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□罪の上に浮かぶ国 [どん底あるいは青い鳥。]
http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-154.html
2006/12/20
罪の上に浮かぶ国
最近のニュースでは、法務省の司法改革タウンミーティングの話がおもしろかった。「やらせ」とか「官製討論演出」とかいうやつである。
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「限られた時間で制度を周知したいと、国民の疑問点の最大公約数を想定したQアンドAを作った。役人の仕事を全うしただけ」と法務省幹部。「罪の意識は、ない」(引用元)。
http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200612150400.html
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確かに、そうしたシナリオがあって「しゃんしゃん」と無事に会合を終わらせることのできる役人こそが有能であって、ぶっつけ本番でミーティング全体が妙な方向に行きでもしたら、担当者は無能と罵られるだけだろう。
日本人はハプニングに弱い。弱いのは全世界誰でもそうであろうが、ではハプニングに堪えられるよう自身を訓練しよう…というふうには決して考えないのが日本人だ。代わりに「ハプニングをなくしてしまおう」と考える。すべてを「裏」で整えて「表」の意義を空疎にする。空疎で無意味なものがどう転ぼうと心配はない。
日本人としては、そのほうが落ち着く。だからあらゆるところで同じようなことをやっている。罪の意識など生まれるわけがない。マスコミだって国会だって、みんなハプニングを避けている。なのに今回、なぜかこのタウンミーティングだけが槍玉に挙げられ、処分だの給与カットなどという話になるから不思議ではないか。
要するに日本人が「裏でやってること」は、ひとたび「表に出る」と「罪」でしかないということだろう。だがそれを「罪と見做すこと」もやはり「表」的なものにすぎず、誰もその「裏」が罪であるなどと心底信じることはない。
そういえば官製談合とか何とかで、県知事が立て続けに何人か逮捕された。あれなども本当におもしろいと思う。談合という「裏」は、表沙汰になればやはり罪なのだ。けれどもその罪はこれまでずっと、あたりまえのように続いてきた。関わってきた人々に罪の意識があった様子もない。
TM問題も談合とやらも、表沙汰にされるにはそのときどきの理由がある。実質は常に「裏」に置かれながら、理由さえあればいつでも表に引きずり出され、すかさずその罪性を突つかれる。日本という国は、裏に隠したぶよぶよの罪の上に横たわっているようなものだ。
こうした在り方が可能なのも、TM問題はTM問題、談合は談合、記者クラブは記者クラブ…とすべてを切り離して考えるからだろう。すべてに「共通する何か」を見出し、すべてにあたりまえのように適用する…といったクセを日本人は持たない。
TM問題で「やらせはダメだ」ということになっても、それによって日本中の「やらせ」が自動的に消えることはない。あくまでも「これはこれ、それはそれ」だ。「裏」を覆うものに小さな穴が開いて、少しの罪が表沙汰になったとしても、そこからズルズルとすべての罪が引き出されたりすることはない。
すべての罪をうっかり引き出したりしないがために、日本人は言葉を放棄する。言葉はどうしても概念として、すべての上に跨るからだ。
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「…だからと言って、自分が自主的に質問したわけでもない。そんな消極性が『やらせ』を後押ししたところもあるとも思う」(引用元)
http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200612150400.html
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その「消極性」こそが、この国の罪を覆い隠し、罪の上に浮かぶ国を安泰たらしめる。すべての「裏」が表沙汰になったりすることがないよう、日本人は沈黙するのだ。
▽関連記事
□司法制度改革TMで「やらせ」準備文書 [朝日新聞]
http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200612150400.html
司法制度改革TMで「やらせ」準備文書
2006年12月16日13時37分
「関係者受付」を通り、一般席に紛れた「指定席」に着席。その隣には「同行者」が付き添う――。裁判員制度などを語る司法制度改革タウンミーティング(TM)で事前に質問を振り付ける「やらせ」があった問題で、質問を依頼した人への対応を示した準備文書が明らかになった。法務省などが「官製討論」を演出した実態が浮かぶ。
04年末に東京であった初の司法制度改革TMの座席表は8色刷り。白の一般席の中で、質問順を示す数字入りの六つの「質問者」席のピンク色が特に目立つ。隣に「同行者」席。質問を頼んだ法務省関係者が座る。
質問順のチャートでは、6人の質問者の間に「本物」の一般参加者を3問はさんでいる。
質問者6人の名は法務省幹部らとともに「関係出席者リスト」に並ぶ。「受付対応」欄では、最初に関係者受付に案内。一般参加者としての名札を渡し、「指定席」に座らせるように指示されている。「※座席を確認の上、ステージに連絡」と注意も促している。
「質問者(3) 私には弁護士さんの知り合いなんかいませんし……」。想定問答集も完備した。
「限られた時間で制度を周知したいと、国民の疑問点の最大公約数を想定したQアンドAを作った。役人の仕事を全うしただけ」と法務省幹部。「罪の意識は、ない」
このTMに誘われて出席した都内の女性会社員(38)は「要領を得た質問が次々に出るもんだと感心した。確かに理解は深まったが、結局は私たちの存在も広報の道具だったのかな。だからと言って、自分が自主的に質問したわけでもない。そんな消極性が『やらせ』を後押ししたところもあるとも思う」と話した。
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