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(回答先: オールビー「動物園物語」稽古ノート (5) 投稿者 愚民党 日時 2007 年 1 月 16 日 03:00:57)
これまでの公民館での稽古場は3月まで押さえていたのだが
すべて、キャンセルしてきた。
新たな公共施設をさがしてきた。今度は社交ダンスをする公共施設では
ないので、奥様方の会話や音にじゃまされず、集中できるだろう。
テキストの分析。
演劇にとってテキストとは上演台本のことである。
俳優と演出家はその台本から、おのれが発見したサブテキストを産みだす。
テキストの裏側に没入していくのが俳優である。
80番目のジュリーのセルフが
ジュリーによる14ページにわたる長大なモノローグ「ジェリーと犬の物語」となる。
その前にジェリーは79回
ピーターに「質問、からかい、挑発、自分の話」を、している。
セリフにおける投企、行為的起動、ジェリーの活動量は貨幣に還元されない。
ジェリーが本を読んでいるピーターの前にきたセントラル・パーク公園は市場ではない。
ジェリーはすでに動物園で人類市場の壮絶な現実を発見し、絶望する人間として
「ゾーン」にやってきた。その「ゾーン」とは、セントラル・パーク公園。
ジェリーは79回の「質問、からかい、挑発、自分の話」によって
ピーターを「ゲーム的世界」に誘惑していく。
ジェリーの80回目のセリフ「ジェリーと犬の物語」の前に
すでにピーターはジェリーが仕組んだゲームにはまっている。
相手をいかにはまらせるか、これがゲーム資本主義の掟である。
ジェリーは世界をゲームに仕掛けるアメリカ的ゲーム資本主義者の典型でもあろう。
アメリカ的ゲーム資本主義者は仕掛け陰謀によって、世界をゲームに没入させる。
そして演劇とは陰謀である。
俳優の呪術は、日本と異なり、世界をゲームによって覆し、現実を捻じ曲げるものとなる。
アメリカの俳優の呪術は、観客を再度、現実へと帰還させる。
日本の俳優の呪術は、現実のなかにある孔を現出させ、そこに時間と空間を流出させる
ことにある。現実の裏側にある抒情、幻想を拡張させていく。
幻想を日本の俳優は信じているが、アメリカの俳優が信じているのは現実である。
オールビー「動物園物語」は論理的に計算された演劇台本だ。
その論理構築を解体することから、サブテキストは出発する。
オールビー「動物園物語」稽古ノート (6)
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