話をしたのですが、一流の思想家です。何かと刺激を受けることも多い人物です。岩波書店の編集者や斎藤貴男さん、魚住昭さんらが懇意にしているのも、その「実力」を知ったからと推察します。

 ご指摘のあった今回の佐藤さんの見解に、私自身は賛同していません。本誌のこれまでの特集などをみていただければ、おわかりいただけると思います。ただし、先述いたしましたように、だからといって記事を削除したり、コラムニストを降りてもらうようなこともいたしません。」

―――――――

『サンデー毎日』のような商業誌や学術的な雑誌であるならば、北村編集長の「論理」も、それなりに社会的妥当性を有するといえるかもしれません。

しかし『週刊金曜日』の場合、編集委員が護憲を目的とした市民集会の講師に出かけていっているだけでなく、『週刊金曜日』自身の名で集会主催者となることさえあるのです。

《北朝鮮排外主義》に対するこちら側からの反撃が全く不十分な現在、『週刊金曜日』の行動と態度がどれだけ多くの人に躓きを与えるものか、考えてみればすぐにわかることです。

北村編集長自らが佐藤優を「一流の思想家」と呼んでいることについても、大いにひっかかるところです。「一流の思想家」とは一体どういう人のことを指すのでしょうか?非凡なほどの深い思索を為す人のこと、常人には真似出来ないほどの深い含蓄のある文章を表現できる人・・・という意味なのでしょう。そういう意味でならナチスに同伴したハイデガーも「一流の思想家」です。

岡山において私は、残念ながら(失礼をお許しください)そういった意味においては「一流の思想家」にお会いしたことは

ありませんが、行動において「一流の人物」ならば多く居られます。何よりもまず、私は佐藤優のような「一流の思想家」とは共に生きられそうにもないということです。学術的な雑誌で、佐藤優が「一流の思想家」と称賛されるのとは状況が違うのです。

『週刊金曜日』644号(2007年3月2日)の63p掲載の投書「右であれ左であれ」では、佐藤優には「誠実さ」があると評価しています。

問題は何に対し「誠実」であるかということではないでしょうか。「誠実さ」で以って評価されるのであれば、アイヒマンも「誠実」な人間です。

※参考※

「佐藤優の地球を斬る」

彼我の拉致問題

「イスラエル領内で勤務しているイスラエル人が拉致されたことは、人権侵害であるとともにイスラエルの国権侵害でもある。人権と国権が侵害された事案については、軍事行使も辞せずに対処するというイスラエル政府の方針を筆者は基本的に正しいと考える。」

佐藤優が国家権力の論理に「誠実」であるのはわかりました。そのような人間がどうして、『週刊金曜日』といっしょに、自分を「国策捜査の犠牲者」として社会に売り込むのでしょうか?

メディアは(思想的には)佐藤優のような完全に「国家の側の人間」を、西山太吉さんと同列にしてもよいのでしょうか?

公安スパイの宮崎学をさまざまな運動が一時利用していた(まだ利用しているところもある)過ちがありましたが、佐藤優を利用することは、それと(同じではないにせよ)似たような大きな誤りです。

 

日刊ベリタほか 緊急シンポジウム〜東京地裁判決を前にして「沖縄密約問題がいま、問いかけるもの」

2007年03月16日18時30分〜

18:30 基調講演「すり替えられた国家犯罪」

佐藤 優 起訴休職中外交官

19:30 シンポジウム「沖縄密約問題がいま、問いかけるもの」

西山太吉 元毎日新聞記者

岡留安則 元「噂の真相」編集長

佐藤 優 起訴休職中外交官

司会・進行

松元 剛 琉球新報記者

「こちらの見解を押しつけたり、原稿を没にしたりといったことは絶対にいたしません」と、北村編集長は言いましたが(下記のときは別の人が『週刊金曜日』編集長だったのですが)、『週刊金曜日』の歴史をふりかえるとそうでもないようです。天野恵一氏の指摘によると1997年のころから問題があったようです。

『週刊金曜日』への抗議と要請(天野恵一+貝原浩)

1996年、小林よしのりが『サピオ』で「従軍慰安婦」を否定し始め、その正体を現したとき(当時『週刊金曜日』は小林の漫画を一

時掲載していた)、その年に苫田ダム反対の市民運動の講演に呼ばれて岡山に来ていた本多勝一氏に、交流会の場で私が「あなたは『サピオ』に現れた小林の正体を知っているのですか」と指摘したことがあります。それに対し本多氏が「調べてみます」と応答をしたのを覚えています。

週刊金曜日創刊当初の「理想」はいったいどこに行ってしまったのでしょうか。

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