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2007年09月22日
対北朝鮮政策はどうなるのか?
明日は自民党総裁選ですが、その前に福田氏擁立に動いた山崎氏が『予言』と称し、「来年の今頃までには北朝鮮と国交正常化している」と述べたことが、非常に気懸かりに感じられます。北朝鮮との太いパイプをもつ山崎氏ですし、意見が北朝鮮よりになることはある程度想定できますが、国交正常化までを持ち出すと、更なる何らかの密約もそこに含まれているのかどうか、です。
米国は親中路線に傾斜し、対北に関してもかなり融和策を打ち出しています。今月中に六カ国協議が開催されれば、重油5万tの支援を約束するなど条件達成と支援がワンセットとなり、その一つ一つの道程にご褒美が付加されています。米大統領の引退までに北朝鮮問題に何らかの道筋をつける、それが現在の米国の対北戦略だからです。
一方で、北朝鮮のシリアへの核技術の供与、核開発支援の話が持ち上がり、米国でも対北政策でこのまま緩和で良いのか、という議論も沸きあがるでしょう。イラン核開発に最大限の拒否を示していたのは、イスラム勢力に核技術を握られると、今後の中東戦略が描き難くなる、そうした思惑からですが、そこに遠くアジアの北朝鮮が絡んでくるとなると、話が違ってくるからです。
フランスが対イランで最近強硬な発言を繰り返しているのは、現状の米ブッシュ大統領にもはや軍を動かす余力はなく、また英国もブラウン政権の動向がまだ不安定なところもあって、世界を裏で動かす力、とまではいえなくても、協調的に警戒を示しておかなければならない、先進国の都合が強く働いているはずです。
そこにシリアが絡み、北朝鮮と中東の核との関係で、結果的に世界戦略上の『核技術の容易な移転』という問題を、今回改めて認識された形です。世界のどこかにある技術は、やがて全ての人間が手に入れることになる。それが遅いか、早いかだけで隠しておける技術などないのですから、北朝鮮が核技術を握っている以上、そして常に経済的に困窮している以上、その技術の流出を防ぐ手立ては現状ないとも言えます。そこに先進国がどう道筋をつけるのか、非常に厳しい対応を迫られるでしょう。
そこで日本ですが、山崎氏の発言の裏に米国の動きがあると見られます。米国は大統領交代まで、北朝鮮と国交正常化交渉で何らかの妥協点を得るとの、確かな感触を掴んでいるのでしょう。日本にもそれに追随するように、米国から圧力がかかることも推測されます。
ただ今回のシリアと北朝鮮との関係により、不透明要因も高まりました。もう一つ別の北朝鮮との国交正常化のルートも日本単体、次期政権下ではあるようですが、どちらにしろ米国の今後の動きに翻弄されることは、まず間違いないのでしょうね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/