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三島由紀夫「鏡子の家」とオールビー「動物園物語」
三島由紀夫の小説「鏡子の家」のラストシーンは強烈なイメージである。
寺山修司の映画ではエレベーターの扉が開くと、そこは恐山。
ドアをけると、そこは海の怒涛の波。
寺山修司映画のごとく、「鏡子の家」はイメージあふれるラストシーンである。
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玄関の扉があいた。ついでに客間のドアが、おそろしい勢いで開け放たれた。
その勢いにおどろいて、思わず鏡子はドアのほうへ振向いた。
七疋(ひき)のシェパアドとグレートデンが、一度きに鎖を解かれて、ドアから
一せいに駈け入って来た。あたりは犬の咆哮(ほうこう)にとどろき、ひろい客間は
たちまち犬の匂いに充たされた。
三島由紀夫「鏡子の家」
1958年3月17日 起稿
1959年6月29日 脱稿
------------------三島由紀夫34歳のとき書き下ろし単行本として
新潮社から、1959年の9月に、上下2巻同時に発行される。
エドワード・オールビー「動物園物語」は、「30歳になる自分自身のために」
1958年の2月に起稿、3月に脱稿。
初演は1959年9月28日、ベルリン・シラー劇場のスタジオで、不条理演劇
ベケットの芝居と一緒に公演を迎える。
三島由紀夫「鏡子の家」とオールビー「動物園物語」には
世界同時性がある。
「鏡子の家」清一郎と藤子の散歩。ニューヨーク、セントラル・パーク。公園のシーン。
「動物園物語」ジェリーとピーターによる「劇的狂気」の場所こそ
悲しき巨人、世界一の都市、ニューヨークの公園、セントラル・パークだった。
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