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□中国胡錦濤政権の難題、深刻化する貧富格差問題 [大紀元]
http://jp.epochtimes.com/jp/2007/08/html/d74029.html
中国胡錦濤政権の難題、深刻化する貧富格差問題
【大紀元日本8月4日】中国当局が調和社会を構築すると宣言したが、直面している最も厳しい挑戦は、貧富の格差問題。この問題は、従来から中国社会の不安定をもたらした重要な原因となっている。様々な統計データと情報によれば、今、中国の貧困者はますます貧しくなり、金持ちはますます財を貯めている、問題は日々深刻になっている。
中国当局の機関紙「人民日報」ネットと「人民論壇」雑誌社は今年に、調査を行った。それによると、中国国内で96・5%のサラリーマンは給与水準に満足していない。73・5%の人は業界を独占する国有企業内部の給料格差が大きすぎるとみている。
ある関係者は、「業界を独占する国有企業の高層管理部幹部の給料は驚くほどの数字で、庶民の想像の限度を超えている。中国当局はその状況を阻止、相応な措置を取らないと、社会の発展には極めて不利になる、場合によっては、社会衝突を誘発する」と指摘。
昨年末、中国当局の機関紙「中国青年報」は調査を行い、結果を公表した。それによると、「89・3%の若者は、いまの中国の貧富格差が激しいとみている。8割を超える調査対象者は、貧富格差の拡大を解決しなくてはならないとみている」という。
この調査によると、半数以上の回答者は、「貧富格差は主に、社会弱者層と特殊利益集団の間に存在、いわば、「権力のある人と権力のない人の間」と、「労働者と企業経営者の間」に存在、そのほかでは、沿海地域と中西部地域、都市部と農村でもみられる」と認識している。
そのほかでは、中国社会科学院が作成した「2007年:中国社会形勢分析と予測」白書は、「いま、中国の最も突出している三大社会問題は、『収入格差、貧富の分化』『医療機構の不均衡発展、治療費用の高騰』『就職、失業問題』である」と挙げていた。
この白書は、中国の都市部と農村の住民の最も大きな生活問題は、「家庭収入が低い、日常生活が困難」「医療出費が大きい、耐え難い」「住居条件が悪い、家を買えない」であると書き記した。
これらの情報からは、いまの中国が直面する一大社会問題は、貧富の格差であるのが明確になっている。前述の8割、9割の調査対象者はこの現象に非常に憂慮と不満を表し、問題の深刻さを物語っている。
また、注意しなくてはならないのは、中国の貧富が分化することだけでなく、貧困者層の人口が多いことと、収入が極めて低いこと。ある統計によれば、2005年中国の都市部住民一人当たりの実質収入は1万元あまり(約16万円)のに対し、農村部では3200元(約5万円)。世界銀行の報告書は、「中国の最も貧困層の人口は1億3千万人、毎日の収入は1ドルも満たない。絶対貧困水準にいる」と書き記した。
中国国務院「扶貧弁公室」(注:貧困者対策を講じる政府機構)の元主任・劉堅氏は去年3月、「中国農村では依然、2365万人の飢えの問題を解決していない。年収が683元(約1.1万円)から944元(約1.6万円)の低収入層は、4060万人いる」と明らかにした。
一方、世界の富豪ランキングにランクインする中国の大富豪の財産は、億単位に上る。
中国当局の政府機構である中国国家発展・改革委員会が昨年公表した報告書によれば、改革開放以来、中国の収入分配状況を反映するジニ係数は、0・29から0・47に拡大、国際社会が定めた0・4の警戒ラインを超えている。
このような厳しい情況において、中国当局は調和社会を構築するための各項目の論述では、収入分配問題の解決を重点としている。中共政治局は2006年5月に会議を招集、収入の分配制度の改革を中心に議論した。
このような貧富の格差をもたらした原因は相当複雑で、客観的な自然地理要素もあれば、人為的な教育、体制上の要因もある。
上海第一財経日報は、中国国務院発展研究中心の呉敬諭ΩΦ羂・・006年の「中国経済50人講壇」での発言を報道、同研究員の談話を伝え、「中国国内で現在貧富の格差が拡大し続けている主要な原因は、機会の不平等分配などであり、背後の要素は幹部の汚職と独占」と報じた。
中国改革基金会国民経済研究所の樊鋼・所長は、「収入格差の主要原因は体制問題。改革は健全に行われなかったため、公権力の旧体制が依然既存している。現在でも、中国の経済運営を左右、国有企業の独占、政府の管制は、業界間の巨大な収入格差をもたらした」と指摘。
中国当局は問題の起因に沿って、切実かつ実行可能な解決方案を制定しなくてはならないのは、あきらかだ。しかし、中国共産党組織と企業の関係の混同、政治体制と企業の関係の混同、官と民の関係の混同、権力と金銭の結託、都市部と農村の二元化、累進税制制度、農村部社会福利厚生の不備などの構造的な欠陥が存在するため、幹部汚職と国有企業の独占などの根源を解消するのは容易なことではない。
このような情況において、一旦問題が一定のレベルまでに蓄積すると、貧困者層の富裕層への不満が、中国の社会発展の最も不調和音になる恐れがある。この随時に爆発する爆弾をどう処理するのか、中国共産党の調和社会の構築を鍛える試金石になるはずだ。
(07/08/04 08:07)