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□米国議会が「慰安婦」問題にご執心の理由 [国際派時事コラム「商社マンに技あり!」]
http://blog.mag2.com/m/log/0000063858/
◆■■■■国際派時事コラム「商社マンに技あり!」■■■■◆
http://www.f5.dion.ne.jp/〜t-izumi/
米国議会が「慰安婦」問題にご執心の理由
■■■■■第192号■■■平成19年3月7日発行■■■■◆
慰安婦問題で、
ほんらい当事者でもない米国の議会下院が、日本に謝罪を求める
決議案を審議しつつある。
百歩譲って韓国の議会がこれをやるなら理解の余地があるが、
何でまた米国の議会が?
米国人女性の慰安婦がいたとはついぞ聞いたこともないし、
もし米国人女性を(ありえないことだが)日本軍が拉致して慰
安婦にしていたとしたら、戦後裁判で関係者は全員死刑となり、
とっくに解決済だったろう。
■ 儲けそこねた弁護士ら ■
なぜいま、慰安婦問題のためにここまで米国の議員たちが動く
のか?
まず、100%の確信をもって言えるのは「正義感から」ではな
い、ということだ。
ひょっとしたら日米を離反させようという朝鮮国、中国あたり
の工作資金が動いているのかもしれないが、
むしろコラム子が思うに、
米国の弁護士連中が、
慰安婦をネタに日本政府を相手どった訴訟を起こせるような環境
を整えようとしているのだと思う。
米国では日本軍に虐待された(とされる)捕虜への個別補償を
求める訴訟が、いっときブームだった。
米国の弁護士連中は、騒げば日本政府からカネがふんだくれる
かもしれないと、博打(ばくち)を打ったのだ。
ところが米国連邦政府が、昭和26年のサンフランシスコ平和条
約で解決済という当然の事実を再確認したから、日本政府からの
補償金は取れず、
弁護士連中は基本料金をせしめただけ。
チンジャラの世界は、見果てぬ夢となった。
■ 捲土重来(けんどちょうらい)■
そこで周りを見渡してみたら、
ありました!
カネ儲けのネタが。
元慰安婦に米国で日本政府を相手どって訴訟を起こさせ、勝訴
して日本政府から補償金をせしめられれば、弁護士は儲かる。
儲け話になるなら、やってみるのが弁護士である。
日本の議員さんは(とくに地方議員は)、
本職は土建業者だよなんて人がけっこういるのはご存知のとおり
ですが、
米国の議員さんたちはほとんど全員が「弁護士」です。
落選したらシンクタンク入り、滑り止めは弁護士稼業。
じつは米国というのは
「弁護士のために弁護士が社会制度を決める国家」
なのです。
この補助線を引くと、理解不能な出来事がすっきり理解できる
ことがあるので、覚えておいてください。
読者のなかには、
米国国籍もない韓国人やフィリピン人の元慰安婦が、なぜ米国で
訴訟を起こせるのか?
と疑問を持たれる向きもあると思いますが、
これが、できちゃうんですねぇ。
米国には50州にそれぞれ異なる州法がありますからね。
そのなかで自分の主張に見合った州法を探して、これぞという
州で訴訟を起こせばよいのです。
勝訴しても、日本にある資産の差押えはできませんが、米国に
ある資産の差押えは、やればできる(かも)。
(ここでまた弁護士の活躍の場が……!)
■ 勝訴するには、日本政府からもう一声の謝罪がほしい ■
おそらく米国の弁護士たちは、慰安婦訴訟で勝訴して日本政府
から補償金を せしめられるようにするにはどうずればよいか、
悪知恵をめぐらしたはずです。
ところが「まずい」ことに、日本政府から補償金をとりたてら
れるような犯罪的行為の証拠がないことなんですね。
だって、日本軍による「慰安婦にする女性の拉致」なんて事象
は1件も見つかっていないわけですから。
証拠不十分のなかで裁判に勝つには、被告側(日本政府)に四
の五の言わずに頭(こうべ)を垂れてもらうしかないわけです。
そこで、平成5年のいわゆる河野洋平官房長官の談話でもって、
勝訴の材料にできるか検討したわけですが、
あの談話は曖昧模糊としていて(だから安倍政権でさえ踏襲する
と言っているわけですが)補償金を分捕るための材料としては今
ひとつなのですなぁ。
しかも既に古い!
日本政府に対して、いま新たな訴訟を起こそうとするなら、河
野洋平談話以上の新たな謝罪を日本政府から言明してもらう必要
がある。
それさえあれば、
「お聞きなさい。日本政府がようやく謝罪しました。
これはサンフランシスコ平和条約では手つかずの問題でした。
だからこそ、わざわざ日本政府が今になって正式に謝罪したので
すよ。
ですから、補償金の問題も一から議論する必要があるのです」
と論理展開ができる。
だから、弁護士連中の都合としては、どうしても新しい形の、
一歩踏み込んだ新たな謝罪を日本政府から引き出すことが欠かせ
ないわけです。
■ 突っ込みどころ満載 ■
日本政府が新たな謝罪をすれば、それをベースにカリフォルニ
ア州あたりで新たな州法を作り、元慰安婦が日本政府を相手どっ
て訴訟を起こせる環境を作れるわけです。
そうなれば米国人の弁護士は儲かるし、訴訟の進展で否応なし
に日米は感情的に離反するから中国・朝鮮はウハウハです。
(だから「日米友好」のためにも、日本政府は新たな謝罪行為な
どぜったいしてはいけない。麻生さん、頼みますよ!)
