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□「女子高生作」小説、盗作と判明 電子書籍サイトが削除 [朝日新聞]
http://www.asahi.com/national/update/0416/TKY200704160194.html
「女子高生作」小説、盗作と判明 電子書籍サイトが削除
2007年04月16日15時53分
「女子高生が作者」と銘打ってインターネット書籍の販売サイトで販売された官能小説二十数作が盗作とわかり、削除される騒ぎになっている。盗作をサイトに投稿したのは女子高生ではなく男子高校生だったことも判明。執筆者の身元や中身があまりチェックされないまま、「電子作品」がネット上で流通している実態が浮かび上がった。
盗作が起きたサイトは「でじたる書房」。登録執筆者の作品を電子書籍として販売し、売り上げを執筆者とサイト側とで分けるというシステムをとっている。登録者のほとんどが素人だ。
問題の執筆者は「綾波美夏」という名前で昨年9月に執筆者に登録し、これまで官能小説二十数作を投稿、販売してきた。著者紹介欄に「女子高生3年が書いた小説です」と掲載。さらに個人サイトに女性の顔写真入りで過激な文言もあったことから、ネット上で話題を呼んでいた。
今年1月、官能小説家の安達瑶さんの元に読者から情報が寄せられ、12年前に出版された安達さんの著書と、タイトルも中身もまったく同じものがあることが判明。連絡を受けたサイト運営会社が調べた結果、綾波氏が投稿した官能小説の大半が盗作で、被害を受けた作家も約10人に及んでいたという。同社は、すべての作品を削除した。
でじたる書房は電子書籍を販売する前、登録執筆者とメールでのやりとりしかしていなかった。担当者が盗作発覚後に綾波氏あてにメールを送ったものの、連絡はつかなくなり、安達さんがネット上の足跡などをたどって居場所を突き止めた。関係者によると、綾波と名乗る人物は実際には男子高校生で、「話題を作りたくて、軽い気持ちでやってしまった」と話したという。
安達さんは「二度と著作権を侵害しない」と誓約書を書かせ、刑事告訴は見送った。数人の作家が被害にあった出版社のフランス書院は、作家らの意向を聞いている。
電子書籍はこの数年、売り上げが急増しているが、ネット上で簡単にコピーできるテキストデータで販売されているものも少なくない。男子高校生も、こうした小説をファイル交換ソフトを使って入手していたという。
ネット上の著作権問題に詳しい山下幸夫弁護士は「コピー・アンド・ペーストで簡単に盗作できるようになった今、販売する側が著者と契約書を交わすなどして、問題がないか確認する必要がある。管理があまりにずさんだと、著作権侵害の不法行為の使用者責任に問われる可能性もある」と指摘している。
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