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さまよい続ける英霊…自衛隊員が語る「硫黄島」  [ZAKZAK]
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投稿者 white 日時 2006 年 12 月 19 日 17:18:34: QYBiAyr6jr5Ac
 

□さまよい続ける英霊…自衛隊員が語る「硫黄島」  [ZAKZAK]

 http://www.zakzak.co.jp/top/2006_12/t2006121916.html

さまよい続ける英霊…自衛隊員が語る「硫黄島」
 クリント・イーストウッド監督(76)の大作映画「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」の舞台となったことで注目が集まっている硫黄島。現在、海上自衛隊の航空基地があり、約350人の自衛官が常駐しているが、地下には多数の戦死者の遺骨が眠ったままだ。それだけに戦死者の霊についてのうわさが絶えない。英霊の御霊(みたま)は何を訴えかけているのだろうか。

 硫黄島は東京都の南約1200キロにある太平洋上の島。一般人の立ち入りができないためなじみは薄く、同島を巡るすさまじい攻防戦も一般には注目されてこなかった。

 東西約8キロ、南北約4キロの小さな島を舞台に、昭和20年2月16日から3月26日まで日本軍と米軍の間で戦闘が行われた。太平洋戦争後期の島々を巡る戦いの中でも、米軍地上部隊の損害が日本軍のそれを上回る有数の激戦地となった。

 米軍の戦死者は約6800人、戦傷者は約2万1900人で合わせて約2万8700人。対する日本軍の戦死者は約2万100人、生き残ったのは捕虜になった約1000人。

 米軍の戦死者は全員収容されたが、日本軍将兵の遺骨で回収されたのはこれまでに約8500柱。毎年収集作業が行われているが、今のペースでは作業終了までにあと200年はかかるといわれる一方、3年後には遺骨収集作業が打ち切られるという話もある。

 「島は全体が墓地のような所。至る所に坑道があるので、足下にも遺骨が埋まっていることになる」と島を訪れたことのある自衛隊幹部。それだけに戦死者の霊を見たという話は数多い。

 「夜も枕元や部屋の入り口に水を入れたコップをおいて寝る隊員は多い。火山性のこの島では水が貴重品で、戦闘の際も水がなくて大勢の将兵が苦しんだ。だから霊も水を求めている」(自衛隊幹部)

 霊と酒を酌み交わした、夜中に何百人もが行進する音を聞いた…という話は枚挙にいとまがない。硫黄島を離れる時、靴の溝に入り込んだ砂粒一つまで落としてから帰る隊員も多いという。

 現在島内には慰霊碑などの施設が多数あり、「研修や訓練で訪れる自衛官もほとんどが水を持参して参拝している」(海上幕僚監部)という。

 島を訪れた際には、「英霊の御霊が常にこの島には存在しているのだということを意識して勤務する」とある自衛隊高級幹部も表情を引き締めながら話す。

 多数の遺骨がまだ回収されていない最大の理由は、砲爆撃などで地形が変化したり、戦闘で坑道の入り口が塞がれたことに加え、火山性の島で坑道内が60度にもなり、ガスが発生している場所もあることだ。

 しかし、この坑道があればこそ、米軍が5日で陥落させられるとみていたのに反して、日本軍は1カ月以上も持ちこたえた。当時一般的だった海岸線で敵を迎え撃つ作戦を変更し、全長18キロにも及ぶ坑道を構築させたのは指揮官の栗林忠道中将だ。「現代の作戦から見ても合理的な戦術だ」と自衛隊高級幹部はいう。

 映画「硫黄島−」のなかで、栗林中将は最後の攻撃の直前、将兵を前に、後世の日本国民は自分たちが硫黄島で戦ったことを必ず思いだしてくれる、という内容の訓示をする。

 米国人の作った映画のこのせりふにあるように、まだ硫黄島の地下に眠る英霊に対する慰霊の心を持ち続けることことこそ、最良の供養になるのではないだろうか。 

ZAKZAK 2006/12/19


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