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安保利権追及第4弾「財団“転がし”ビジネスの実態 投稿者:名無し 投稿日: 2月15日(木)18時30分56秒
休眠財団を舞台に奇怪な事件
株券6億円の引き出しで工作
(社会新報2005年12月21日号より転載)
(リード)
国防族議員集団の事務局長が財団法人への「乗っ取り」疑惑など、怪しげな事件に深く関与していたことが、このほど東京高裁の公判資料などから明らかになった。憲法が禁じる集団的自衛権行使を声高に訴える議員集団の裏方を仕切る人物の、もう一つの顔に迫った。(田中みのる記者)
(本文)
石破茂・元防衛庁長官(自民党衆院議員)と前原誠司・民主党代表が笑みを浮かべながら、米軍需企業大手・ロッキードマーチン社のスタッフから憲法9条2項の禁じる集団的自衛権行使に踏み切ることが想定されるMD(ミサイル防衛)システムに関する説明を受けていた。
11月10日午後3時ごろ、東京・千代田区の憲政記念館で開かれた第6回日米安全保障戦略会議でのことだ。
戦略会議を主催したのは、自民、公明、民主各党の議員でつくる国防族議員集団「安全保障議員協議会」や(社)中央政策研究所、(社)日米文化振興会(名称変更後は、国際平和戦略研究所)の安全保障研究所、米国タカ派のシンクタンク「ヘリテージ財団」の4団体。
戦略会議の開催場所がよりによって「憲政記念館」。同館は衆議院の管理下にあり、日本の憲法と議会制民主主義を象徴する施設で、かつて軍国主義に反対し、法相なども務めた“憲政の父”尾崎行雄氏のゆかりの場所でもある。
〓異様な“兵器商戦”も
同館の別会場でレイセオンやボーイング、ロッキードマーチンなどの米国巨大軍需企業がミサイルPAC3の模型などを紹介する展示会を設け“MD商戦”を行なったのだから憲政への重大なる挑戦とも言えないだろうか。
戦略会議の会場では、安保議員協のメンバーである武部勤・自民党幹事長が「米軍再編がスムーズに進むよう党としても全力を挙げてバックアップする」とボルテージを上げると、民主党の前原代表が「日米の軍事技術交流を活性化させるため、日本の機密保持の法体制を整えなければならない」と呼応した。2大政党がこぞって憲法9条2項を平然と踏みつけ、日米同盟の強化とインテリジェンス(諜報)機能の再編に向けて決意を表明するという寒々とした光景がそこにはあった。
本稿では、この安保戦略会議の主催団体の一つである安保議員協の裏方を仕切る人物の驚くべき過去に焦点を当てながら国防族議員集団の危うさについて指摘したい。
その人物とは、秋山直紀・安保議員協事務局長(日米文化振興会安保研究所所長)である。秋山氏といえば『小説吉田学校』の著者・故戸川猪佐武氏の秘書を経て今は亡き元日商岩井副社長・海部八郎氏らなど日米の政官界に幅広い人脈を持ち、永田町では知る人ぞ知る黒子だ。
同氏には“財団法人乗っ取り”疑惑と約6億円の“株券詐取”疑惑事件に深く関与していたことが、東京高裁の公判資料などで明らかになった。事件の舞台となった財団とは日本福祉教育奨学財団、そして、詐取疑惑の対象となった株券はモスフードサービス41万株だ。
事件の概略を振り返ると、モスバーガーのチェーン店を展開しているモスフードサービス(櫻田厚社長、以下モス社)は、創業社長だった櫻田慧氏が97年に急逝し、慧氏の妻・優子氏や長男・健氏らがモス社株200万株を含む約100億円を超える莫大(ばくだい)な資産を相続した。相続税(推計41億円)対策に頭を痛めていた健氏が98年3月、同財団の比企野隆理事長(旧姓・邊見)と出会った。
〓「寄付は免税」と誘う
同財団は「介護福祉士として老人介護の道を志す学生又は生徒に対する奨学金の貸与」を目的に掲げ、文部省(現・文部科学省)の所管で91年に設立された。しかし、基本財産5億4000万円の消失によって96年6月ごろから奨学金が給付できないという状態に陥っていた。
比企野理事長は、櫻田氏に対して「株券を財団に寄付したことにすれば免税の対象になる」との誘い話を持ちかけ、健氏に対して理事に就き、財団を支援するよう求めた。