3月6日の『ニューヨーク・タイムズ』紙の社説は
No Comfort(「慰安なし」)
と題して、虚偽に満ちた、読むにたえない議論を展開しています。
「日本軍は強制的な女性狩りを行って、女性を強姦しつくすため
の施設をつくったのだ」という、突っ込みどころ満載の主張で始
まるのですが、
まぁ この新聞のバカ正直なこと。
最終段落にホンネが集約されています。
以下、訳文とコラム子の突っ込み。
コラムの最後に、この最終段落の英文原文もかかげておきます。
≪1993年の声明(泉注:「河野談話」のこと)は、うやむやにす
るのではなく、もっと詳しく踏み込むべきだ。
日本の国会は率直な謝罪を行い、存命中の犠牲者たち(泉注:元
慰安婦のこと)に対して公的資金による惜しみない補償金を供す
るべきである。≫
そぉら、出てきたでしょ。
「公的資金による惜しみない補償金」が目当てなのですよ。
もちろん、そのかなりの部分が米国の弁護士の実入りになりま
す。
■ 第一歩 ■
≪いまや日本の政治家たちに、それもまずミスター安倍を筆頭に、
認識してもらいたいことがある。
恥辱に満ちた過去を克服するための第一歩は、それをはっきり認
めることなのだと。≫
「過去を克服する」とは、きわめて韓国人好みの言い方ですなぁ。
そんな発想、英語にあったのかねぇ。
『ニューヨーク・タイムズ』はいつから韓国紙になったの?
安倍首相が頭(こうべ)を垂れるとしても、それはただの
第一歩。
そのあとには「公的資金による潤沢な補償金」を求める訴訟の
山が待っているのであります。
世界に向けてじつに分かりやすく楽屋裏(がくやうら)の事情
を語ってくれた『ニューヨーク・タイムズ』紙でした。
それにしても何と罪深い社説!
日本側の動きについて言えば、安倍首相はコメントを控え、自
民党の国会議員こそが日本代表としての発言をおこない、メディ
アに乗せるべき。
だって、米国側も動いているのは「立法府+(中国・韓国ペー
スの)メディア」であって、行政府ではない。
日本側が先走って、行政府の長(安倍首相)が応戦に回っては
いけない。
■ 将来を見据えた課題 ■
安倍首相のすべきことは、河野談話の撤回を視野に置きつつ、
日本および米国の(および中国、ロシアにあるところの)歴史文
書を分析し、デマ情報をそぎ落としつつ、戦争中の日本軍・日本
勢の動向を一日単位で把握するデータベースを整えることです。
日本は独裁国家ではないのだから、
官房長官談話を首相の個人的見解で撤回させることはできない。
撤回には、膨大な官僚の人知の投入が先行せねばなりません。
それを、はじめることです。
『ニューヨーク・タイムズ』社説の最終段落、英文原文を掲げ
ます。
a frank apology(率直な謝罪)
generous official compensation(公的資金による惜しみない
補償金)
the first step(第1歩)
などがキーワードです。
The 1993 statement needs to be expanded upon, not whittled
down. Parliament should issue a frank apology and provide
generous official compensation to the surviving victims.
It is time for Japan's politicians -- starting with Mr. Abe
-- to recognize that the first step toward overcoming a
shameful past is acknowledging it.
===
▲ 後記 ▼
いやぁ、優等生はつらいですなぁ。
戦後61年余り、いい子にしてきたのに、この調子。
隣りの中国など、さる1月12日に深刻な宇宙ゴミ事件を起こし
てもオトボケ。
今日ただいまの姿に、環境問題、農民搾取問題、チベット支配
をはじめ、大問題がてんこ盛りで、
文化大革命問題はおろか天安門事件さえ、議論のまな板からずり
落ちてしまっている。
わたしが米国の弁護士軍団にお奨めしたいのは、
文化大革命の被害者が中国共産党に対して賠償請求訴訟を米国で
起こせるような州法を続々と立法することです。
文化大革命の被害者のうち相当の数の中国人が米国国籍を取っ
ているはずですから、慰安婦問題よりよほど似つかわしい。
もちろん中国は、それを阻止するためにカネをばら撒きます。
米国の弁護士集団(=政治家軍団)は、まずそこで儲かります。
それでも立法してしまえば、米国のそこここで巨額の補償金を
求める訴訟がはじまります。
またここで弁護士は儲かります。
中国共産党は、裁判に敗けても1ドルも払わないでしょうが、
米国の弁護士軍団は中国共産党がさまざまな名義で海外にもって
いる資産を差し押さえです。
さぁ、そうなると中国は米国国債を一気に売りにきますかな。
==
<泉 幸男 著>
『中国人に会う前に読もう 第一線商社マンの目』
『日本の本領(そこぢから) 国際派商社マンの辛口メモ』
通 信 販 売 も 受 付 中
http://homepage2.nifty.com/sai/mart/
==
■主宰 泉 幸男(いずみ・ゆきお)
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