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ブット元首相狙い自爆テロ、133人死亡
【カラチ(パキスタン南部)=佐藤昌宏】パキスタン最大都市カラチの中心部で19日午前0時(日本時間同日午前4時)ごろ、ベナジル・ブット元首相(54)を乗せた車列のそばで2度の爆発があり、民放テレビ「ジオ」によると、付近にいた少なくとも133人が死亡、500人以上が負傷した。
元首相は無事だった。
事実上の亡命生活を送っていたブット氏は18日、約8年半ぶりに帰国したばかりで、同氏を狙ったイスラム過激派による自爆テロとみられる。
ブット氏は首相在任中の汚職罪などで訴追され、拘束を逃れてロンドンなどで亡命生活を送っていた。パキスタンでは最も世俗的な政治家の1人とされ、アフガニスタンとの国境沿いを拠点とする国際テロ組織アル・カーイダ掃討のため、米軍のパキスタン領内空爆を認める発言をするなど、イスラム過激派を挑発する言動を繰り返していた。
ブット氏は、イスラム過激派の取り締まりを強化しているムシャラフ大統領と「政権の共同運営」で大筋合意し、帰国を果たしたことから、今回の爆弾テロはムシャラフ政権に対する揺さぶりの可能性が高い。アル・カーイダと関係の深いパキスタン国内のイスラム武装勢力は、ブット氏に対し、「帰国すれば自爆テロ攻撃を仕掛ける」と犯行予告を出していた。
このため、ブット氏は帰国に際し、遠隔操作爆弾に対処するための電子妨害機器や防弾車両を持ち込んだほか、テロへの不安も口にしていた。パキスタン政府は約2万人の警備体制を敷いていた。
ブット氏は事件発生時、自ら総裁を務めるパキスタン人民党(PPP)幹部らとともにトラックの荷台に乗り込み、カラチ国際空港を出発。市中心部にある独立の父モハメド・アリ・ジンナー初代総督の廟(びょう)で予定されていた集会に参加するため、ゆっくりと行進していた。
爆弾テロは、ブット氏の車を先導していた警察車両の近くで起きた。沿道は、人民党が国内各地から動員した数万人の党活動家や支持者で埋め尽くされ、交通はマヒ状態だった。
(2007年10月19日11時8分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071019it02.htm