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http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200703230260.html
北朝鮮の鉄道事情を紹介した単行本『将軍様の鉄道』(新潮社)が売れている。鉄道ファンが、コツコツと収集した資料、写真などを元に「謎の国」に迫った。北朝鮮の専門家も注目している。
著者は、東京都在住のトラベルライター国分隼人さん。趣味が高じて、世界各地を鉄道で旅してきた。
国分さんによると、北朝鮮は最後の「秘境」として80年代終盤から一部の鉄道ファンに注目され始めた。00年にはファン向けに蒸気機関車のチャーター運行が始まるなど、撮影や乗車ができる機会も出来たという。国分さんも、00年以降、数回北朝鮮を訪れた。
「驚きの連続でした。東西、時代がごった煮の状態。こんな列車が今、走っているのかと」
かつて南満州鉄道を走っていたミカイ型蒸気機関車も確認できた。日本製だが、幻とされる車両だ。故金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている錦繍山(クム・スサン)記念宮殿への参拝用電車は、スイスで廃車になった車両だった。
「タイムマシンに乗ったようでもあり、鉄道ファンとしては、まるで宝箱の中にいるようでした」
最初の訪問を終えると、中国語、朝鮮語など各国語で書かれたあらゆる北朝鮮に関する鉄道資料を集め始めた。本はこれら資料や脱北者らの証言の分析、国内外の仲間の協力で集めた写真などで構成した。
写真、スケッチ、切手などを使った「鉄道車両大全」には、原色に彩られた積み木のおもちゃのような車両の数々を詳しい解説付きで紹介している。
詳細な鉄道地図も目玉の一つだ。02年に出た北朝鮮の時刻表「旅客列車時間表」を入手。「電化区間、駅名、線路幅の違いなど、機密とも思えるデータの宝庫でした」(国分さん)。戦前に朝鮮総督府が発行した時刻表や地図などと照らし合わせ、全土に及ぶ詳細な路線図を「再現」した。
この他、車窓からの映像を収録したDVDも付け、この種の書籍では異例の3刷1万3000部を発行、地道に人気を広げている。
資料の入手経路など、明らかに出来ないこともある。使い古された車両や線路の様子などの記述から厳しい現実も見えてくる。しかし、「ロシア、中国、そして近年は韓国とも再び線路はつながった。鉄道を利用して自由に旅行できる国になってほしい」。鉄道ファンとしての素朴な願いを込めて出版したという。
北朝鮮関係の研究者も注目している。新潮社によると、最近も専門家の会合で話題にされたという。
北朝鮮事情に詳しい山梨学院大学の宮塚利雄教授は「入手の難しい時刻表などの資料的価値に加え、読み物としての面白さもあり、幅広い層の関心をひく内容だろう。近年の北朝鮮本としては出色の存在だ」と話している。
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