健氏は、この話に乗り、同氏を含めて親族など数人が98年8月30日に理事に就任。ほどなくして比企野氏は、健氏に対し「基本財産を補てんしないと、文部省から解散命令を出されてしまう」という趣旨の話をしたため、健氏はモス株券41万株(当時の評価額で約6億円)を財団に寄付することを承諾し、99年4月28日、野村證券に設けた財団の口座に株券を預けた。
健氏としては株券預け入れは、あくまでも「(同省に対して)基本財産が補てんされたとの外観を装うため」(地裁判決文)の措置であり、まさか売却して現金化するということは念頭になかった、という。
ところが同年5月11日、比企野氏らが株券を現金化するため、野村證券に株券の引き出しを再三にわたって要求した。さらに同氏は、(社)日米文化振興会理事の秋山氏を同行し、同振興会の口座へ移管するよう求めた。「移管に応じないならば、金融監督庁に苦情を申し立てる」(東京高裁判決文)と迫った。この時期の直後に安保議員協が発足(同年6月)し、秋山氏が国際外交研究所から安保議員協の事務局担当へ就任した。
移管を拒む野村證券に対し、比企野氏は99年8月5日、財団を原告、野村を被告とした株券引き渡しを求める民事訴訟〔平成11(ワ)17458号〕を提訴した。一審・二審判決ともに財団側の請求を「理由がない」として棄却した。株券引き出しの企ては当然のことながら失敗した。
安保研で秋山氏の右腕として働く邊見秀子氏は、比企野氏の3女で、株券引き出しで組んだはずの比企野・秋山両氏が次第に仲間割れを起こす。02年8月、秋山氏と「20年来の付き合い」と自称する清川銀浩氏が取締役を務める大星商事は、財団に対して貸与した(大星側の主張)とする8000万円の返却を求める訴訟[東京地裁平成14年(ワ)第15229号]も提訴したが、二審高裁判決では逆転して大星側の主張を退けた。
〓8千万契約書偽造か
東京高裁判決文の冒頭には次のように記されている。
「秋山直紀及び被控訴人(大星商事)のオーナーである清川銀浩が共謀して、秋山が手元に保管していた控訴人(比企野)の理事長印を利用して本件契約書を偽造し、本件訴訟により勝訴判決を得た上で、控訴人が係争中のモス株券を差し押さえ、取得しようとするもの」。
高裁は、控訴人の主張をあえて判決文冒頭に掲げた上で、秋山・清川両氏の主張には「裏付けとなるべき関係書証に多くの疑問」があり、「信用することはできない」と結論づけた。つまり、高裁は、8000万円の金銭貸借契約書(写真)が偽造されたのではないか、としている。
同判決文によれば、秋山氏は「野村證券の副社長をよく知っているので聞いてみる。櫻田に株を返す必要はない。自分に任せれば全部、財団のものにして見せる」(比企野氏証言の要旨)と力説し、比企野氏から株券預り証と理事長の実印を預かり、秋山氏事務所の金庫に納めてしまった。この実印を使って「多くの疑問」がある契約書を作成した。
さらに、財団乗っ取り疑惑も露見した。2000年6月7日付で財団理事10人のうち、比企野理事長や櫻田健氏と、その関係者を含む7人の理事の名前が登記簿から消された。
そして、秋山氏の知人である岡昌信、青木一信、新宅慶治(アドバック・インターナショナル日本支社長)らの各氏、そして、米国在住の外国人4人が新理事として登記された。登記は、評議委員会で選出されたものではなく、文部省(当時)高等教育局の担当官が「きちんとした手続きを取るよう」に行政指導した。比企野氏は、各理事あてに秋山氏を批判する暴露文書(2000年2月15日付)を出している。その中で「秋山氏は、弊財団そのものを乗っ取るとしか考えられません」とも主張した。
秋山氏本人に事件についてただしてみると、「答える必要は何もない。2度と電話をしてくるな」と、けんもほろろの対応だった。財団は、奨学金を支払えなくなってから間もなく10年を迎えようとしているが、いまだに同省所管法人として存在している。
公益法人問題に詳しいジャーナリストの堤和馬さんは“財団転がし”が放置されてきた事情について、次のように指摘した。「奨学金の支払いができなくなった時点で所管官庁の文部科学省は解散命令を出すべきだった。しかし一度認可した法人を取り消すことは省のメンツやOBの天下り問題などもあり、よほどのことがないとできない。そうした役所の体質を熟知した上で事件に及んだのではないか」。
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