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□【社説】従来の悪慣行に風穴開ける韓国カトリック教会の決断 [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070822000046
記事入力 : 2007/08/22 12:16:14
【社説】従来の悪慣行に風穴開ける韓国カトリック教会の決断
天主教(韓国カトリック教会)のソウル大教区が2005年と2006年の収入・支出の内訳を教区の週報で発表し、今後も財政状況を公開する方針を明らかにした。これまでにもソウル大教区が内部監査を経て財務諸表を神父に公開したことはあるが、外部の専門機関に監査を委託し、その内容を一般の信者や外部に公開したのは今回が初めてだ。韓国の宗教界において財政の不透明性が大きな問題となってきただけに、今回の天主教の決断は、非常に大きな意味を持つ。
韓国では国民の53%が宗教を信仰している。宗教関係者の社会的地位が高いだけでなく、プロテスタント教会や聖堂(カトリック教会)、仏教寺院の持つ人的資源や財産の規模も非常に大きい。そうした待遇を受けている一方で、各宗教組織がどれほどの献金を受け、また何にどれくらい使っているかという部分については、ごく少数の関係者にしか明らかにされていないのが実情だ。収入や支出の内訳を公開しているソウル南山の「ノップン崇義教会」やソウル石村洞の仏光寺などの例外もあるが、大規模な宗教機関の財政状況はほとんどベールに包まれている。
こうした中、信者133万人、213の聖堂を抱え、韓国天主教の中枢を担うソウル大教区が「信者たちが献金の意味を考え、教区に関心を寄せる機会にしてくれたらと思う」とし、その台所事情を公開することを決断した。自分たちの献金がどう使われているかを知ることで、信者たちの聖堂や神父に対する信頼や愛情も一段と深まるのではなかろうか。
宗教界や社会の一角では、宗教機関の財政状況の不透明さを解決するための方策として、宗教法人法の制定を求める声も上がっている。これは米国や日本のように宗教法人を非課税とする一方で、収入や支出について当局に報告を義務づける制度だ。だが宗教界の中で今回のような自発的な動きが広がれば、そうした外部による規制は必ずしも必要ないことになる。
韓国の宗教界の特徴は、主張ばかりして聞く耳を持たないことだ。自分たちが言いたいことを言うだけで、宗教や宗教人についての外部からの注文には耳を傾けず、また聞こえないふりをしている。社会的に影響力の大きな宗教に限って、そうした傾向が強い。天主教ソウル大教区が財政状況の詳細を公開したのは、信者の意見や世間の声に耳を傾けようとしているからだ。今回の天主教の決定を突破口に、こうした動きが韓国の宗教界全体に広がっていくことを期待したい。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS