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春秋(5/11) 【日本経済新聞】
「醜い噂(うわさ)」という不良っぽい名のロックバンドが70年代の英国にあった。ボーカリストは自信満々だが尊大さは感じさせない男だった。かかとが高いブーツと伸ばし放題の髪が、ちょっぴりダサかったと、当時の仲間が述懐している。
▼♪オレには胸くそが悪くなる習慣がある。3時になるとお茶を飲み。夕食には肉を食う。まるまる1週間、お堅い顔して過ごすのさ……。伝統や文化に反抗的な歌詞は自作ではない。人気絶頂のローリング・ストーンズに憧(あこが)れて、懸命にまねして絶唱した。オックスフォード大学時代のトニー・ブレア首相である。
▼43歳の若さで英国の宰相に就いたブレア氏が、10年間にわたる政権に自ら幕を引く。市場万能でもない、福祉一辺倒でもない「第三の道」はどこまで工事が進んだろう。好景気の輝きとイラク戦争の闇に霞(かす)み、道の行方は漠としたまま分からずに終わりそうだ。54歳になった首相の顔が今は老けて見える。
▼明るくまじめな優等生が、灰色の反骨ロックを演じる。その2つの顔の矛盾を埋める行動力の源は、人気への渇望だったに違いない。「不人気とは指導者が払うべき信念の対価である」。外交政策への批判に応えた首相の言葉だが、恐らく本心ではあるまい。学生バンド「醜い噂」は6回の演奏で解散したという。
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20070510MS3M1000110052007.html
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