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□【コラム】トヨタと富士山 [朝鮮日報]
▽【コラム】トヨタと富士山(上)
http://www.chosunonline.com/article/20070813000053
記事入力 : 2007/08/13 17:01:33
【コラム】トヨタと富士山(上)
先週、トヨタと富士山に行ってきた。一方は経済、もう一方は自然だが、どちらも日本を代表するという点で、韓国からお客様が来ればよく案内するところだ。トヨタの工場は3度目、富士山は2度目の訪問だったが、今回トヨタには記者としてではなく、初めて一般見学者として訪れた。
そこで初めて、トヨタ見学者の相当数を外国人が占めるということを知った。平日というのに私たち一行のほか、ハーフパンツをはいた韓国の若者も来ていた。家族連れの中国人も多かった。今回訪問したのは、ハイブリッド・カー「プリウス」を生産する愛知県豊田市の堤工場。工場の職員は「見学者の約20%が外国人で、中国人・韓国人の順」と教えてくれた。
一方、富士山の登山口に到着する深夜バスにも日本語を話さない人が半分以上乗っていたと思う。闇の中を頂上まで、高さにして1500メートル登ったが、その間も外国人が多かった。公園事務所の職員は「年間登山客20万人のうち約30%が外国人で、西洋人が多い」と説明する。富士山は7・8月の2カ月間だけ登山ができる。これほど外国人が多いなら、東京で外国人の街として知られる六本木や青山をしのぐと言ってもいいだろう。
都会の六本木や青山と違い、トヨタと富士山は公共の交通機関を利用すれば東京からそれぞれ 約3時間はかかる。その上、「実際に行ってみると特に見どころがない」という共通点まである。富士山は30分ほど登ると草木もないただの地面の急斜面になる。1年のうち300日は雲に覆われおり、眺望を楽しめないことも多い。一方トヨタには膨大な設備があるが、働いている人々が特別な技術を披露するわけではない。有名な「トヨタ式生産方式」は専門家にだけ見えるのだ。「日本精神の源泉」(富士山)や「サムライ経営の粋」(トヨタ)といった華やかな修飾語は実際に行ってみたからといって分かるものではない。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽【コラム】トヨタと富士山(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070813000054
記事入力 : 2007/08/13 17:02:06
【コラム】トヨタと富士山(下)
トヨタと富士山はまた、日本人の訪問者が減り続けているという重要な共通点も持っている。出産率の低下で若年層の人口が急激に減っているためだ。自動車の需要で大きな部分を占めているのが、初めて自動車を買う若者による需要だ。海抜3776メートルの富士山も、体力のある若者が減れば閑散とする。しかし、今やこうした悩みを外国人が解決してくれている。世界の市場でトヨタ自動車を買い、日本で富士山に登る中心層が外国人へと変わりつつあるのだ。日本の製造業と観光業を支えているのは外国人という意味だ。
では、外国人がトヨタや富士山を訪れる理由は何だろうか。それは日本人自身がトヨタや富士山を「日本で最高に価値あるもの」と誇っているからではないだろうか。富士山に対する日本人の畏敬(いけい)の念は日本各地に「富士」という地名が残っていることを見るだけでも分かる。富士山がかすかに見えるだけでも「富士見」と名付け、心のより所にする。トヨタも地元ではもともと「挙母」と呼んでいたが、1959年にトヨタ自動車の名を取り豊田市に変えた。創業者の豊田喜一郎氏の銅像も、市役所の広場に建っている。こうして、メディアや学者はトヨタを「日本式経営の復活」を象徴する不可侵の領域に高めたのだ。日本人がこう考えているからこそ、外国人としてはトヨタや富士山に行かなければ日本を知ることができないと感じるのだ。
日本は「自らを愛することこそ外国人から愛される道」という生き残り術を悟っているようだ。外国人に愛される前に、自国民の愛や支持を得なければ、製造業も観光業も成り立たないという事実を知っているのだ。韓国も日本のように近い将来、人口減少時代を迎える。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS