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英国の沖合に位置し、40年前に独立を宣言した「シーランド公国」が売りに出されていることが8日、分かった。バスケットボールコートよりやや広い世界最小の「国家」だが、世界で承認国が1つもない“なんちゃって国家”。価格は日本円にして約148億円とも報じられており、公国の伯爵の称号を持つタレントの西川きよし(60)=写真=もビックリ?
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あなたも「国家」が買える!? 世界最小の「国家」がセール中だ。
シーランド公国は、英東部の港町ハリッジから約11キロ(7カイリ)の沖合に位置する「国家」。国土に相当する約550平方メートルの甲板をコンクリートの円柱2本で支えている。統計では人口4人だが、14人の「政府職員」が存在するとか。
もともとは第2次大戦中の1941年、英軍がドイツの攻撃に備えて海上要塞として建設。66年にパディ・ロイ・ベイツ元英陸軍少佐が勝手に移り住み、公国が終戦時の英国領海の3カイリ以上の公海上にあることを根拠に、67年に「独立」を宣言した。家族で世襲王室を構成しロイ氏自らが大公、妻が大公妃に。それから40年がたち“亡国の危機”に直面した。
8日付の英紙は公国の売り出しを報道。デーリー・テレグラフ紙によると、スペインの代理店を通じて6500万ポンド(約148億円)で売り出したとか。売りに出した理由について、ロイ氏の息子で「王子」のマイケル氏(54)はタイムズ紙に「この島を40年も所有し、父親も85歳になった。おそらく活力のようなものを与えるときだろう」と話した。
危機はこれまで何度もあった。「独立」宣言後、英政府は直ちに海軍を派遣したが、公国側は警告射撃で“迎撃”。英国での裁判で「英国法の管轄外」と下され、英政府は静観することになったが、公国を独立国家として承認した国はなく国際的には認められていないのが現状だ。
78年にはオランダとドイツのグループが公国を襲って占拠、マイケル氏を人質にする事件も発生。しかし奪還作戦に成功し、犯人を戦争捕虜に。昨年6月には老朽化した発電機から火災が発生するなど災難にも見舞われたが、その都度乗り越えてきた。
マイケル氏らは「視界を遮るものもなく、眺める海は絶景。プライバシーも完全に保証されている」とPR、租税回避地であることから投資家が関心を寄せることに期待しているという。
★昨年火災で財政大打撃
シーランド公国では憲法、国旗、旅券、切手もあり、貨幣も発行(1シーランドドル=1米ドル)。英国の港町から高速ボードで約30分という身近な「海外旅行」だったが、ウインチで海面からつり上げるという入国手段のため観光客は増えなかった。
昨年の火災後に圧迫した財政を立て直そうと、公国は日本円にして9000円でネット販売していた伯爵の称号を半額の4500円にする“出血セール”を開始。昨年11月にフジテレビ系「ザ・ベストハウス123」の番組内で西川きよしが購入し「こんなんでなれるの? よきにはからえ」などとすっかり伯爵気分だった。世界中でネタとして購入した者も数知れないが、財政の足しになったかどうかは不明だ。
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これが世界最小「国家」のシーランド公国(AP)
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