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江戸しぐさ取り戻そう
思いやり さり気なく 行動で 人間関係希薄な現代だから
越川禮子さん福岡で講演という西日本新聞(平成19年4月3日朝刊)の記事に目が止まった。興味深かったので転載する。
江戸時代の商人たちが周囲と仲良く暮らすために築いたノウハウ「江戸しぐさ」が注目されている。
「江戸の繁盛しぐさ」などの著者で、江戸しぐさの普及に努める越川禮子さん(81)=神奈川県=が福岡市で講演し、人間関係が希薄になってきている現代こそ、江戸しぐさを取り戻すべきだと語った。講演の要旨を紹介する。(まとめ・川口安子)
「江戸しぐさ」とは、一言でいうと江戸の感性だ。江戸時代の「町衆」呼ばれる町人のリーダーたち、今でいえば経団連のような役割を持った人たちが、どうすれば商売繁盛する町にできるか考え、生みだした哲学のようなものだ。
「しぐさ」というと身体を動かす「しぐさ」を思い浮かべる人が多いかもしれないが、江戸しぐさの「しぐさ」は「思草」と書く。草とは行為そのもののこと。つまり、先ず思いがあって、それが目つきや表情、口の聞き方などの行為に瞬間的に表れる。敵意を持っていませんよと相手を慈しむようなまなざしを交わせば、争い自体をしたくなくなる。互いが気持ちよく生きられるように相手への思いやりを持ち、行為に表すのが江戸しぐさなのだ。
考え方の例をいくつか紹介しよう。当たり前のことだが、先ず約束を守ること。江戸商人の約束は口約束で、これを守っていた。約束のとき「死んだらごめん」と言うのだが、これは死なない限り約束は必ず守るという固い決意表明だ。今は軽んじられているが、口約束こそ守らなくてはならない。
見て分かることは言わない、ということも大切だ。最近は大人が平気で病気でやせた人に「やせましたね」と言ったり、「禁煙」とかいてあるところで「ここ禁煙ですか」と質問したりする。「汗かいてますね」と言う前に、黙って冷たいおしぼりを持っていくなどの先の行為をするのが江戸しぐさだ。ただし子供には、言ってはならないと自ら悟るまで、言葉の練習で見たことをどんどん言わせてよい。
他に、初対面の人に肩書きや年齢を聞かない「三(さん)脱(だつ)の教え」や、自分の立場や力量をわきまえる「結界(けっかい)の覚え」など、学ぶべき配慮は数多くある。
このような考え方がまずあって、「往来しぐさ」と呼ばれる具体的な行動の教えがある。狭い道ですれ違うとき互いに右肩を引く「肩引き」、足を踏まれたとき、踏まれた方も謝る「うかつあやまり」など、基本は相手を良い気分にさせる、ということだ。
江戸しぐさが一番教えているのは、異文化の人との付き合い方だ。赤の他人と初めて会ったとき、しぐさをきちんとすれば、争いやいじめは起こらない。最近は、バスが終点に着いたのに寝入った人がいても、誰も起こさず素通りしていく。当たり前の人間の感情から出るしぐさを、だんだんみんなが(トラブルを)怖がってしなくなってしまった。
しかし、日本には古くからこんなにいい考え方があるのだ。中学生相手に講演したとき、子供たちは「日本が江戸しぐさを完全に取り戻したとき、素晴らしい国になると思う」と、教えを全身で受け止めていた。もっと多くの人に知られるように、伝えていかねばと思う。
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