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□【コラム】ネット上で「釣り」行為繰り広げるメディア各社 [朝鮮日報]
▽【コラム】ネット上で「釣り」行為繰り広げるメディア各社(上)
http://www.chosunonline.com/article/20070725000035
記事入力 : 2007/07/25 11:44:03
【コラム】ネット上で「釣り」行為繰り広げるメディア各社(上)
最近、メディア関係者の間でインターネット・ニュースの逸脱を懸念する声が高まっている。これまでもネット上のポータルサイトについて、世論を誘導し、著作権侵害を放置しているだけでなく、自分たちの好みに合わせて勝手に見出しを編集しているとの批判が絶えなかったが、今回はその話ではない。むしろ普段、そうしたポータルサイトの被害者として認識されている主要メディアが問題だというのだ。このところ、メディア各社はネット上で「釣り(一見興味深そうな見出しをつけてポータルサイトからユーザーを自社サイトに誘導すること)」行為によるアクセス数稼ぎをエスカレートさせており、これを問題視する声が上がっている。
アフガニスタンの武装勢力タリバンに韓国人23人が拉致され、生命の危機が迫っていた22日、国内の報道各社はこれとはまったく関係のないトピックをめぐって、「釣り合戦」を繰り広げた。この日の午前9時ごろ、コメディアンのチョン・ソニ氏がタレントのアン・ジェファン氏と結婚するとのニュースが伝えられたため、ネイバーやダウムなどの主要ポータルサイトで「チョン・ソニ」「アン・ジェファン」を検索するユーザーが激増した。そのためポータルサイトにニュース記事を供給している報道各社は二人の話題に関する記事を「量産」し始めた。
新聞上なら小さな記事一つで終わりになるはずの話題だが、ささいなこと一つ一つを取り上げては数十本の記事に小分けした。例えばある日刊紙は「アン・ジェファンとチョン・ソニのカップルはラジオ番組『正午の希望曲』がきっかけで出会った」「アン・ジェファンのミニ・ホームページはラブラブモード一色」といった15本もの関連記事を発信した。なにもこの日刊紙に限った話ではない。恥ずかしながら本紙を含め、ほとんどの主要新聞社やスポーツ・芸能紙が、二人の結婚に関する記事を量産するのにしのぎを削った。
ファン・スンヒョン記者(インターネット・ニュース部)
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽【コラム】ネット上で「釣り」行為繰り広げるメディア各社(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070725000036
記事入力 : 2007/07/25 11:44:53
【コラム】ネット上で「釣り」行為繰り広げるメディア各社(下)
メディアが芸能ニュースに群がり、二番せんじ、三番せんじの記事を並べ立てるのには理由がある。ポータルサイトのネイバーやダウムで検索したユーザーを自社サイトに誘導し、ホームページのアクセスを引き上げるためには、人気検索語を含む記事を餌に「釣り」を行うことが非常に有効だからだ。そのため、経済新聞のホームページに芸能ニュースがあふれ、オンラインの経済メディアに芸能ニュースの取材チームが存在するといった奇妙な現象が起きている。
こうしたユーザーを誘導するための「釣り」行為が普遍化したことで、最近ではさらに上を行くさまざまな技法が登場している。一つの記事で扱うべき内容を細分化して記事数を水増しする「サラミ(ソーセージを薄切りにするイメージから)」、ほぼ同じ内容を見出しだけ少し変えてポータルサイトに再送する「二番せんじ」、拉致事件のようなニュース性の高い記事の末尾にポータルサイトでの「食いつき」がよさそうな芸能記事を組み合わせる方法などがそれだ。
最近、オンライン・ニュースの担当者の間では「インターネットには特ダネ記事がない」といった自嘲(じちょう)めいた言葉が交わされている。特定のメディアが特ダネ記事を報道しても、すぐにほかのメディアがまねをしてポータルサイトに載せてしまえば、どのメディアのスクープだったかなど意味がなくなってしまう。しかも最近インターネットのニュース市場では特定のメディアを引用するのではなく、手当たり次第にニュースを拾っては自分たちが報道した内容であるかのように偽装する例も横行している。
1980年代、韓国のテレビ局は悪名高い「ピンポン・ニュース」で知られた。これは当時、毎日午後9時の時報が鳴ると、判で押したように「全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領は今日…」という出だしのニュースが流れるようすをやゆした言葉だ。いくら軍事独裁下で身の危険があったとはいえ、「ピンポン・ニュース」を流し続けた恥ずかしい過去を正当化することはできない。だとしたら、ポータルサイトでクリック数を稼ごうと、なりふり構わず扇情的なニュースを2度、3度と垂れ流す現在のインターネット・メディアは、将来どんな評価を受けるだろうか。
ファン・スンヒョン記者(インターネット・ニュース部)
朝鮮日報/朝鮮日報JNS