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オランダ、南ア、韓国の政府機関がODFを採用へ
競合するOpen XMLにとって頼みの綱はISO承認
(2007年11月27日)
米国Microsoftの文書フォーマット「Office Open XML(OOXML)」が、いまだにISOの承認を得られずにいる中、オランダ、南ア(南アフリカ)、韓国の3カ国が競合フォーマットである「ODF(OpenDocument Format)」の採用を推し進めている。
ワシントンのロビー活動団体「ODF Alliance」によると、オランダの中央省庁および州の政府機関は、来年4月からODFのサポートを追加するという。また、ほかの政府機関も2008年12月までにはODFのサポートを開始する予定だ。
オランダ・エネルギー通信省のザンダー・ルイター(Sander Ruiter)氏は、10月下旬にベルリンで開催された「International ODF User Workshop」において、ODFサポート計画の詳細を明らかにした。
なお、ODFは2006年に、ISOからオープン・スタンダートとして承認されている。
南アはガイドラインを策定
同ワークショップでは、南ア政府技術省のCIO、アスラム・ラフィー(Aslam Raffee)氏も講演を行い、同国は政府機関と国民の間で文書をやり取りする際の公式規格としてODFを採用するアフリカ初の国になると述べた。
ODF Allianceのマリノ・マーシッチ(Marino Marcich)代表によると、南アの最新規格である「Minimum Interoperability Standards v4.1」は、オープン・スタンダードを明確に定義しているとともに、ISOのODFを盛り込んでいるという。今後、南アの政府機関はITの調達にあたり、必ずこのガイドラインに従うことになる。「南アの決定を大変うれしく思っている」(Marcich氏)
また韓国では数カ月前に、技術標準局が同国の標準としてODFを承認した。Marcich氏は、同局の決定は各政府機関にODFの使用を義務づけるものではないとしつつも、政府の役人がどの文書フォーマットをサポートするかを決める際にODFが「重要な目安」になると指摘する。
現在、ODF Allianceは500のメンバーを擁する。このうち、MicrosoftのOfficeフォーマットではなく、ODFを推奨する法律や規則を発表している国は、すでに13カ国に上るという。
この13カ国には、ロシア、マレーシア、日本、フランス、ベルギー、クロアチア、デンマーク、ドイツ、ノルウェーが含まれる。
米国民主党の大統領候補、バラック・オバマ(Barack Obama)氏は、先週米国Googleで講演した際、「普遍的にアクセスできるフォーマットでデータを保存するのが望ましい」と発言したが、米国内ではまだそうした動きは見られない。
Microsoftの相互運用性/標準規格担当ゼネラル・マネジャー、トム・ロバートソン(Tom Robertson)氏は、Computerworld米国版の取材に対し、「Open XMLは数十億に及ぶ既存文書やその先進技術と互換性を有している。そのため、多くの政府や組織は、引き続きOpen XMLを支持すると確信している。ユーザーと組織はデータをさまざまな方法で利用しており、自分たちのニーズに最も適したファイル・フォーマットを選択できることが重要だ」と語った。
Microsoftとしては、Open XMLがISOからオープン・スタンダードとして承認されるのを待つしかなさそうだ。もし承認されれば、各国政府がMicrosoft OfficeからOpenOfficeなどの業務ソフトウェアに乗り換えるのを阻止できる可能性が高まるからだ。
ODFに最も積極的な国はフランス
ODFとそのネーティブ・オフィス・スイートであるOpenOfficeを最も強力に推進している国はフランスだ。同国ではすでに50万人近くの政府職員がOpenOffieに乗り換えているという。
ただし、フランスのようにMicrosoft Officeに完全に見切りをつけようとしている国はごく少数だ。ベルギー政府の場合、Microsoft OfficeでODFファイルを読み込んだり保存したりできるよう、プラグインを使用している。
ベルギーと同じプラグインは、米国の政府機関としては初めてODFに移行したマサチューセッツ州でも使われている。
この流れの一方で、ODFの支持団体として有名だった「Open Document Foundation」(これも略称はODF)は今年10月下旬、突然ODFの支持を取り止めた(関連記事)。今後は「Compound Document Format(CDF)」というもっと将来性の高い汎用フォーマットを支持するとの声明を発表している。
ODF AllianceのMarcich氏は、「彼らが離脱してもODF AllianceやODFの採用に一切影響はない。CDFはW3Cのフォーマットであり、ODFとは特徴も目標も異なるまったくの別物だ」と語った。
http://www.computerworld.jp/news/sw/88669.html